KAORU♪の「気ままなダイアリー」

KAORU♪が見つけたステキな風景、出会ったおもしろいできごと、おいしい料理などを“気が向いた時”にご紹介します。

★札幌の冬じたく

2008年10月27日 | KAORUの好きなものギャラリー
   <紅葉の札幌ファクトリー>

真夏日だった九州は
いったい何日前だったのだろう。

北海道での4日目の朝、札幌では初冠雪を記録した。

セッションやワークショップの合間に
持参したパソコンで仕事をしたり、
たまっていたメールや
いただいたお葉書の返信を送ったり。

北の国に住むパートナーと
新しく立ち上げたジュエリーユニットの
打ち合わせもびっくりするほど
予想以上にはかどったし。

札幌場外市場に連れていってもらい、
炭火でじっくり焼いた鮭のハラスは
ジューシーでおいしかった。

イクラの醤油づけも買ったから、
家に戻ったらイクラ丼を食べるの楽しみ。

細い路地奥を通り抜けた隠れ家のような
イタリアンレストラン「Φ(ファイ)」は、
何度行ってもおいしくて、
安らいだ気持ちになるから大好き。

ソムリエは若い女性で、ワインの味を
豊かな日本語で表現をしてくれる。


************************

やっぱり日本語って美しいね。

「十六夜(いざよい)」
「五月雨(さみだれ)」
「小糠雨(こぬかあめ)」

そして、色の表現の見事さ。
「浅黄色(あさぎいろ)」
「紅色(べにいろ)」
「薄鼠(うすねず)」に「深川鼠(ふかがわねず)」

こんな繊細な表現力をする国って
ほかにあるかな?
今回、日本人に生まれてよかったね!

でもやっぱり英会話もっとがんばって勉強しよう~。
世界中の人とお話ししたいね!


おいしいパスタとワインを堪能しながら、

イタリアを旅したいね!

ポンペイの遺跡は子どもの頃から
ずっと気なっている場所なの。

と、おしゃべりがはずむ。

************************

深まりゆく、北の大地の晩秋。
充実した4日間。

そして冬じたくが始まったことを予感する
朝の寒さに身を震わせながら、
日本の国に生まれたことに感謝し、
世界に夢を馳せる。

東京まで飛行機でたったの1時間ちょっとなのに
羽田空港に降り立った瞬間、
ジャケットは暑くて着ていられない。


時間と空間・・・“時空”を越えて
現実と夢と目標がスパイラルに
同時進行する今日この頃。




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★九州・小倉のおでん

2008年10月22日 | KAORUの好きなものギャラリー

九州は高校の修学旅行以来。

2度目の今回は、福岡空港から新幹線を乗り継ぎ、
小倉で2日間のセッションDAY。

到着すると同時に仕事をスタートし、
終わったのが午前1時過ぎ。

*************************

お腹すいた?なに食べたい?オススメはね・・・、と
いくつかピックアップされたメニューの中で
即決したのは、屋台のラーメンとおでん!

子どもの頃、よく父に連れていってもらった
情緒あるリヤカー屋台はこのところ、
すっかりと姿を消してしまった。

あのハダカ電球の物悲しくも温かみのある風情が
昭和ぽくって大好きなのである。

さまざまな具材の色や形。
竹串が放射状に広がっている姿はなんともきれいだ。


しっかりと使い込まれた大きな丸い鍋に
美しく並べられたおでんたちは
まるで芸術作品のようで感動である。


グリーンに染めてある銀杏は
彩りとしてはきれいだが、
なんのためにあんなに鮮やかにしてあるんだろう?


トロっとよく味のしみこんでいる牛スジは
父が生前、いつもこだわっていた。

たっぷりしたタコの足は
プリプリしてておいしそう~。

誰にも言ったことなかったけど
うずら卵、大好きなの。

*************************

そして、初めて見たのは
かんぴょうでキュッと束ねた 小倉春菊とネギ。

注文を受けてからサッっとダシにくぐらせるのが小倉流。

お店の人も、お客さんたちも地元の人みんなが
口を揃えて「本当においしいよ!」と
勧める極上の一品である。

レトロな、味のある木の箱に入っているのは、
手作りのおにぎりとおいなりさん。
そして、あんこのおはぎ。

お酒を飲んだあとに
甘いおはぎをほおばる男性も多いのだとか。

近くに座った地元の人たちとの会話は
屋台ならではの醍醐味。

今回の南の国では何人と出会えたんだっけな。
またたくさんの人と知り合うことが出来て楽しかった

あさってからの北の国では
また何人とお話しできるかな?

いつもの楽しいメンバーとのお食事会も楽しみ

おいしいもの食べに行こう~

ひとつひとつの出会いが
かけがえのない私の宝物
コメント (2)
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★鎖骨とおたまじゃくし

2008年08月30日 | KAORUの好きなものギャラリー
              【台湾ひとり旅で。幸せの茶柱】

夜になってからすごい雨とゴロゴロと
低い音で鳴り続ける雷。
時折光る稲妻の閃光。

このところ、夕立というより熱帯地域の
モンスーンに近いゲリラ雨の空模様がだんだんと
日課になってきた。

さっき、夕食の用意をしていたら
息子が「ねぇ、お母さんと一緒にまだお風呂入ってた頃の
話なんだけどさ。覚えてるかな?」と突然話し出した。

「なに?」

「“お母さんの鎖骨のくぼみで
おたまじゃくし飼おうよ!”って言ったこと」

「あ~・・・。そう言えばそんなこと言ってたね。
あれって、子どもの冗談だと思ってそういえば
笑って聞き流してたわ。
今振り返ってみて、どうなの?本気だったの?」

と聞いたら、
「今振り返ると本気だった。
なんでお母さんはおたまじゃくしを飼わないんだろうって
本当に思ってたよ。すごいな、オレ。
今もその発想、間違っていないと思うよ!」と答えた。

それもまた冗談なのか、本気なのかわからないが
旅の支度をしながらポロっと話す。

残り少なくなった夏休み。
この雷雨の中、夜行バスに乗って大阪まで
ロックフェスティバルに行くのだとか。

「うわ~!この準備の時間が
すっごく楽しいんだよな。
あと持っていったほうがいいものあるかな?
レインコートも持って行こう!
よ~し!船出だ!錨を揚げろ~!」などと
ひとりで盛り上がっていた。
(これ、ホントのセリフです)

旅好きなところ、親子で同じのようである。

思わず家にあるおかしをかき集めて
ビニール袋に詰めて手渡した。
ハッピーターン2コ。トマトプリッツ小袋1コ。
キットカットミルク味。いただきもののマドレーヌ2コ。
などなど、本当に寄せ集め。

バスの中でお腹すいたら食べてね。

サンキュ!こういうのって嬉しいよな!と喜んでいた。

**************************

明日の夜行バスであさっての
早朝に戻る車中2泊の旅。

でも・・・。

なんでそんなに荷物がデカイの?
だって、どこにも泊まらないでしょ?
なにそんなに入れてるの?とビックリするくらい
大きいバッグにあれこれ詰め込んでいた。

「荷物がたくさんあって困ることはないんだよ。
オレが荷物にしてあげられることは何にもないけど、
荷物がオレにしてくれることってたくさんあるんだ!」
とまたまた彼なりの持論が炸裂していた。

