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定年退職してしまいましたが、再任用でまだまだ老後の蓄えをしなくてはなりません。それでも悔いのない人生にしたいと思います。

彫刻『龍と観音』の龍の粗彫り編

2014年08月09日 23時44分07秒 | Weblog

2014年7月

引き続き、龍の粗彫りを紹介します

先ずは、龍のアゴヒゲから手をつけました
板材への彫刻は、手前の自分に近い所から彫る事で、他の場所の彫り下げ深さが決まりますので、龍では、鼻先や顎辺りが一番手前として彫り始めました。
狭い所は、V字型のノミで地道に彫ります




ドリルで彫れる所は、出来るだけドリルを使います
省力=手抜き ではなくて、ドリルの方が先割れが少ない利点もあります。 
ノミを力まかせにたたき込むと、材の性質や木目によっては、先割れしてしまうことが多いのです



約5cmの窪みの厚さに、龍の口の中の全てを彫り込みます。
ノミを彫刻刀に替えて、牙を彫りました。



首を傾げて口の中を彫るのはキツイので、気晴らしに他の場所も彫ったりします。

 
彫れば下書き線は消えるので、写し取ったシートを時々当てて、彫り位置を確かめます



右手の爪に移りました
爪はできるだけ鋭くしたいのですが、右手の爪先が欠けました



腕は、筋肉質が出るように、筋を入れました



左手は胴に隠れた部分があるため、妙に短い感じがします



狭い部分に詰まった、削り屑は空気入れで吹き出していました



髭は、出来るだけ長く、躍動感があるしなる鞭のように下書きしたつもりですが、彫るとなると細くて長いので脆い材では気を遣います



本来は空中に浮かべる様に彫らねばならないのですが、全部をそうしたら、直ぐに欠けてしまいます。
所々は空間を彫って、立体感を出します。
ノミでは力が入り過ぎポキッとやってしまいますので、切り出しナイフが無難です

手作り切り出しナイフ



当然ですが、髭は先端部分が一番細くなります。
土台に腐れがある部分で、ポキッと折れてしまいました
木工ボンドで接着しました
 

口の中に戻りました
牙の噛み合わせを考えながら、向こうの牙も彫ります



舌も彫ります。



喉の方の牙を彫り出すのは、段々狭くなるから、彫刻刀が牙や舌に当たって、段々難しくなります
案の定、この後ちょっとした不注意で、右の前歯を彫刻刀でこねて、折ってしまいました



頭部の粗彫りがだいたい出来ました。



右の前牙が折れたところです
でも、1本の牙が無くなったお陰で、喉の奥まで刃が届き、奥の牙の裏まで彫ることが出来ました



この折れた牙を接着剤で付けても無理だと分かりました。
そこで、義歯(差し歯)を付けることにしました
差し歯の材料を切り出した部分は、富士山の左肩と髭が作る三角部分



ここから、四角錐が取れました



これから、牙を彫り出し、差し歯にすることにしました



切り出しナイフで、牙の形に整えていきます



差し歯の土台 歯根を付けて、牙の出来上がり



ドリルで上歯茎に8mmの穴を開けます
龍の歯医者さんになった気分です。『ハイ!ア~んして



ちょっと、ホワイトニングが効きすぎた牙ですが、まあ色はどうにかなるでしょう



平面な部分は、ノミよりもチョウナでハツる方が早く進みます。

手作りチョウナ



龍の尾ビレです
長い剣の様な鋭いヒレが付いています。
鋸で境目の線を入れました



ナイフで、一枚一枚のヒレを綺麗にしていきます



梅雨明けした酷暑の下で、たくさんの汗を吸った粗彫りの段階です。
左髭の中部分は腐れ材部分にあって、彫りようがない状態です。
そこをどうするかが問題です



現在は、波部分を彫っていますが、ブログに載せるのはまだまだです
しばしお待ちを

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