Goo・ちょき・パーで、なに作ろう!

定年退職してしまいましたが、再任用でまだまだ老後の蓄えをしなくてはなりません。それでも悔いのない人生にしたいと思います。

鬼・般若の面完成!後篇~

2010年09月25日 11時29分10秒 | Weblog

前篇よりつづく~
2010年6月12日(土) 朝から一日~

さて~、避けては通れない、憂鬱な失敗部分の修復をしなければ
考えた挙句、裏から”当て木”をして、穴をふさぐことにしたそのため、貫通部分を同じ厚みの範囲で敢えて広げて、裏から木切れを当て、穴を模った。

  

鉛筆の線に沿って、面の皮?の厚さだけ浮き彫りにしていく。
何度も何度も穴にあてがい、形や浮彫の厚さを調整。
なんとか、穴にフット出来


  

表から見るとこんな感じ~表面の出っ張りを削って、なだらかに一体化を目指す
同じヒノキだが、色や木目がちょっと違う~
まあ、絆創膏を張った鬼さんと思えばいい

  

もうひとつ、mixiで笑われた原因が、この貧弱な角
限られた材の容積で角まで作るには、自ずとこの大きさになってしまっていたのだ
だから、いっそのこと切り取って、寄木づくりの角にすることで切断した。
切ってみると、可愛いニャンコの耳の大きさにすぎなかった


 

2010年6月13日(日) 朝から一日~

さ~て、帰省もせずに、鬼と格闘の週末
昨日の角の切断は、事前に角ぶり・枝ぶりの良い、ヒノキの枝打ちを見つけていたからこその”英断”だった。
実は同じような枝でも、太さや左右対称の枝ってそんなには無いもので、暗くなるまでかかって探し出していた物
これを手づくりのナイフで角らしく削り出していく
  
角の形が出来た所で、試しにあてがってみた
おおっ、立派な角
いろいろ角度を変えて、取り付けの向き・角度を調整~角の角度ひとつで、バイキンマンの触角みたいになってしまうので、一番怖いところで鉛筆で印を付けた

  

これは、先代の角を切り落とした所~新しく凛々しい角を受け入れる付け根部分を削り込む~
角が大きいので『ダボ(木製の支持棒)』を入れることにした

  
角と頭に穴を空け、ダボを突っ込み、木工ボンドで頭にガッチリ固定。

  

角が出来て一安心~歯と牙のお手入れに移る
サンドペーパーで大方は磨けるが、歯間はルーターで磨いた


  

歯も良く見れば、失敗部分~鼻の頭から、前歯歯列の真ん中を結ぶ”正中線”がずれている。まあ、いいか

 

2010年6月28日(月) 夕方~

口蹄疫防除に出た、代休
材が乾燥して来ると、ヒビも入って来る
それを隠す目的と小さな凸凹を均すために、との粉を塗った。

 

この頃から、仕上げはどうするか悩んでいた
デジカメで”ペイント”に取り込んで、色々色塗りしてみてシミュレーションをしてみるも、なんともしっくりいかない
ゲゲゲの女房』であってた、水木しげるのニューギニアかどこかの原住民のお面みたいになってしまう。


   

2010年7月9日(金) 夕方~

またまた土日に口蹄疫防除に出た代休で、久しぶりの帰省
『鬼は外~』の鬼がまさに帰って来た
前回の、との粉のふき取り作業を持ち帰り。
妻は家が埃っぽくなるので、大迷惑~レオちゃんだけがまとわりついて様子を見ていた。


 

目もと・歯間の隙間には行ったとの粉はナイフで掻きだし、シャープな陰影を取り戻した。

   


2010年9月18・19・20日(土日月)~

敬老の日もある連休となって、久しぶりの帰省。
2ヶ月以上も放置していたので、今度こそは完成させようと。『鬼は外~』の鬼が鬼と共に帰って来た。

妻が嫌がるので、駐車場の隅っこでシートを広げての作業。
完成の前に、気になっていた顎のエラの後ろの出っ張りをスッキリすることにした。



 

この切り出しナイフもノミも以前ブログで紹介した、マイ道具。鍛冶屋修行で
必要な物を作り、実際に使う~これ最高

    

陰影を強調するために、ガスバーナーで表面を焦がした。
う~ん、ただの煤けた鬼さんか?
  

結局、塗装は『オイルステインのオーク』に決めた。真黒も考えたが、木目が残った方が手づくり感が残るだろうとの考え。
おおっ、なんだか怖くなってきたぞ~

  
裏もちゃんと塗装。
正面から見ると、やっぱり、笑っている感じかな~作者の人柄が出るってか否定はしませんがこれは作品として、怖い鬼にしたかった


  

乾いたので、家の玄関先に掛けて、『魔除け』にするつもりだったが、『気色の悪るかけん、人吉に持って帰っての一言で、あえ無く『鬼は外~』となりました
そんな訳で、完成までに長くかかった鬼さんは、人吉で一緒に住む事になった~『ゼペットおじさんは内心、ピノキオのように鬼さんをかわいがり、末長く一緒に住んだとさ~めでたしめでたし


 

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鬼・般若の面完成!前篇~

2010年09月25日 10時13分54秒 | Weblog

2010年2月6日(土)午後~

半年以上も前に手掛けた『鬼の面』がやっと先日完成しました。
いうより、もう終止符を打った感じが正直なところ。
その長い製作(放置も含む)を紹介します。
直径約24cmの根に近い部分のヒノキの丸太~伐採が済んだ山道の脇には、アチコチに朽ちるまで捨て置かれていますが、大丈夫そうな物を選んで持って帰りました
  
