頑固爺の言いたい放題

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本多勝一の「中国の旅」が大誤報だった可能性

2021-02-16 11:03:23 | メモ帳
このブログに昨年末まで、活発にコメントして頂いていた「世界史は大好き」氏は、“先の戦争当時、日本は諸外国に迷惑をかけたから、永久に謝罪すべきである”と主張をしていた。

爺は同氏の信念はリスペクトするものの、その自虐思想はどのようにして生まれたのかに興味を抱いていた。そして、最近「朝日新聞と産経新聞」(吉田信行元産経新聞論説委員長著、産経新聞出版刊 以下、同書)を読んで、その答えは朝日新聞の1970年代における偏向報道にあったのではないかと考えるに至った。以下、同書(56-57ページ)から引用する(赤字)。

本多勝一による「中国の旅」は、第一部和頂山事件、第二部万人坑、第三部南京事件、第四部三光政策、の四部構成で、朝日新聞夕刊に1971年8月から12月まで40回にわたって掲載された。

毎回、毎回、日本軍の残虐で非道な行為がこれでもか、これでもかといった形で語られ、一例として挙げれば、第二部「万人坑」では旧満州の日本人経営の鉱山で病気などにより働けなくなった中国人労働者を次々と生き埋めにした、という驚くべき話の連続でした。
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「中国の、とくに、東北地方には、鉱山や大工事現場に、必ず万人坑ができました。何千人、何万人という中国人の死体の山です」
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記事を見て、寝耳に水の架空話に当時の関係者が事実無根だとして、記事取り消しを求めたりしたのですが、朝日は応じません。もっとも、本多は中国側から取材の便宜が図られたことについては認めていました。
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産経新聞は報道に疑問を抱いた民間の研究者の実証をもとに、2016年5月には「歴史戦」という企画で、また雑誌「正論」でも「万人坑はなかった」という記事を掲載して批判を加えてきました。

この間、真相の解明を求める鉱山側の抗議文に対し、本多はなんと「中国側の言うのをそのまま代弁しただけですから、抗議するのでれば、中國側に直接やっていただけないでしょうか」と、思わず絶句するような無責任な返事を書いています。

この「中国の旅」は中国のプロパガンダをそのまま書いたと思われるが、そこで語られた南京大虐殺などの「日本悪者」論は、慰安婦拉致の誤報にも共通する欠陥がある。すなわち、裏付けを取らずに書いた点である。

強固な「日本悪者」観が根底にあったために、裏付けを取るという新聞のイロハさえ、考えつかなかったのではないだろうか。さらに言えば、朝日新聞が慰安婦拉致の大嘘を長年にわたり信じたのも、「日本悪者」観すなわち自虐思想があったからだろう。

ともあれ、「中国の旅」は中国にとって、日本との歴史戦で優位に立つための、絶好の武器になったと思われる。むしろ、それで中国は歴史戦を激化させる意思を固めたのではないだろうか。

戦後75年を経過した今、「中国の旅」の信憑性を確かめることは不可能だが、常識的に考えてありえないことが書いてあったと思う。その内容は朝日によって修正されることなく、現在に至っているが、これは慰安婦拉致に匹敵する大誤報だったのではないか。

さらに、その「日本悪者」論または自虐史観は、「世界史も大好き」氏のみならず、ほとんどの朝日新聞の読者を惑わせる結果を招いたと考える。爺は「中国の旅」を読んでいないが(当時、爺は日本にいなかった)、もし読んでいれば自虐派になっていたかも知れぬ(笑)。