・・・っていうか、
まぁ言い回しは違うけど、突き詰めると
私もそんな理由でいつも荷物が多いのよね。

カラダが小さいのに、いつもやたらカバンが大きくて重い。

駐輪所のオジさんたちには
自転車が小さいのに、いつも荷物が多い人。
で覚えられているらしい。

あぁ、やっぱり親子。
そんなところも似ちゃうんだ・・・。


だけど、

鎖骨でおたまじゃくしは、いくらなんでも
小さいころにはそんな発想なかったよ。
たぶん、ね













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★満月の日、月夜野の温泉で

2008年08月18日 | KAORUの好きなものギャラリー
昨日は、群馬の沼田で加藤雄詞さんの
元気会に参加して本当に中身の濃い、
元気がでるお話を聞いたあとに向かったのは、
いつもの月夜野「太陽館」

山あいの深い緑を眺めながら、
檜の香りに包まれるこじんまりとした露天風呂に入ると
体の芯から不要なモノが溶けだしていく感じ。

そして、ほどよい熱さの湯でとろけたあとは
小さいお膳に彩りよく並べられたおいしいお料理を堪能。

日本旅館のオーソドックスな
日帰り温泉コースである。


そういえばある時、英語の先生に
旅館の夕食の写メを見せたら
お膳に釘づけとなり、
「これはサムライのテーブル???
初めて見た!どこに行けば見られるの?
今まで泊まったホテルでは見たことがないよ!」
とえらく感動されたことがある。

あまりに見慣れすぎていてなんにも
考えたことがなかったが、外国人から見れば
心ときめくアイテムのようだ。


***********************

今回ご一緒したメンバーのひとりは
7月の自由が丘のイベントで
三十三観音カードの長谷川章子さんから
「自然に触れて下さいね。
そうだ!沼田の元気会に行かない?
私は行けないけど清水薫さんが行くから
連れて行ってもらったら?
大丈夫、私から言っておくから!」
というメッセージをもらい、
先日のフィーノのセミナーに出席した際、
「星の王子様」のカードをひき
インナーチャイルドカードの黒田美穂さんからは
「冒険して下さいね!8月中にどこかに
行くといいみたい。自然のあるところね!」と
またまた似たようなアドバイスをもらって
迷っていたところ、突然夏休みを取れることになり
参加を決めた、という
エピソードの持ち主である。

いくつも重なったメッセージと、
偶然のような必然に導かれたスケジュールに、
疑うことなく「素直」に従って
行動に移した勇気がまたステキだと思う。

もともと旅行はあまりしないのだそうで、
新幹線は修学旅行以来、約20年ぶり。
旅館で、知らない人とテーブルを並べて食事をするのは
なんと生まれて初めて。なのだとか。

朝新幹線に乗り込むと
「昨日からワクワク遠足気分で眠れなかったんです!」と
いう言葉にこちらまで一緒にワクワクとしてきた。
思いもかけず“冒険の1DAYトリップ”の同行者と
なったわけである。

そうなると周囲の人たちも、
そして目に見えない何かすべてが
少しでもいい思い出を作れるようにと
無意識のうちに動き始めている気がする。

なんとその日は花火大会が開催されるのだという。

温泉、会席料理、花火。
そして、満月の夜。

花火は雲が多くて時折まったく見えなかったり、
一部分がかろうじて見えたり、
雲間から光だけが輝いてオーロラのようだったり、
それはそれですごく幻想的だった。

山々に囲まれて原っぱで見上げる花火は
先日の都会の夜景とともに見た風景とは
また一味違うのである。


帰りは最終の新幹線で東京へ。

「満月の夜10時にムーンストーンで
“恋愛”のお願いをすると叶うって聞きましたよ!」と
冒険旅行のご本人が突然思い出したように言うと、
私たちはあわててムーンストーンを探し始めた。

「あっっ!私の指輪に入ってるわ!」
新作、オリジナルデザインのリングには
12か月分の誕生石がすべてはいっている
しかも、モチーフは太陽と満月と三日月
(“満月”の日、“月夜野”の“太陽館”だもんね、すごい

「じゃあ、その石私にも貸して!」

「もちろんよ!」と

順番にムーンストーンの上に指を置いて
私たち独身3人は、超本気モード
少女のようなピュアな心
東京行き最終新幹線、8号車1番ABCの座席から
それぞれに想いを込めて満月に願いを掛けた

***********************


なんだか、何日も過ごしたようなカンジだね。
本当に盛りだくさんの充実した一日だったね!
とみんな同意見。

元気会に参加するだけのつもりが
思いもかけず、どっぷりたっぷり旅気分

************************

仕事は遊び。
遊びは仕事。

いつだってどこだって楽しめちゃう。

そんな生き方はこれからも
ずっと変わらないんだろうな











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★今日のお弁当は、

2008年07月15日 | KAORUの好きなものギャラリー
そぼろで作ったコロちゃんの顔。

クラスの女の子たちががかわいい~って
言ってくれたそうで、大満足で帰って来た。

「そうだろ!うちのコロは本当にかわいいんだ!」って答えたよ、と
さらっと言っていたが、それもまた事実だけど
お弁当もホントにかわいくできた(我ながら…)

保育園時代のこと。
同じようにそぼろで顔を作り
蓋を閉めようと思ったら目と鼻と口がなかった。

「あれ?どうしたの?
食べちゃったの?なんで???」と言うと
何も言わず黙っていた。
「もしかしたら恥ずかしいの?」と聞くと
こっくりうなずいた。

喜ぶと思ったのにな…。
でも子ども心にきっと何かあるのよね。と感じたから
それからというもの、小中学校のそぼろ弁当は
いり卵とひき肉を半分づつに
のせたシンプルなスタイルにした。


高校2年生になったある日、
もしかしたら、
もうそろそろいいんじゃないかしら?
逆に嬉しいお年頃かも!と思って
丸顔の息子に似た男の子をデザインしたところ
みんなに見せて回った、というのである。

読みはピタリと当たったのだった。

そして、本日は新作“コロちゃんバージョン”


************************

出張が多くて家を空けることも多いし、
家に帰ってくるのも遅い日も多いし。

おまけに旅好きだから時々、
さらに旅行にもでかけちゃうし。

疲れちゃって朝起きられない日は
お弁当作れないから買い弁(かいべん)の
こともいっぱいあるし。


そんな母なのに、
よくぞ伸び伸びと大らかに育ってくれていて
本当に感謝です
それはもちろん、
周囲の皆さまのサポートのおかげです。
本当にいつもありがとう

************************

朝はメチャ苦手だけど
高校生活もあと少しだから、
もうちょっとだけがんばって早起きして
お弁当作ろう!っと


いつの日か
母の味を懐かしく、愛おしく
思い出してくれる時がくるんだろうな。









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子宝草

2008年06月09日 | KAORUの好きなものギャラリー
今、部屋を拭き掃除していたら、
緑色の葉っぱがポロポロと床にこぼれていた。
目を凝らして見ると、
ギザギザの葉先に小さな双葉と
小さな根っこがしっかり出ている。

あれ?と思って辺りを見回すと
先月、近所からおすそわけしてもらった
“宝物”だった。


知らない間に子宝たくさん増えてたんだ


それだけなんだけど、今日は幸せ

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今日は高校最後の体育祭

2008年06月06日 | KAORUの好きなものギャラリー
東京は昨日まで、ずっと雨だったのに、
完璧なほど気持ちのよい梅雨晴れ。

すっかり油断してしまい、たっぷりと日焼けしてしまった。

ここ1ヶ月ほど、応援団の練習に明け暮れ
朝早くから学校に出かけ、今までに見たことがないぐらい
気合が入っていた。

「最後の体育祭だから見に行く~!」と言っていたのだが
いつもそっけなく却下されていた。
「もう高校生なんだから、見に来る親なんかいないよ。
来なくていいから!」と。
仕方ないのでひとまず諦め(るフリをし)ていた。

