横浜港に停泊しているクルーズ船“ダイアモンド・プリンセス”(以下、クルーズ船)に閉じ込められたままになっている乗客・乗組員3,500人はまことにお気の毒に思い同情する。
頑固爺は生来貧乏性のためか、この件で発生している想定外の費用をだれが負担するのか気になって仕方がない。クルーズ運航会社はクルーズの費用を払い戻して、さらにクルーズ終了後に乗客が船内に滞在する費用も負担すると申し出たそうで、これは高く評価する。
一方、船外で発生する費用、すなわち感染者を病院に搬送する費用、病院の入院費、治療費、病院から帰宅するまでの費用は誰が負担するのか。そして、まだ船内に取り残されている3,500人にこれから発生する諸費用もある。
日本人および日本に居住する人には健康保険があり、それではカバーしきれない分を日本政府(つまり税金)が負担するのはやむをえないだろう。
問題はそれ以外の外国人に発生する費用である。とりあえず日本政府が支払うとして、その金額を誰に肩代わりしてもらうのか。その相手はクルーズ船の運航会社なのか、それともそれぞれの患者の出身国の政府なのか。
ネットで調べると、クルーズ船はマイアミにあるCarnival Corporationの子会社のCarnival Japan, Inc,(本社:東京、銀座)に所属するようだ。この会社はクルーズの費用と事件発生後の船内における費用を全額負担すると表明して以来、マスコミ報道の表面に出てきていない。
感染者の管理は厚生労働省が仕切っているが、費用負担に関して運航会社および外国人の出身国と線引きはできているのだろうか。お人好しの日本政府が全部負担する(つまりわれわれの血税)ことにならぬようにしてもらいたい。
さらに、外国人の被害者(患者)が訴訟をおこすことも考えられる。事由は、依頼した薬が供給されなかったこと、外国語の情報が少ない状況で室内に閉じ込められた精神的苦痛、その他の対応の不備である。
責任と費用の範囲を明確にして、後々禍根を残さぬようお願いする。