チェーンソーで半割り簡単そうで、簡単ではないんですよ
ログハウス教室の成果か、真芯(マシン)通しで一刀両断~
さて、この日の為に何を彫るか考えていたのは『般若(鬼の面)』でした。
木材チョークの黒で、ざっと下書き半円柱にうまく収まるようです。
下の両角部分を削ぎ落し、顎に成形。


  
今度はちょっと気を遣う、額と眉、目の窪み部分~ここは慎重にソーを当てます。下書きは無くなるので勘が頼りです。削りすぎたらもう元には戻らないので、やや控えめです
それ以上は、このチェーンソーでは無理です。
カービングアート用の先の尖ったバーが欲しい所。
仕方なく、ノミの出番です

 

菜園の横の空き部屋の庭が作業場です。
チェーンソーとノミをとっかえひっかえしながら、耳・鼻・口・頭の形状を出していきますなんだか、切り出され放置されたモアイ像のよう

 

2010年4月24日(土)午後~

なんと2ヶ月以上も放置していました。その間何をしていたかと言うと~以前紹介した、イルカとタコに専念していました~鬼は外~(笑)。
4月の異動で、隣の空き部屋には人が住み始め、今までの様に勝手に庭先を使えなくなりました
さて、魂入れて彫らねばなりません。お手本は、ホームページから印刷した小っこい写真
頭の中で拡大コピーして、書き写します
貫通している空間は、口の中と、目の瞳です。やや、痛々しいのですが、省力の為電気ドリルで穴あけをしました。
実は、ドリルを垂直に入れるのは難しいんですよ


    

まあ、こんな感じで、目が入ったおかげで、『真面目に彫ってくれよ』と言われているような、鬼との対話が出来るようになりました。本当に喋りかけますから、他人が聞いていたらちょっとキモイかも(笑)
眼球は彫刻刀の出番です。球面は木目の癖が先走りして難しいです。良く切れるように研いでおき、先割れ、剥がれを防止するのも必要です。

  

だんだん、鋭い眼球らしくなってきました


2010年5月9日(日)午後~

ゴールデンウィーク明けの土曜日です。以前にも紹介した『枕木庭園づくり』をした疲れが出ていました
でも、気合を入れてやります。刃物を使う彫刻は気合を入れないと、本当に怪我の素なんです。
目じり・目がしらの窪みを入れて、眼球の立体感を出します。
ヒノキ材は乾くととても堅いので、作業前には水に浸して給水させておきます
鼻も難しいところです。美男の鼻でもないし、牙をむき出した時の鼻腔の盛り上がりの形にしたいのですが、ただのダンゴっ鼻との区別が付きません
牙の彫り出しはミスをしています。下あご・上あごの何処から生えているのか、口腔外科の知識が必要でした。もう少し内側から角度を持たせて、外に突き出すべきでした

  


2010年5月23日(日)午後~

今日は鼻の穴からです。彫りながらクシャミが出そうでもあるし、鼻血がでそうでもあります
材が薄くなると割れ・欠けの恐れもあるので、慎重に彫り進みます。

     
この日は雨だったのでしょうか?部屋の中にランチシートまで広げてやったようです。一人住まいだからなせる技?です(笑)
歯列も、面倒ですが、いい加減にはできません。タコの吸盤彫りに比べたら、なんてことないです。『記録して~A-1は、虫歯~』のDr.デンターの如く、一本一本彫刻刀を入れて行きます。

 

耳のお手本は、自分の耳です。(笑)
ですから、耳の穴あけ、内耳づくりのドリル穿孔は、痛々しい限りでした

  

結論~耳は失敗です。ラガーの耳の様に、頭に張り付いています。ダンボの耳の様に、もう少し角度を前に起こすべきでした。でも、材の幅が足りないのです。ヒノキの皮を剥いだ面が耳で、その曲面が耳の角度になってしまいました。
耳を立てるなら、顔幅を狭く~そしたら、目も口も鼻も全部変更~今さらそれは出来ない。

2010年6月5日(土) 朝から一日~

朝からピクニックに行くように、シートを広げて鬼さんの顔面成形手術開始。
『お鼻の穴をもう少し広げましょうね~』
 

『ハーイ、今度はお口を開いて~歯間ブラシで歯垢を取りますよ~』ってな具合で、鬼さんと対話しながら(完全独り言)ひたすら彫って行く。  

 

『ハ~イ、今度は、脳みその手術ですよ~頭に穴を空けて、脳みそを入れる空間を作りますよ~』っと、電気ドリルで頭骸骨の厚みを残すくらいに、ドンドン穴を連ねて行く。
ところが調子良くやっている時によく失敗はでるもの。右耳前にまで貫通させてしまったナイフの先が出てしまうほど完全に貫通

  
失敗に構ってはおられず、ともかくノミでドンドン穴を広げていく。お面だから、人の顔が入る大きさに広げるのが目標。

   

午後、木陰の下に場所移動。
鼻の穴も丸みを帯びて東洋人?らしい鼻腔になった


  

お面の裏の空間を綺麗に斫り(ハツリ)、目の穴・鼻の穴・口の穴・耳の穴~穴と言う穴を今度は裏から綺麗に仕上げた。手づくりナイフの切れ味は良くて、面白いように削れていく 

 

その夜は、鬼さんと対峙して晩酌相手にした。mixiでこの段階を公開したら、『全然、怖くない~』『笑っているようで、怖くない~』『作る人の人柄が出るのですか~』などと、気に入らないコメントだけ帰って来た 
 

後篇へ続く~

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