それなのに、今週に入って急に
「やっぱり応援団を見に来てほしい、高校生活最後だから!」
という。

もちろん、友人のお母さんから数日前に
一緒に行かない?とお誘いのメールが来た時には
「行く行く~!」と速攻で返信した。
こっそり見に行くつもりでスケジュールを調整していたから、
本人からの要請に“待ってました!”というカンジである。

願っていれば、あるいは自分の中で決めてしまえば
こんなふうに最終的にあちらの方から
やってきたりするものである。


何事もメゲずに、明るく考えておくと
結果的にすべてがうまく納まったりするのだ。

****************************


思い返してみると、
一番最初に保育園の運動会に見に行ったのが
15年前だった。

雨の日、体育館での開催だったが、
心細そうにずっとベソをかいていた。

よほど不安だったのか、指しゃぶりを通り越し、
2つの手のひらを口の中に突っ込んで
ずっとたたずんでいた。
小さな口の中に、そんなに手を突っ込んだら
むせちゃうんじゃないの?というほど
両手がすっぽりと入っていた。

徒競走も、先生にだっこされて
泣きながらのゴールだった。


そんな姿がまるでついこの間だったのに、
いつの間にかあれから15年の歳月が流れていたのだと、
学校に向かう道すがら、懐かしく思い出していた。

校庭に到着すると、
いつものアップルパイのメンバーが
「あ!こんにちは!」と元気よく挨拶してくれたり、
遠くから手を振ってくれる。
「オレ、活躍するからバッチリ見ててくださいね!」と
言われると、やっぱりウレシイ

****************************

大声を出して、声援を送る。

リレーで抜かされて、チームが敗退し
泣き崩れる子には男女問わず近寄っていて慰める。

騎馬戦で最後まで勝ち残ったら、
みんなで駆け寄ってハイタッチで祝福する。

今どきの東京の高校生の風体だけれど
すごくピュアで、
喜んだり、泣いたり、跳ねたり、飛び上がったり
全身を使って表現をしている姿が輝いていた。

そして帰ってきてから
「どうだった?オレの舞。みんなカッコよかったでしょ!」と
満足げな笑顔は、達成感に満ち溢れていた。



****************************

私もそんな時代があったこと、
すっかり忘れていた。

妙に大人になろうと必死になっていた。

いい人間に、崇高な自分に、
弱点を克服しなきゃ、と
知らずのうちに
自分を高めようとしながら
どこかでムリをしている気がする。

いつまでも甘えてちゃいけない。
大人にならなきゃ、と自分を戒めてみたり。

だけど…。


あんまり、そんなに急がなくっていいか。

あんまり、理想の自分に近づけようとして
心に嘘をついたり、ごまかしてみたり
別の言い訳を考えたりして、
なんとか事態をうまく運ばせようと努力しなくてもいいか。

あせるとロクなコトないし。
無理強いもかえって遠回りだし。

****************************

それにしても、
楽しい一日だった
(平日でホントによかった。土日はずっと
予定が入ってるもん。感謝です。)

15回目の体育祭はすっかり精悍な勇者のような
青年へと変容しつつある手ごたえを感じることができた。

そして元気いっぱいな子ども達の姿に
またまたパワーをもらって、すごく幸せ

きっとこれで、
6月のスクランブルもたくましく渡りきれそうである。














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近所で見つけた宝物

2008年05月12日 | KAORUの好きなものギャラリー
コロとの散歩道で見つけた宝物のおすそわけ。

「子宝草」という名前に、一瞬、あ、でももう子宝はいいかも。
一からまた子育て大変だし・・・。と思って
通りすぎようとしたけれど、
「よかったらお持ち下さい。寒さには少し弱いです」という
手書きの文字を眺めていたら、
持ち主の優しく大切に鉢に植え替えている姿が思い浮かんで
急にいとおしくなって、一ついただいて帰ることにした。

子宝は何も本当の子どものことじゃないしな。
私の宝物、たくさん増やそう~。と思いながら
大切に抱えて家まで連れて帰った。

*****************************

おとといは、息子のリクエストで
久しぶりにホットアップルパイを焼いた。

2人の友達たちも「すごいうまいです!」と喜んで食べていた。

そして昨夜、今度は別の友達たちが
「まだアップルパイ食べたことないんです。
いつもオレたちがいない時だから・・・。」と
再びリクエストを受けて昨日は6人分を焼くことにした。

冷蔵庫に転がっていたリンゴをざく切りにして、
オーガニックシュガーをざっと入れてさっと煮ている間に
パイシートとバニラアイスクリームを買ってきてもらう。

オーブンで20分ほど焼いた熱々に
冷たいアイスクリームをのせて食べる私の定番デザート。

レシピも何もない超アバウトおやつ。



「今日は疲れているから、自分たちで切り分けて、
洗い物もちゃんとやってね!」と言い残してお風呂に入った。
髪を乾かして、キッチンに戻ると、
もう子どもたちは帰ったあとだった。

お皿やフォーク、リンゴを煮た鍋までもがきちんと洗って重なっている。

さすが、これってバイトの成果?

なんて思いながら、高校生の男の子たちがみんなで
片付けている姿を想像するとなんだか微笑ましくて、
思わずにっこりしてしまう。

*****************************

忙しい毎日だけど、
世知辛い世の中だけど、
一生懸命やっているのにうまくいかずに
へこんじゃうことあるけど、

でも、こんな思いがけないステキなプレゼントが
また明日へのパワーを充電してくれる。

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★未来への旅じたく

2008年01月25日 | KAORUの好きなものギャラリー
               [千葉勝浦の守谷海岸]

子どもの頃、小児喘息を患っていた私は
たびたび発作に襲われた。
ヒューという音が体に響き、肺の内部から
かろうじて外に吐き出すような、か細い息とともに
呼吸をしていた記憶がある。

20代前半の若かった父と母は、
大阪から空気の悪い東京に引っ越してきたせいだろうか?
などあれこれ心配をして看病に必死になっていた。

妹たち2人は、親の手を煩わせている
体の弱い姉を気遣いながら、
どこかで自分は迷惑をかけないようにしよう、と
幼心にガマンをしてきたようである。

******************************

その辛かった小児喘息も小学校高学年の頃になると
すっかりと峠を越して、中学に進学したあたりから
めきめきと健康な肉体に変化を遂げていったのだった。

そうなると昔、病弱であったことも
すっかりと忘れてしまうものである。


今となっては、ギックリ腰で立てなくなることが
4~5年前まではよくあったのだが、
ここ数年はどんなに調子が悪くてもなぜか翌日には
普通に起き上がれる強靭な肉体を手に入れるほど
仕事を休んだことがないカラダになった。

見かけは小さくで細いが、意外に強いのだ。

本当にありがたい話である。


******************************

小学校に上がる前にはひどい発作がたびたび
重なったらしく医者には「公害認定患者」にしましょうか?
と言われたほどだったのだという。

時はちょうど日本が高度成長期。

京浜工業地帯は灰色の煙を我が物顔で
モクモクと空に流していたころである。

幼ない私は、そんな風景を中学や高校の社会の
教科書で後から知ることになるのだった。

汚れた空気の東京から少しでも逃れるために
週末になると千葉県の房総に位置する勝浦の海へと
家族総出で連れ出してくれた。

安い民宿のふとんはホコリだらけで
いつも落ち着いていた発作がかえって悪化していたのだが
それでも両親は潮風と太陽を浴びれば
きっと元気になる、と信じて足しげく通い詰めた。

