✨ジェルプリント✨
「“未来”への記憶」
真ん中の木がまるで“未来”という文字みたいね、と母がそう言った。
だから題名に“未来”という言葉を使った。
未来は記憶や思い出やら体験がパッチワークのように繋がり、一枚の絵のように広がり続けていく。
そのひとつひとつに時間や空間が重なって
さまざまな色や形の紋様を織りなしていくさま。
その時はたとえどんなに苦しく
辛く悲しいことがあったとしても
いつの日かやがて
すべてが美しくて、尊くて、愛おしい一枚へと
変化(へんげ)していくのであろう。
大きく鮮やかに咲く花は
今この瞬間、天に向かって
精一杯咲きほこる。
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かなり昔から飾ってあった作品がだいぶ
古くなってきていることに先日気がついた。
フレームはまだまだ使えそうだからせっかくなので
ジェルプリントを描こうと思いついた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/36/00c21eaa0caf9ac9aee4f2ba37a25794.jpg?1738661947)
サイズは横54cm x 縦77cm
これまでで一番の大きなサイズ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/9f/b367bb8f37fef4d1cbc9c4b90fd9cea7.jpg?1738661916)
部屋が明るくて元気になるような
それでいて
落ち着くような気持ちになれるもの。
そんな作品を作ってみようと思った。
ここ数年は、未来への希望や目標や計画も
まったく浮かばないほどに、毎日毎日を
生きているだけになってしまった。
その時々に目の前に来たことや
訪れたチャンスに気が向いたら乗ってみる。
そんなスタンスである。
無気力や諦めや不安な気分からではない。
むしろ、心は以前の私よりずっと“透明”だ。
何かが重くのしかかっているモノもなくて
むしろ“無”の境地だ。
京都の叔父が書いたという“無空虚”という
文字の掛け軸が好きだった。
その時は若くてどんな意味かよくわからなかったし
今だって理解したわけじゃない。
でも、その境地に向かいかけているのだろうか。
そちらにいけるのなら行ってみたい。
そんなことをここ数年、
ふっと思ったりしている。
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ジェルプリントは版画に近い手法で、専用のジェルシートにローラーで絵の具を幾層にも重ねながらベースの色を作り紙に写し取ります。
そして自分で描いた絵を切り抜いて作るシートをステンシルの要領でスポンジを使って色を乗せて。基本的に絵筆は使わずそのほかに、スタンプや空き箱、市販の立体シールやワイヤーのメッシュ、木の葉や枝などなど、なんでも使って色をつけて押してみたり、色や形を抜いて残してみたり。油絵でも水彩画でもなく自由に心の風景を映し出しています。
#gelprint#handmadestencil