2019年11月2日
ひと月ほど前、実家の畑の小屋で、真っ赤に錆びたナタを見つけました。
石原裕次郎の『錆びたナイフ』ならぬ『錆びたナタ』です。
♪『どこのどいつが うずめたか・・・・』って、親父の不始末に決まっている。
錆びもですが、もともとエビ鉈小石付きだったはずですが、先端の『小石』の突起は欠けて無くなっていました。
エビ鉈小石付きとは、先端に小指みたいな『小石』の突起が出ていて、もしも地面に刃をぶつけたときは、この『小石』の突起が地面に当たり、刃の欠けを防ぐというものです。
実務では、枝を引っ掛け引き寄せるにには重宝する部分です。
それが欠けて無くなってますが、これをレストアすることにしました。
手作りのナタは5~6本すでにありますが、職人が作ったナタは初めてです。
インパクトドライバーに、ワイヤーブラシを取り付けて、ひたすら錆びを落としました。
赤いサビ粉が舞い上がりますが、なかなか錆が減りません。
下地の黒錆が出てきたところでストップ。
虫くれの柄を取り換えることにしました。
鉈腹・鉈頭(柄が突っ込まれている楕円部分)中の錆も落とします。
柄をどうするか?
先月、薪割り用の『掛け矢』の柄が折れたのを再利用することにしました。
樫なので、まだまだ使えます。
ノミを使って、グリップの太さに削り込みます。
ナイフでもそぎ落としながら、握りに近づけます。
平面な部分は、カンナで新しい面だしをします。
グリップの凹部分は、曲面カンナで細めました。
仕上げは、ベルトサンダーで平面を整え、曲面はプーリーのR面の丸みを使って滑らかに削りました。
柄が付いたら、いよいよ研ぎです。
荒砥、中砥、仕上げ砥と進んで行くのですが、錆の食い込みにより、凹の窪みが出来たところは、もう仕方ありません。
実は、切れ味を試そうと思って、指あての感覚を無くし、実際に切れ味を試してしまいました。
まあ、それだけ切れる事になった証明であり、痛いながらも喜ぶのでした。
柄のグリップの腰のくびれも良くフィットしています。
実は、ナタは力任せに振りかざすので、ケガの原因は遠心力による”手離れ”で、自分の足を切ったり、近くの人に切りかかる事が多いのです。
その防止は、このグリップの腰のくびれです。
刃が乾くと、油を塗ります。
鉈ヘリが濡れているのは油です。
鉈腹・鉈頭(柄が突っ込まれている楕円部分)の内側は錆びやすいので、油をさしています。
なんと、せっかくの木目の柄をこんなダサイ色で塗ってしまいました?
実は、林業で使う刃物の柄の理想色は、赤・黄・白色等の、ともかく目立つ色が一番なのです。
さあ、これで快適作業をするぞ!
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