最初は病弱な娘のために、というきっかけだったが
ヒマをもてあました父が時間つぶしに“釣り”をするようになり、
じょじょに地元の漁師さんたちと仲良くなっていったのだった。

海に潜ったり、地引網などを楽しむようになった
父は、すっかり海に魅せられて釣果を自慢したり、
海の幸に腕を家族や来客に振るまっては喜んでいた。
(今思うと贅沢な話だが、当時はもうお刺身はいいよ・・・
というぐらい魚ざんまいでちょっぴりウンザリしていた)


******************************

父が亡くなってから早いもので13回忌を過ぎた。

年末年始にかけて、犬3匹を連れて一家で過ごした
天津小湊(あまつこみなと)は勝浦に程近い場所。

初日の出を拝んで、家路へと帰る途中、
せっかくだからあの懐かしい守谷海岸に行ってみることになった。

お正月の澄み切った空気と燦々と輝く太陽が
昔と変わらずに私たちを向かえてくれた。

何百年も前から海の守り神として御祭りした
赤い小さな鳥居のある通称“渡島”と呼ばれる小島には
ちょうど日の光がさしていて、
まるでスポットライトのようだった。

数分後には太陽の位置も移動していたから、
幻想的なシーンをカメラにおさめることができた。

******************************

家族にたくさんの愛を注いでくれた父が病を患って、
余命を宣告されてから、それまで以上にひたすら感謝の
言葉を口に出すようになっていった。

「ありがとう。ありがとう。」って。

もちろん元気な頃も、超ポジティブな父は年末になると
大阪弁で「いや~、今年もええ年やった!」と、
どんなことがあっても笑顔で言い切っていた。

そして、あと1年、6ヶ月、3ヶ月・・・と言われ続けても
騒ぐこともなく、乱すことなく、黙ってもくもくと
身辺の整理をしながら家族を見守ってくれていた。


最期はかくありたい、と私は親の背中を見せてもらった。

******************************

そして先日、祖母が天寿を全うした。
97歳で老衰。本当にお疲れさま。
そして寿命完遂おめでとうございます。
というに値する時間の長さである。

叔父や叔母のキメ細やかな心遣いで床ずれもなく、
どこも患うことなく静かに旅立ったのだそうだ。

明治生まれの祖母は激動の時代を生き抜いた
カッコいい「明治の女」。
凛とした中にいつも哲学があり、それでいてマイペース。

そんな祖母も最期はひたすら家族に感謝をしつつ、
旅立つ直前は、今まで通り急に周囲を一括したという。
毅然とした姿勢も忘れずに指し示してくれたのだと思う。

******************************

父と祖母。

ふたりは自宅介護だったために
納棺し、送り出すという貴重な経験をすることができた。

父の時には、黒い服の男性が体を拭いて棺に体を納めてくれた
かすかな記憶しかないのだが、今回の祖母には本当にビックリした。

ワンボックスカーが家に横付けになり、
介護用のお風呂とシャワーが部屋に運び込まれる。

準備が整い、呼ばれていくと黒いエプロン姿の
20代の男性と茶髪の女性。
今どきの若者風のふたりは穏やかに手順を説明し始める。

「来世に旅立っていただくために、この世の煩悩を捨て、
悲しみや苦しみをすべて洗い流すための
儀式を今からとりおこないます。
もしよろしければご覧いただいてもいいですし、
お辛かったら席をはずしていただいても構いません。」と
話し終えた後、お風呂に体を移動して洗い始めた。

まずは家族が一杯ずつ手桶の湯をかける。
その後は、石鹸を泡立てて髪の毛や顔、足の指、
背中に至るまで全身を丁寧に丁寧に洗ってくれる。
そして、最後はゆっくりゆっくりとシャワーで洗い流し
タオルで水気をふき取っている。

長い時間をかけて、肉体最後のお風呂に入る祖母は
本当に気持ちよさそうで、ピカピカになっていた。

棺に納める時、母や叔母があれこれと手に持って
茶髪の女の子に交渉を始めた。

「これはおばあちゃんが自分で縫った浴衣なの。
これを着たいって言っていたんだけど、いいですか?」

「そうですね・・・、こちらで用意したものがあるのですが
・・・わかりました。一番上になるように着させて頂きます。」

「この布団を棺に入れてくれって生前に言われたんだけど・・・」

じっとあれこれ眺めて、
「はい、ではこちらを使わせて頂きます。」

「おばあちゃんが長いこと集めた善光寺さんのお札、
これも足元に入れてやってくれないかな?」

すると、今度は男性が、
「う~ん、ではこれはせっかくですからご家族おひとりづつが
ご挨拶とともにお納め下さい」

幼児のひ孫たちも小さな手におばあちゃんが集めた
色とりどりのお札を握り締め、布団の上に置く。
祖母の選んだ純白の布団はまるで花びらを散りばめたような
あでやかな模様へと彩られた。

「大阪ではね、足袋は逆にするのよ。
こちらはそのままなのね。」と言うと、
静かに微笑みながらやんわりと
「色々な土地の風習がありますから。」と
きっぱり言い切った。

若いふたりは丁寧にそつなく、
でも故人や遺族の心を汲み取りながら臨機応変に対応しつつ、
土地の習わしを重んじる姿勢を貫き通し
“儀式”と呼んでいた作業を鮮やかに終えていった。

******************************

一段落した後、同年代のいとこ達と
すっごく若くてビックリしたよね~。
あの人たちは正社員?派遣?パート?・・・
お金がいいの?それにしてはそれだけじゃないよね?
プロフェッショナルな動きだったよね!と
ひとしきり議論となった。

******************************

そんなできごとをあるところで話たら、
その一連の作業を別名「エンゼルケア」というのだそうだ。

そういえば、あの茶髪の女の子の表情。
まるで、マリアさまのような、観音様のような、
お釈迦さまのような微笑を浮かべながら洗っていた。
そして、天使がまわりにいるようだった。

過去世も来世も信じている人ばかりではないと思うが
あんな風に自然に「来世のために・・・」と言われたら
きれいな旅じたくをさせて、心から見送りたいという気持ちになる。


******************************

「たつ鳥あとを濁さず」
という格言は旅行に行く前に
昔から母が言っている言葉。

旅に出る機会の多い私も、家を出る前には
そのセリフが頭にこだまし、時間のゆるす限り部屋を片付ける。

人生もまた長い旅路。

ふたりの先輩が見せてくれた生き様と
次の未来へと向かう旅じたくは、
私の今回の旅の道のりの指標になるにちがいない。

































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★TOKYO ライフ ~電車~

2007年12月07日 | KAORUの好きなものギャラリー
  【恵比寿ガーデンプレイス バカラのシャンデリア ~歓びのかたち~】             

北の国に住む仲良しは、
駅と駅の間隔がまちまちなのを
「TOKYOらしい」と言う。
2分だったり、3分だったり、4分かかったり・・・。
町が最初にできてから、後から駅を作ったことが
よくわかるんだとか。

確かに新興住宅街など、先に電鉄会社が駅を作って
後から町を作っていくところなどは、
等間隔で駅と駅が結ばれている。

曲がった坂道を見ても、
それはやはり「TOKYO」の景色なのだそうだ。

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大阪生まれとはいえ、1才の時に引っ越したという
私は気がついたら「TOKYO」にいた。

だから、なんの疑問も持たず住み続けて40数年。

まわりから“乾いた砂漠”と表現されていても
それが当たり前の風景でいると、
悲しいことでも、とりたてて嬉しいことでもなんでもない。
子どもの頃から、すぐそこにある日常で
それが現実だから他と比較する必要もなく
すくすくと育っていったように思う。

