KAORU♪の「気ままなダイアリー」

KAORU♪が見つけたステキな風景、出会ったおもしろいできごと、おいしい料理などを“気が向いた時”にご紹介します。

★夏の日の「あてなるもの」

2007年08月09日 | KAORUの好きなものギャラリー
               【Mt.ShastaのSOUTH GATE】

高校2年生の夏休み。
「オレ、超満喫中~!」と毎日息子は楽しそうだ。

夏休みに入ったとたん、先生に呼び出された母としては
半分あきらめているが、言うことはきちんと言っておかないと!
「宿題やったの?2学期にはちゃんと挽回しないと
本当に落第しちゃうよ!」とあきらめきれずに言い続けている。

親の心を知る気など、これっぽっちもなく
「うん、うん」と思いっきり聞き流されて
まるっきり「のれんに腕押し」「ぬかに釘」という日々である。

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私の中学・高校の夏休みはバリバリ体育会系のテニス部で
毎日朝から夜まで真っ黒に日焼けしながら
とにかく試合に勝つことだけに情熱を傾けていた。

女子校で、遊んだり恋などする暇もなく
テニスに明け暮れる6年間だった。
それでも意外に授業も集中して聞いていた。

なかでも「漢文」「古文」はなぜか好きだった。

先生が読み解く遥か昔の文章から、いにしえの人々の
暮らしや思いにイメージを膨らませてはひそかに
ワクワクと楽しんでいた。

高校を卒業してからは、特に自分で本を読んだり
勉強したり、ということもなく授業中だけの世界で完結して
しまっていたが、でも、夏の暑い日になるといつもひそかに
清少納言の『枕草子』に書いてあった一文を思い出す。



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あてなるもの
薄色に、白襲(しろがさね)の汗衫(かざみ)。
雁(かり)の卵。
削り氷(けずりひ)に甘葛(あまづら)入れて、新しき鋺に入れたる。
水晶の数珠。
藤の花。
梅の花に、雪の降りかかりたる。
いみじううつくしき稚児の、苺など喰いたる。


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「あてなるもの」とは【上品でうつくしいもの】のこと。
清少納言の感性で選んだ気品にあふれた美しいもの。

高貴な平安貴族だけが食べることができた「かき氷」。

冬の間の天然氷を「氷室(ひむろ)」に貯蔵しておく。
そして夏の暑い盛り、削った氷に甘葛(あまづら)という
甘いシロップをかけて、新しい金属のお椀にいれていただくという
なんとも贅沢な何百年も前の“おやつ”。

いったいどんな味がするんだろう…と
宙を見つめて、心をときめかしていた。

今思うと、本当に昔からやっぱり“おやつ”好きなのである。

砂糖のなかった平安時代に貴重な甘さと
夏にほおばる冷たい氷に、きっといにしえの人々は
えらく感動していたに違いない、
と思いを馳せるだけでなんだか嬉しい。


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今、私もアメジスト(紫水晶)のブレスレットをしているし、
薄紫にこぼれ落ちるような藤の花も大好き。

春を告げる梅の甘い香りの花に降り積もる白い雪は、
行きつ戻りつする厳しい冬とのコントラストを感じて本当に美しい。

それに、かわいい子どもが苺を食べてる姿って
微笑ましくて確かに絵になる

昔も今も同じ価値観を共有できることが感慨深い。

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そしてこの夏、KAORUが味わった美しくておいしいもの。


満天の星空を見上げながら、夏の海岸で食べた「イベリコ豚の豚汁」。

何十年かぶりに見た「天の川」にも感動した。
夜の砂浜は寒かったけれど、花火も楽しんで
体の芯まであたたまった。

それから、イタリアンレストランでいただいた
「味来(みらい)」という品種のトウモロコシの冷製コーンスープ。

生で食べられる甘い甘い種類なのだそうだ。
生のままミキサーにかけて、少しの塩で味を整えただけなのに、
デザートのような品の良い甘さ。

夏限定の特別メニューなのだとか。

最後に出てきた「ドルチェ」はどれもおいしかったな~
特に、甘いコーンスープがとろっとかけてある
ブラマンジェは初めての味


そうだ、カフェオレには「トムとジェリー」の
「ジェリー」を描いてくれた
90種類ぐらいのレパートリーをお持ちなんだとか。

今度行ったら、「ジャイアン」をリクエストしたいな

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上品で優雅なものを清少納言が好んだように、
KAORUは楽しくて美しいものが好き

この夏、私もまだまだ息子に負けないぐらい
新しい発見して、そしてキラキラとした感性を磨き続けよう

























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