2017年5月上旬
中年になると、腹は出るばかり~そして入らなくなる洋服は増えるばかり
もう4~5年前の事ですが~
『農業大学校は、ともかく汗まみれになるから、作業服が欲しいなあ~』
と言っていたら、妻は日を置かずして気前よく4本もの作業ズボンを早速買ってきてくれました
しかし、よく見ると全てMサイズ
『なんでMなんか買ったのLでないウェストと入らんよ』
それに対して妻曰く。
『だってコレ、特売で安かったもんゴムのギャザーだし、伸びるから入ると思った。体を合わせてよ』
という無茶な言い訳
2色とも履いてみますが、ゴムがパンパンに伸びきっても、苦しくてホックが止まらない
俺:『安いからと買っても、使えないモノ買うなら銭を捨てるようなモノ。だいたい旦那のサイズも確かめんで、最低~』
妻『アンタ、なんでも小さいからMで良かったい痩せなっせ』
と、自分の非を認めるどころか・・・・。
俺:『なんてや~なんでもって、なんや』と、単なる喧嘩のネタになっていました
先日GWの衣替えで、数年ぶりにタンスの肥やしの忌まわしいズボンを発見
時間もあったんで、数年前のケンカも思い出しながら、しげしげと見ながら考えた
『だいたい、バカな買い物して~捨てるのも勿体ないし、他の誰かに妻の買い物のヘマの説明付きであげるのも恥さらしだし~。
もしかして、自分で改造してみるか・・・腰のウェストバンドから尻側の中心線を切り開き、そこに裾上げのあまり生地を利用して、細長い三角形の拡幅のあて布をすれば、履けるかも~』と、独り言での考察
思いたった時が吉日~裾上げで、余り生地をカットし~
仮の裾縫いもリッパーで展開して約12cmの『拡幅あて布』が出来た
いよいよ腰のウェストバンドにハサミを入れる~
『これを入れたら、もう、後には戻れない!』の緊張感
リッパーやカッターナイフを使って、尻の2列の縫い合わせの糸を解いた。
腰?尻を拡張した部分に『拡幅あて布』を当ててイメージを固めた。
切り開きの三角形の先端をどこまで切り開くかの限界も確認した
①理想は会陰部辺りまで切り開き、ジわーっと鋭角の三角形の拡幅が良いけど、縫い合わせ距離が長いと歪みも出てきて面倒。
②尾てい骨の出っ張り辺りまで開き、そこから初めても問題は無いハズ
・・と定まった。
マチ針を使って、仮止めをしてイメージを固めた。
ミシンを準備したところで、問題発生
薄浅黄色(ウスアサギイロ)の布地に対して同色の糸が無い~
せめてもの薄いグリーンの糸がない
白でも、黄色、ブルーでも目立ってしまう
仕方なく、透明のテグスを準備し、糸巻きとボビンに巻いた。
やっと、ミシンを使って縫合開始~
快調に縫えた。2列の縫い合わせで頑丈な仕上がり
裏返して確認ポケット袋の縫い込みも無く、綺麗に縫えた
普通の裾上げなら、まつり縫いで、目立たなくシングル仕上げをするところだが、『拡幅あて布』取りを優先にしたためちょっと寸足らず
ただの折り込み縫いにした。
これを4本のズボンで繰り返したが、2本目となれば、だんだんと改良
格好良くしたい部分が出てくる。
それが、切り開かれたウェストバンドの処置、工夫。
もともとのウェストバンドには、厚紙が縫い込まれていてバンドとしての強度をつけてあるが。これを切り離したために、それを埋める部分にはそれなりの厚みが無いと、ぺらぺら感がある。
裾上げで切り取ったもう1本の足の裾を織り込んで、台形のウェストバンドの型を作った
それを、元のウェストバンドに渡し断面を包み込み、マチ針止めをしてラインを1直線にして縫い合わせ繋いだ
これで、そんなに違和感のないウェストバンドが1周した。
むしろ、腰当て的なフット感が出た
ベルト通しも下縫い・表縫いの2列縫いで強化。
しゃがんだ時、一番負担の係る腰のベルト通しも、これで解(ホツ)れることはないだろう。
仕上げに、糸くず取りと、アイロンをかけて完成です。
たぶん、『ウェストの拡張縫製品』には、誰も気づきません
それにしても、裁縫も出来る旦那だから捨てずに良かったけど、
『体を合わせてよ!』的な買い物は、もうご免被りたいです。
こうしてやっと、2本の薄浅黄色のズボンと、2本の紺色のズボンの再生が完了しました。
まあ、良く見たら腰の▽は何?と気づく人も居るかもしれませんが、
『これが、新しいデザインのズボン しまむら の隣で売っているよ』
で通せば良いこと
刃物づくりばかりではありません!
裁縫も、ミシンも上手なんですよ!
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