でも、大人になってたくさんの人たちと交流をして、
さまざまな場所に足を運び文化や習慣の違いを
見聞きするようになると、今まで空気のように
感じていた場所を突然意識するようになる。

まるでなんとも思っていなかった幼なじみを
急に異性として意識し始めるように。

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昨日はある会合に出席するために
赤坂まで銀座線に乗った。

その帰り道。
改札近くの棚に置いてあった
地下鉄のフリーペーパーが目に入った。
表紙はシックなピンクのクリスマスリースで
思わず手にとってみたくなったのだ。

乗り換えの電車に腰を下ろしながら
「地下鉄開通80周年特集」の記事を
なんとなくぼ~っと読んでいると、
記憶の奥底にしまい込んですっかりと忘れていた
電車での思い出や会話が次々と甦る。

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大学生の頃、バスケ部のキムラくんと電車の方向が同じで
よく行き帰りが一緒になった。

ある日のこと、
「銀座線ってさ、駅に着く前に一瞬車内が真っ暗になるだろ?
オレ、あれにドキッっとしちゃうんだよな~」と呟いた。

そう。
アルミの新型車両になってからはそんなことがなくなったが
以前の“真オレンジ”の電車の時には、
なぜだか理由は知らないが各駅ごとのホームに入る直前、
“チン!”というレトロな音が短く鳴り響いた後、
車内が真っ暗になって視界が瞬間、遮断されるのだ。
初めての頃は「わ、何が起きたのかしら?」と不安になるが
誰も慌てないところを見ると、そんなものなのだろうと
次第に慣れてきてはくるものの、やっぱり毎回ちょっとコワイ。

でも、身長2メートル近くあったキムラくんは
それを毎回ドキっとしていたなんて。
私のような恐怖心ではなくて、彼は
なんだかちょっとトキめいていたのである。

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そして、“赤い”電車の丸の内線は
ずっと地下を走り続けているが、四谷あたりで
ほんの一瞬地上に出る地点がある。

急にあたりが光に包まれて明るくなった、と思うと
次の瞬間、再び闇に包まれて地下に潜伏していく。

ラジオだったか雑誌だったか忘れたが、
あそこは本当にドキッとする場所だ、と言っていて
それから丸の内線に乗るたびにそのフレーズを思い出す。

「東京メトロ」で感じていた地下鉄ならではの
刺激的な「瞬間の“光”と“闇”」

その「メトロ情報誌」によると、
あの赤い旧車両はアルゼンチンのブエノスアイレスに運ばれ
現在も活躍中なのだそうだ。
しかも「乗務員室」などの表記もそのままで。

地球の裏側でいまだ現役で活躍し、
愛されているのがなんだか嬉しい。

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“空色”の京浜東北線の車窓からは
まだ「ゆりかもめ」の線路を作る工事をしていた
風景をいつも眺めていた。

汐留のあたりの貨物線路をこわして更地になったな、と
思っていたらある時、人が大勢来るようになって
なにやら掘り起こしていた。

しばらく一体なんだろう?と思っていたら
「どうやら遺跡が出てきたらしいよ。
そうなると工事は中断しないといけないそうで、
路線計画が大幅に遅れている。」という
車内の人たちの会話が聞こえてきた。

それからというもの、新橋駅を通るたび
窓の下の風景に目を凝らしてみるのが日課となった。
土にまみれて陶器のかけらやら、
木片やらが出てきているのが遠目にも見て取れる。

もしかしたら歴史を塗り替えちゃうような
大発見があったりして・・・。
なんて思うだけでワクワクしていた。

雨の日はブルーのシートがかかっていて
今日はお休みなのかぁ・・・と思ってみたり、
真夏の暑い日には、大変だな~と思ったり、
今まで発掘されていた場所が埋められて
新たなところに移ったんだね、とひそかにいつも
その日々の移り変わりを見るのが楽しみだった。

ある時は若い学生たちが教授らしき人を取り囲んでいる。
遺跡発掘の実践授業なのだろうか。

またある時は年配ばかりのグループ。
定年退職後のボランティアの集まりなのかもしれない。

老若男女さまざまな人々が地中深くに眠る
思い出深い品々を丁寧に掘り起こし
再び太陽の光にかざし、風を吹き込こんでいる。

無機質な、寂れた線路の下には
昔の人の生活が息づいていたのだと想像するだけで
心が躍っていた学生時代。

今は日テレのビルや電通の本社が入るカレッタ汐留など、
高層ビルが天を目指すように立ち並び
茶褐色の線路も、のどかに遺跡を掘っていたことも
まるで夢の中のような出来事である。

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先日、ドイツの医療器具を使ってストレス度を
測定してもらうチャンスがあった。

すると、測ってくれた人がビックリするぐらい
ストレスを感じていない、すごくいい数値がでてきた。

ずっと都会に住んでいる人は、人ごみとか
満員電車とかでもっと高い数値が出てくるのに
何にも思っていないんですか?と何度も驚くのである。

子どもの頃からそんなもんだ、と思って
慣れっこになっているせいかもしれない。
邪魔だ、と思いながら歩くと人の多さが辛く感じるが、
最初からいかに人にぶつからずに
間を縫ってスムーズに通り抜けるかゲーム感覚で
歩き続けると意外を誰にも腹も立たずに、結構おもしろい。

そんなしたたかさとたくましさを育んでくれたのが
「TOKYO」なのである。


“江戸の情緒と古さ”

“未来への希望と新しさ”

その両方を受け入れて進化し続ける街。
どちらも排除せず、あるがままを受け入れ
来るもの拒まず、去るもの追わずのスタンスを崩さない。

私もそんなスタイルを追い続ける人生を
カッコよくスマートに、でもがっちりと
走り抜けていきたい、とひそかに思っている。









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★最後の夏の日に

2007年08月31日 | KAORUの好きなものギャラリー
         【Chicagoのダウンタウンとミシガン湖】

シカゴから戻るとTOKYOは秋だった。

前日まで本当に暑かったのだというが朝晩の
さわやかな秋風と、虫の声を聞くとなんだか信じがたい。

たった1週間、不在の間に夏が終わってしまったようである。
夕方6時半にはとっぷりと陽が暮れて秋の夜長を思わせる。

7月までは気温が低めで、8月に入ったとたん
急にうだるような暑さに見舞われた2007年の夏。

いつもよりもちょっぴり短かったような気がする。

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シカゴの話はまた次回、ということで
今回はこの夏にチャレンジした『セミ』の話。


お盆の真っ最中、近所の大好きなタイ料理屋さんの、
息子の同級生のご両親でもあるオーナー夫妻に呼び出された。
ぜひ食べさせたいものがあるのだという。

すごくおいしいものかな?と
期待感いっぱいでいそいそとお店に向かった。

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こんにちは~と張り切って、
そして満面の笑顔でドアを開けるとカウンターの上には
カラっと音がしそうなぐらいにパリッと揚がった
“虫たち”が盛り付けられていた。

一瞬後ずさりをしそうになりながら、その物体から目を離せずに
そのままひとまず席に着くと、日本人オーナーのご主人は
「いや~、タイの東北地方では『セミ』を食べるらしいですよ。
私もさっき揚げたてを食べたけど結構イケますよ。
清水さんなら食べれるって思って電話しました!」と言う。

タイ東北部出身のコックさん一族もニコニコと笑っている。


昨晩、タイ人4人で近所の公園につかまえに行ったのだという。

真夏の夜の、都内の公園であっという間に4人で63匹。
驚くべき虫取り名人たちである。

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タイでは、真夏の3月しか食べることのできない貴重品。
ラーメンが一杯6バーツぐらいに対して
一皿140バーツもする高級品なのだという。

そして、長寿と健康の薬でもあると聞いたとたん
せっかくだからチャレンジしてみよう!という気になった。

えぇい!と“清水の舞台”から飛び降りるような気持ちである。
“清水の舞台”は高い買い物をするときに使う言葉?
だったら“あとは野となれ山となれ”???

