頑固爺の言いたい放題

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統合型リゾート推進論

2020-02-02 17:05:13 | メモ帳

統合型リゾート(IR)は国会議員の汚職が絡んだことで、国会で野党議員が計画の見直しを求めている。しかし、汚職はIRの本質とは関係ないことであり、プロジェクトは予定通り推進されるべきである。

そもそも、IRとは人が集まる仕組みを作って、観光立国の目玉にしようということであるはずだ。ところが、カジノ反対デモの映像がTVやネットで流れるなど、ネガティヴ面が強調される一方、“IRとは何か”ということが理解されていないように感じる。

ついては、まずIRについて、頑固爺の経験から説明したい。
私はIRのメッカというべきラスベガス(LV)を5回訪れた。まだ30台だった頃、ロサンゼルスから日帰りでカジノを目的に訪れたことがあるが、あとの4回はせいぜいスロットマシンで遊ぶ程度。その内の1回は食品業界のコンベンション*で、3回はワイフとのバケーションである。私がカジノにあまり興味がないわけは、最初の時に大負けして懲りたことと、生まれつきツキがない人間だと自覚しているから(笑)。

*コンベンションとは、遠隔地の取引先とたまには顔を合わせて信頼関係を深めようという親睦の目的と、新しい取引先を探す目的で、開催される年一回の各業界の集まりである。業界人を対象とする講演会も開催される

【ラスベガスに人が集まる理由】
まず、なぜLVがコンベンションの開催地に選ばれるかを説明したい。コンベンションが開かれるのは、ニューヨークとかサンフランシスコなどの観光大都市であり、“ビジネスの合間に、観光はいかが?”という主催者の無言のメッセージが込められている。LVの場合は “合間にカジノやステージショウはいかが?”というメッセージである。

主目的は親睦と商談であり、カジノはオマケのようなもの。私の場合、LVでのコンベンションには同僚3人(全員が40~50歳のユダヤ系)と同行したが、誰もカジノには立ち寄らなかった。忙しくて、カジノどころではなかったのである。

次に、なぜLVがバケーションの目的地になるのかを説明する。
LVは街の雰囲気が華やいでいて、ホテルに到着しただけで、ワクワク感がある。街中がディズニーランドのようなもので、いたる所に無料の見世物がある。昼間はプールサイドで子どもと遊んだり、裸で昼寝したり(LVは常夏である)、ノンビリと過ごす。だからカジノホテルの客層は、家族連れやカップル(高齢者を含む)が多い。カジノが主目的の男性グループはせいぜい2割ぐらいだろう。

LVの特徴はエキサイトメントが多彩なこと。ステージショウを見せる劇場がいくつもあり、チョイスが多いことではNYに比肩する。ゴルフ場が隣接しているカジノホテルもある。高級レストランや高級ブティックも多いが、世界中から金持ちが集まるから当然である。ちなみに、我々夫妻の主目的はショウであり、数日間の滞在中(アメリカ人のバケーションは通常1週間)、少なくとも2晩はショウ見物に費やした。

そもそも、欧米人のバケーションの目的は、非日常の気分を楽しむことであるが、LVはまさにその目的にピタリなのだ。一方、日本人の旅行は通常一泊か二泊で、欧米型バケーションとはコンセプトが異なる。しかし、例えばハワイに行ったら、同じホテルに数日間は泊るはずだ。IRに何日も滞在せよとは言わないが、IRは“カジノも楽しめるリゾート”であることを理解してほしい。賭博にどの程度の重点を置くかは人によりけりである。

そんなわけで、日本にIRを建設するなら、LVのように家族連れやカップルが集まる楽しい場所にしてほしい。例えば、大道芸人が揃いのコスチュームで四六時中、技を披露するのも楽しさを演出する一案である。そういう場所なら、頑固爺も老妻同伴で勇んで出かけるつもりだ(笑)。

【IRのデメリット】
IR反対派は、依存症や治安の悪化などを懸念しているようだ。

まず依存症について。基本的に、カジノであれ、パチンコであれ、競馬・競輪であれ、賭博は基本的に自己責任である。しかし、欲望をコントロールできず、依存症になる性格破綻者(もしくは阿呆)はいるから、制約は必要である。その点で、入場料を高く設定し、回数制限を設けることは妥当であり、これでかなり依存症を防げるだろう。

パチンコではかなり依存症がいるらしいが、パチンコに比べてカジノは投下資金が格段に多額だから富裕層が多く、たとえ依存症になっても生活に困ることはないだろう(笑)。

下の動画によれば、韓国には依存症が多いらしいが、韓国人は感情的に熱しやすい人が多いからだと思う(笑)。韓国を例にとって、反対の根拠にすることは適切ではない。

https://www.youtube.com/watch?v=CNRlrL6nyvU

次に、治安悪化の懸念について。LVの場合、米国の他の都市と較べて、治安はよくはないが、悪くもなく、同じ程度である。カジノが治安悪化を招くとは考え過ぎである。反対デモをする人たちには、ぜひLVを訪れて、IRのあるべき姿を見て頂きたいものだ。

もう一つの反対派の論点は、アジアにはすでにいくつかのカジノがあるから、過当競争で必要な客数を集められないだろうという懸念である。たしかに、カジノを集客の謳い文句にすれば、そのような懸念はある。しかし、私なら“日本の観光にはカジノもありますよ”と、カジノを主役ではなく、脇役に据えることで、既存のカジノとの競合に巻き込まれないようにする。

日本では、カジノのネガティヴな面が強く出すぎている。IRが、家族連れ、カップル、高齢者、男性グループなど、様々な客層に幅広くエキサイトメントを提供する新しいタイプのリゾートであることが理解されれば、ポジティヴな印象の方がネガティヴな印象よりもはるかに大きくなるだろう。そこにIRを推進するエネルギーが生まれるはずだ。ぜひ、IRを予定通り実現してほしいと願う。