KAORU♪の「気ままなダイアリー」

KAORU♪が見つけたステキな風景、出会ったおもしろいできごと、おいしい料理などを“気が向いた時”にご紹介します。

★二月堂のお水取り

2006年03月14日 | KAORUの好きなものギャラリー
               【東大寺・二月堂】

「二月堂のお水取りも終わり、春が近づいてまいりました」

関西の人はなんとも風流な言い回しで、
春の訪れをそう表現するらしい。


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この冬、ゆったりとしたミュージックとともに
しきりに流れていたJR東海のCM、
「1300年後も同じ春がくるのでしょうなぁ」という映像を
見るたびに、息子が見てみたいよ~!と叫んでいた。

「受験だから、今年は無理ね!」などと私はそっけなく言っていたが、
実は私も、あのCMをみるたびうっとりとしていた。


3月に入って母が「やっぱり今年行きましょう!」と
突然に宣言し始めた。

「えっ?間に合うの?無理じゃない?
お水取りっていつまでやってるの?」
などと一瞬うろたえたが、日程だけは奇跡的に私も息子も
空いていていることを伝えてると、あとは日々の忙しさの
中ですっかりと忘れていた。

すると「宿はNAOKOが押さえてくれたわ!」とか、
「岐阜のお墓参りに行ってから、奈良に入り、翌朝は三重の
工場に寄って、ついでに新製品の打ち合わせをしてから帰るからね!」
「あの子は卒業式間際で、残り少ない時間をみんなと
過ごしたいから休みたくない、っていうから先に帰すわよ!」

などなど、私がふんふん、わかった。と仕事をしながら話半分で
聞いていると、着々と予定が出来上がっていた。

そして、しっかりと2日間の列車移動の
スケジュールがプリントアウトされて、
綿密に予定が練りこまれていた。


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なんでも、母が銀行の秘書をしていた若かりし娘時代、
上司である支店長は、毎年この「お水取り」の
特別席に招待されるのが年中行事だったのだそうだ。

私もいつか行ってみたい、と思いつつ
とうとう40年以上の歳月が流れてしまったのだという。

今年こそ!でもやっぱり無理だろうな…。と
思っていた矢先、今や“金融界のドン”となったその上司の方が
亡くなったことを、新聞の一面で知った。
3月に入ってすぐのことだった。

彼女はしばらく泣きはらしてたが、数日後、
猛然とスケジュールを調整し始めた、といういきさつがある。


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土曜日のポカポカ陽気の暖かさが出発日の日曜朝まで
引き続いていて、予定していた重いコートはやめて、
スプリングコートに変更した。

東京でこの日差しなら関西地方はもっと暖かいだろう、と
思ったのは大きな間違いだった。

名古屋で降りたとたん、強烈に寒い。
大垣行きの列車を待っていると、小雨が振りだした。
そして、その寒くて小雨が降りしきる天気は、
奈良まで続き、これから夜まで順番待ちで並ぶことを
思うと、少しだけ気が重い。

「日ごろの行いのせい」とほんの少し前なら言ったところだが、
最近ではもっぱら「雨は浄化の役目がある」とか、「歓迎の意味」とか
すっかり雨のポジションが上がり、“ありがたい”ものになっている。


夜7時半からのスタートなのに、4時半には並んでおかないと、
入場制限で見られなくなるから、早めに行って下さい!という
ホテルの人になんども念を押されてしまった。
持ってきた下着を着込み、ホカロンをベタベタと貼り付け、
寒空の中、意を決するように東大寺に向かった。




つづく
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