ちょっとニュアンスが違うが、ようするに半分やけっぱち?
のような気分で口にほおりこんでみた。

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そういう時の私は、そういえばいつも子どもの頃から大胆だった。

友だちからは「本番に強いよね~」と半分呆れ顔で、
半分羨ましがられていた。

練習や実力以上の成績や結果を残していたからだ。

・・・たとえば、大学3年のピアノの試験の時。

---小学校の先生になる学部だったから、
有無を言わさず強制的にピアノの授業があった。
ラグビー部や柔道部のイカツイ体格の男の子たちが
部活の汗臭い格好のまま太い指で、背中を丸めて
一生懸命ピアノに向かっている後ろ姿は、なんだか
微笑ましく、そして涙ぐましくもあった。---


年明けすぐに後期の学年末テストがあるのを
すっかり忘れて、2日前に言われて気がついた。
これを落とすと単位がもらえない重要な試験である。

お正月気分にどっぷり浸り、周囲が気合を入れて
練習している気配などちっとも察知することができなかった。

しかも、ピアノは習ったことがない。
子どもの頃にピアノに通った人たちとは雲泥の実力の差が
ある上に練習もしていない自分にあわてふためき、
2日間、半分泣きそうになりながら練習をした。

仲間うちで模擬テストのように、先生役を決めて
教室に入るところから行う練習では、緊張というより
単なる練習不足で何度も間違えた。

あきらめて臨んだ本番のテスト。

自分でもビックリするぐらい落ち着いていて、
結局1ヶ所をほんの少しつまずいただけで
大筋でなんとか最後までを弾くことができたのだった。

そして、長い時間をかけて練習をしてきた友人は
緊張のあまり何度もつまずいてしまい、
テスト後私のそばにきて「KAORUって本当に本番に強いよね・・・」と
半ばうらめしそうにつぶやいていた。

でもだって事実だからしょうがないじゃん。と
ノーコメントを貫き通すのが「清水薫は魂がオトコ」と
言われるゆえんなのかも。


テニス部でも練習ではいまひとつパッとしないのに、
なぜか期待されている以上の成績を残して周囲を驚かしていた。

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いざという時、不思議なくらい肝のすわる私が
口にした初めての『セミ』は『川エビ』の素揚げに近い味だった。
想像していたよりもいけるかも!というのが率直な意見である。

『タコ』を食べるなんて!という国民がいるように、
『セミ』を食べるなんて!と思うのは日本人だから
なんだと思っていた。


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ところがどうして。

オーナー夫妻の奥さんは生粋のバンコク出身。
そういえば『セミ談義』にはほとんど参加しなかった。

あとから聞いたら「目」のあるものは、
たとえ魚でも怖くてたべられないのだという。
まして『セミ』なんて・・・。といったカンジ。

そしてその日の晩に久々に会った
北の都市、チェンマイの出身の近所の、
やはり息子つながりの母仲間。

彼女も「よく食べれたね~!私たべられない!」と
驚きを隠せない。


・・・その彼女を見て私も驚いた。

つまり『セミ』はある特定の地域の食べ物で、
それ以外のタイ人は、日本人と同じような気持ちになって
食べることができない“シロモノ”なのであった。


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そういえばつい最近、「あなたのソウルは何タイプ?」という
雑誌の特集でチャート式別のチェックシートを
ワクワクしながら取り組んでみたら
『楽観的で冒険家のソウル』って分類されてたっけ。

好奇心旺盛で怖いもの知らず。

そんな魂の持ち主なのだと改めて自覚したこの夏。

強情だけれど、楽天的なマイペースさで
今までの人生をなんとか乗り切ってこれたのだと思う。

でも、やっぱりいつもいつも思うのは
楽しいチャンスを提供してくれる周りの人々のおかげ。
そして、失敗しても温かく包んでくれる周囲の心遣いが
いつも私を伸び伸びと育てて下さっているのだ。

秋の気配を楽しみながら、またいろんなことにチャレンジしたいな

今年の秋は、またまた全国さまざまな場所に足を運ぶ
ことになりそうだから、たくさんの秋を満喫できそう


・・・そうそう思い出した。

9月は『魚が足の角質を食べてくれる』という
スパに挑戦しに行く予定~














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★夏の日の「あてなるもの」

2007年08月09日 | KAORUの好きなものギャラリー
               【Mt.ShastaのSOUTH GATE】

高校2年生の夏休み。
「オレ、超満喫中~!」と毎日息子は楽しそうだ。

夏休みに入ったとたん、先生に呼び出された母としては
半分あきらめているが、言うことはきちんと言っておかないと!
「宿題やったの?2学期にはちゃんと挽回しないと
本当に落第しちゃうよ!」とあきらめきれずに言い続けている。

親の心を知る気など、これっぽっちもなく
「うん、うん」と思いっきり聞き流されて
まるっきり「のれんに腕押し」「ぬかに釘」という日々である。

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私の中学・高校の夏休みはバリバリ体育会系のテニス部で
毎日朝から夜まで真っ黒に日焼けしながら
とにかく試合に勝つことだけに情熱を傾けていた。

女子校で、遊んだり恋などする暇もなく
テニスに明け暮れる6年間だった。
それでも意外に授業も集中して聞いていた。

なかでも「漢文」「古文」はなぜか好きだった。

先生が読み解く遥か昔の文章から、いにしえの人々の
暮らしや思いにイメージを膨らませてはひそかに
ワクワクと楽しんでいた。

高校を卒業してからは、特に自分で本を読んだり
勉強したり、ということもなく授業中だけの世界で完結して
しまっていたが、でも、夏の暑い日になるといつもひそかに
清少納言の『枕草子』に書いてあった一文を思い出す。



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あてなるもの
薄色に、白襲(しろがさね)の汗衫(かざみ)。
雁(かり)の卵。
削り氷(けずりひ)に甘葛(あまづら)入れて、新しき鋺に入れたる。
水晶の数珠。
藤の花。
梅の花に、雪の降りかかりたる。
いみじううつくしき稚児の、苺など喰いたる。


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「あてなるもの」とは【上品でうつくしいもの】のこと。
清少納言の感性で選んだ気品にあふれた美しいもの。

高貴な平安貴族だけが食べることができた「かき氷」。

冬の間の天然氷を「氷室(ひむろ)」に貯蔵しておく。
そして夏の暑い盛り、削った氷に甘葛(あまづら)という
甘いシロップをかけて、新しい金属のお椀にいれていただくという
なんとも贅沢な何百年も前の“おやつ”。

いったいどんな味がするんだろう…と
宙を見つめて、心をときめかしていた。

今思うと、本当に昔からやっぱり“おやつ”好きなのである。

砂糖のなかった平安時代に貴重な甘さと
夏にほおばる冷たい氷に、きっといにしえの人々は
えらく感動していたに違いない、
と思いを馳せるだけでなんだか嬉しい。


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今、私もアメジスト(紫水晶)のブレスレットをしているし、
薄紫にこぼれ落ちるような藤の花も大好き。

春を告げる梅の甘い香りの花に降り積もる白い雪は、
行きつ戻りつする厳しい冬とのコントラストを感じて本当に美しい。

それに、かわいい子どもが苺を食べてる姿って
微笑ましくて確かに絵になる

昔も今も同じ価値観を共有できることが感慨深い。

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そしてこの夏、KAORUが味わった美しくておいしいもの。


満天の星空を見上げながら、夏の海岸で食べた「イベリコ豚の豚汁」。

何十年かぶりに見た「天の川」にも感動した。
夜の砂浜は寒かったけれど、花火も楽しんで
体の芯まであたたまった。

それから、イタリアンレストランでいただいた
「味来(みらい)」という品種のトウモロコシの冷製コーンスープ。

生で食べられる甘い甘い種類なのだそうだ。
生のままミキサーにかけて、少しの塩で味を整えただけなのに、
デザートのような品の良い甘さ。

夏限定の特別メニューなのだとか。

最後に出てきた「ドルチェ」はどれもおいしかったな~
特に、甘いコーンスープがとろっとかけてある
ブラマンジェは初めての味


そうだ、カフェオレには「トムとジェリー」の
「ジェリー」を描いてくれた
90種類ぐらいのレパートリーをお持ちなんだとか。

今度行ったら、「ジャイアン」をリクエストしたいな

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上品で優雅なものを清少納言が好んだように、
KAORUは楽しくて美しいものが好き

この夏、私もまだまだ息子に負けないぐらい
新しい発見して、そしてキラキラとした感性を磨き続けよう

























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★恋の悩みとオラクルカード

2007年06月16日 | KAORUの好きなものギャラリー
               【高松・海辺の夕暮れ】

青春真っ最中の息子とその友達たちは、
とにかく楽しそうによく遊び、そして今一番の興味は“恋”である。

我が家にちょくちょく遊びに来る子どもたちに
ついでに食べていく?と夕食を作り、にぎやかに食べる。

食べ盛りの高校生の男の子たちはよく食べるけれど、
息子と二人の生活では、意外に少食で、
突然の夕食作りではいつも足りるかな?と心配しながら
ひとまずあるものでめいっぱい腕をふるう。

多忙な毎日だから、完璧ではないけれど
できる範囲の中で母として過ごしている。

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おとといの夜は二人の友達が遊びに来ていた。

夕食後片付けが終わると私はかたわらで、
パソコンにむかい仕事のメールやらを無言で行っていた。

すると、私にむかって息子がそのうちの一人を指差し
「こいつさ~、まだ好きな人に告(こく)らないんだよ~!」と
いう。
「え?なんで?自分の思いは素直に伝えたほうがいいよ!」と
コメントすると、
「だって、彼氏がいるのに絶対ムリだよぉ!」と叫ぶ。

「“ムリだ”って言ったらそこで戦いは終わるんだ、って
先生が言ってたじゃないか!あきらめるなよ!」などと
もう一人も会話に加わり、背中を押す。

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「じゃあさ、オラクルカード引いてみる?
おみくじカードで天使とか妖精とかからのメッセージがくるよ」と
提案すると、ちょっとの間考えて意を決したように
「…引いてみる!」と恋に悩める少年は言う。

「いい?深呼吸をしてね。ちゃんとご挨拶するのよ。
よろしくおねがいします!って。それから聞きたい内容を言ってね。
そして、終わったらちゃんとありがとうございました、と
お礼を言ってね!」などなど手順を説明すると
「はい。」と素直に返事が返ってくる。

引いた2枚のカードの意味を上手につなげて
自分なりに答えを見出したようだ。

そしてしばらくの間静かだな、と思ったら急に
「このカードすげえ!」と叫び始めた。

するともう一人がオレもやってみたい!という。
もちろんどうぞ。と先ほどと同じ手順で伝えると
神妙な面持ちで、呼吸を整えカードを手にしている。


「そうか、何かあったら助けを求めてもいいんだ!」
「大天使ウリエルの名前を呼ぼう!」とつぶやきながら
「わ~、びっくりした。すごいよこれ!」と
同じように感激している。


最後までオレはいいや、と突っぱねていた息子に
二人が「おまえもやったほうがいいよ!」とすすめて
とうとうカードを引き始めた。

「ふ~ん・・・。」とカードを見つめたあとは
言葉すくなに、特にコメントもなかったから
ピンとこなかったのかしら?と思いつつ感想も聞かずにいた。

すると、友達二人が帰った直後、
「お母さん!あのカード本当にすごいね!」と
大きな声で叫んだ。

**************************

オラクルカードは、迷ったとき、行き詰った時、
深い悩みがなくても気軽にひける身近な相談相手のような存在。

不思議なくらい的を得た答えで、
力が沸いてきたり、心を癒してくれる。

時には、直感を信じて!とか、
難しい問題はポストに入れて投函しましょう!など
固まった心を手放すアドバイスをしてくれる心強い存在。

自分自身を見つめ受け入れ、目に見える宇宙・地球・自然・動物や
目に見えない神様や天使、妖精などありとあらゆる存在とともに
生きていることを素直に感じることができるステキなメッセージが
たくさん詰まっている。

世知辛い世の中ですっかりと忘れ去られてしまった、
一昔前のおばあちゃん達の世代やずっと昔からの先人たちが
大切にしていた世界もいっしょに教えてくれている。

**************************

年頃の少年たちがあんなに感激すると思わなかったが、
でも心がピュアな分、感受性も豊かでしっかりと
受け入れることができるのだろう。

女性や、スピリチュアルに興味のある特定の人だけでなく
多感な悩める子ども達に、そしてこれからの時代を
生きる世代にもっと活用できそう、と思った。

さまざまなことで傷つき苦しんでいる子どもたちも
また大勢いるからである。

自分を大切にし、そしてすべてのものに感謝する
視点を見つけられるツールになっていけたらいいのにな、と
思いつつ、すべての子どもたちが悩み傷つきながらも
すくすくたくましく育ってくれることを心から願っている。











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★讃岐うどん三昧の幸せ

2007年06月13日 | KAORUの好きなものギャラリー
               【冷やしおろし天うどん】

スケジュールには載せていなかったが、
1泊2日で四国の高松まで仕事で出かけてきた。

「四国に出張で行くの」と周囲に言うと、
みんな口を揃えて「えっうどん
とうらやましがられた。
私の英会話のイギリス人の先生でさえ、四国に行ったと
一言言っただけなのに間髪入れずに「UDON」と
青い目をキラキラと輝かせ、いつか行ってみたいと思っていた。
どうやって行くのが一番近いのか?とかどんな味だった?と
質問攻めなのである。

私も、実は何よりの楽しみが“うどん三昧”だった。

とにかく、仕事であろうとプライベートであろうと
知らない土地に行く醍醐味のひとつは「地のもの」を食し、
その「地の香り」を胸いっぱい吸い込んで、そして
見たことのない景色や風景に心躍らせる。

どんよりとしたグレーの雲と小雨模様の中で
飛行機に乗り、どんどんと小さくなる眼下の
「TOKYO」の街並みに自分自身の
悩みや不安の小ささを感じてしまうのだ。

やがて雲を突き抜けると、そこには真っ青でどこまでも
透明で果てしない空が広がっていた。
輝く太陽がまぶしくて、心もすっきりと晴れ渡る。

そして同じ夕陽でも、背景や空気が違うだけで
さまざまな表情を見せてくれる。
あらためて地球の大きさを知り、感動してしまう。


****************************

羽田から1時間という近さで高松空港に着き、
最初は「道の駅」に向かった。
「うどんアイスクリーム」があるのだという。

私は「さっぱり味」を選んだが、すっきりとした
甘みのアイスに、なにやらお餅のような歯ごたえが…。
じっと目を凝らしたら細かく切ったうどんだった。
適度に塩味が利いて意外においしい

「こってり味」には“かつおぶし”やらなんだか
数種の薬味や隠し味がブレンドされているのだそうだが、
それはいくらチャレンジャーKAORUでも勇気がでなかった。

そして、そのまますぐにうどん屋さん「山越」へ移動。

普段は平日でも100人は並ぶそうだが、
本当にラッキーなことにほんの少し待っただけで、
すぐに順番がまわってきた。

ここのおススメは「かまたまうどん」
釜ゆでのうどんに溶いた生卵がかかっているだけの
シンプルなスタイル。1杯150円なり。

汁の入っていない熱々のうどんにからめると、
半熟のように色が白と黄色に変化する。
そして、好きなだけ細ねぎをトッピング。
生醤油をほんの少したらすだけなのに、
しっかりとうどんの味を引き立てている。


続けてのあこがれの“はしご”は
神社にあるうどん屋さん「うぶしな」へ。

ここの売りは、お神社のお供えの鏡餅が
天ぷらになって、うどんの上にありがたく乗っている。
いかにもご利益がありそうな嬉しいうどんなのである。
そしてその名も「宮(みや)うどん」。

当然、鏡餅がなくなればもうオーダーストップ。

神主さんのご子息が、うどん好きが高じて始めた
お店なのだそうだ。もちろんお宮参りや日々のお勤めには
神主姿で現れるが、汗だくで首にタオルを巻いて
一心にうどんをゆでている姿と、神々しいそのお姿と一致せずに
気がつかないままの人も多いのだとか。


仕事を終えて、2日目は写真にある
「冷やしおろし天うどん」に舌鼓を打った。

麺にコシがあってホントにおいしい~
だって、打ったそばから釜ゆでしてるんだもん。

お店の名前は「おか泉」。

香川産のぷりぷりの生エビの天ぷらと、
大根おろし、ゴマ、細ねぎ、レモン。
そして生姜おろしが絶妙なハーモニーなのである。

わ~ん、また食べたい

****************************

小奇麗な、おしゃれなお店。
民家をそのままお店にしてしまったようなお店。

本当に個性豊かでおもしろい。

どのお店も早朝5時、6時からスタートし
昼過ぎには店じまい。
夜空いているお店はほどんどないという。

朝と昼の食べ物なのだそうだ。

そして近頃は「四国八十八箇所」めぐりだけでなく
「讃岐うどん八十八箇所」めぐりツアーなるものも
あるのだそうだ。

平日の昼間なのに、本当にどこも大賑わいなのである。
観光客?と思ったら平日は地元の人なのだとか。

「最近の映画の影響でこんなに盛り上がっているのですか?」
と聞いたら、「ずっと昔からよ。だって弘法大師さまが
持ち込んだ食べ物なのよ。」と教えて下さった。
その歴史の古さが、文化となりこの土地を支え潤しているのだ。

****************************

帰りのおみやげには、うどんの麺とつけだし醤油やら、
細ねぎやすだちなどをめいっぱい買い込んだ。

こんな時、荷物の重さなんかに負けてはいられない。

うちの家族にも幸せのおすそわけをしなきゃ
なんて思うからである。

(今、クェート?トルコ?に滞在中のJITSUTANIさん!
いつも遠いところからブログ読んでくれてありがとうございます

明日JUNさんと一緒にランチして、うどんもお渡しします。
賞味期限の6月18日までに日本に戻れたら食べて下さいね

****************************

そして、また再び羽田空港に着陸する寸前、
東京湾と無数の高層ビルの立つ「TOKYO」に
暖かい夕陽がキラキラと照らし始めた。
出発の朝に見たグレーの低い空から一転、
オレンジ色の空気に包まれている気分である。

いつもの見慣れた街を上空からみると、ビルだらけでも
自然に囲まれていなくても、でも私の大切な故郷なのだ。
外から帰ってくるとやっぱりほっとしてするのは、
「住めば都」だからなのだろう。

いいところもそうじゃないところも
全部ひっくるめて大切な場所。
それが私の帰る場所なのだと旅から戻るといつも実感する。

また行きたい。でもまた帰ってきたい。

行きつ戻りつしながら、たくさんの宝物がふえていくようである。







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校庭の占い師

2007年05月22日 | KAORUの好きなものギャラリー
               【タイで見つけたグリーンの花】

高校2年生となった息子は意外によくしゃべる。

思春期以降の男の子は親とはめったに口をきかないのだろうと
いろいろな人の話を総合して、そう思い込んでいた。

もちろん、反抗期なるものもひと通りあったのだが、
それと平行しながらも学校でのできごとや、友人との
会話をひとしきり話してくれていた。

一見シャイな雰囲気だから、きっと内弁慶なのかな、と
思っていたらそんな予想もはずれ、近所のお母さんや
美容院、歯医者さん、英会話教室・・・さまざまな所での
評判は、見かけによらずたくさんしゃべる。
元気にあいさつをする。という
どこから聞いても共通の人物像だった。

****************************

そんな息子が先週のある朝、学校にいく準備をしながら

「うちの学校の整備員さん(用務員さんのこと?)が
手相みれるんだよ。友達が体育の時間に、花壇を手入れしている
おじさんに“ボクの手相見てください。”ってお願いしたら
“あぁいいよ!”とぼそぼそ真剣な顔で話し始めたんだ。

わぁ~、じゃあオレも!オレも!ってことになって
みんなみてもらったんだよ。

オレの手相をみるなり“う~ん、シワが多いから苦労してるんだね。”
っていうからさ、そうでもありません、って言ったんだ。
“ボクは何か才能ありますか?”って聞いたら
“う~ん、勉強の才能はないみたいだね”って言われちゃった。
でも他のところで何か才能あるよ、って言われてよかったよ!」と

生まれて始めての手相鑑定(?)の結果を報告してくれた。

(自分の母親が似たような仕事をしていることは、
あんまりわかっていないのか、とにかく興味がないらしい・・・)

****************************

ちょうどその日、息子同士が小学校から中高と一緒の
学校に進んだ母友達と久々にランチを食べた。

子どもたちの様子を話ながら、彼女が
「うちの子ね、この間学校で手相みてもらったらしいのよ!」と
話始めた。「あら!うちもよ!じゃああの中に一緒にいたんだ!
私も今朝その話聞いたわ~」とすっかり鑑定話で盛り上がった。

「うちの息子はね、“彼女はいつできますか?”って
聞いたんだって。そしたら“高3ぐらいに
ステキな出会いがあるよ!”って言われて
かなり喜んでいたわ!
まわりに彼女が出来始めて本気でアセって
いるのね、そんな質問しちゃって・・・。」
と苦笑いをしていた。

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それぞれの母親に鑑定結果を教えていたなんて、
なんだかおかしくて微笑ましい。

そして、高2の男の子たちが校庭の片隅で
手のひらを広げて、自分たちの未来を真剣に
尋ねて、一生懸命に聞いている姿を想像するだけで
なんだかかわいくて愛おしい。

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悲しいニュースが後をたたない昨今を
同世代の彼らはどんな風に感じているのだろう…。

どうかすべての子どもたちがたくさんの愛を感じて
すくすくと育っていきますように。

彼らがまたたくさんの人に、地球に、自然に、動物たちに
愛を注げる人になりますように。

生きるってなかなかいいもんだよな、って
思ってもらえるような先輩に、
私自身もなっていけますように。












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