Goo・ちょき・パーで、なに作ろう!

定年退職してしまいましたが、再任用でまだまだ老後の蓄えをしなくてはなりません。それでも悔いのない人生にしたいと思います。

トラクタの修理

2021年10月17日 22時24分14秒 | 日曜大工

2021年10月上旬

10月上旬はニンニクを植える月と決めているが、仕事が休みの土曜か日曜日しか作業が出来ない。
この日も夏みたいな暑さの中、午前中に前作の落花生とカボチャの殻を片付けました。
その間、久しぶりに動かすトラクタの充電をしていました。


午後、真夏日の昼寝もなしに、トラクタで畑へ。
長く雨が降ら居ないので、粘土質の土はゴチゴチです。
副変速を低、ロータリ回転2でゆっくりと耕し始めました。
硬い所では、ロータリーが『ゴンゴンガンガン』と跳ね上がり、負荷が増したエンジンは回転は落ちようとしますが、ガバナ(調速機)が働いて、自動的に燃料を多く送り込みます。
回転は『ブヲン~』と上がり、マフラーから黒煙が吹きあがります。

ところが、たった1列耕したところで、『ブス・ブス・ブス・・・ピー(警告音)』
突然止まってしまいました。
セルを回すも、かかりません???。
親父が買ったもので、恐らく30年は経過しています。
型式は、三菱 MT1601D 16PS 排気量1000cc 4WD



『まいったなあ~、困ったなあ~。』
『30年も昔のは修理できるだろうか?JAに言っても、部品はありません。新しい機種への買い替えがいいですよ~としか言わないだろうな?』
しばらくそんな事を、運転席で考えていました。
急に静かになると、メガネやパネルに汗が溜まり、噴き出す汗に気づきました。

ともかく、持っている知識でやってみるしかありません。
エンジンカバーを開けてみました。




古いエンジンは構造が簡単です。
ガソリンエンジンの手順と同じく、燃料系とか順番に診ていこうと始めたら、燃料噴射ポンプに繋がる軽油の分岐ホースから軽油がにじみ出ているではありませんか!
場所は、3気筒の一番手前の1番エンジンです。

『これでは、空気も混じって、燃料ポンプへ行き、噴射ノズルからは空気混じりが噴射されるから、エンジンは不調になるはずだ。でも、交換するパイプは持っていない。』
ひび割れをつまんでみると、5mmくらいの亀裂が走っています。
『駄目かもしれんけど、ビニルテープで空気が入らないよう傷口を抑え、針金で止血的に押さえてみよう。』
とか、独り言言いながら、家で探して、畑に戻ったり。
ビニールテープの粘着は、軽油の洗浄効果でツルツルになり、すぐに粘着テープではなくなります。
ともかく、巻いて押さえてみました。




セルを回してもかかったり、止まったり~先に入っていた空気がまだ混じっています。
さらに、セルを回し続けると、『ブルブル、ブヲーン!』と回転が戻りました。
上手くいきましたので、それから残りを3周耕耘しました。
でも、最後の周で、いざ畑から出ようと向かった時に。

『ブス・ブス・ブス・・・ピー(警告音)』
また、突然止まってしまいました。
『燃料パイプのホースからまた空気が入っている?』
見てみると、変化はありません。
セルを回してみようと、スイッチをひねっても、今度はセルモーターが全く反応しません?
表示ランプ類も、全く点灯しません。

『電源が来ていない・・・・ヒューズかな?』
ヒューズは昔のガラス管式で、外して確認しようとしますが、なかなか外れません。
窮屈な態勢でパネル裏に手を伸ばし、素手でも外れないので、マイナスドライバーの先で口金部分を捏ねてみました。
『カチッ!』なんとガラス管が割れてしまいました。
ヒューズは繋がっており、割れたガラス管と口金が綺麗にぶら下がっています。

それから、また同規格のヒューズを家探しです。
幸いあったのではめてみました。
原因はヒューズではない・・・がはっきりしたことです。

もう6時を過ぎて既に暗くなりかけの夕方となり、ニンニクも諦めて、トラクタは畑に放置したまま暗い気持で帰宅しました。

2021年10月中旬

この1週間あまり、原因をずっと考えていました。
①バッテリー ②セルモーター ③オルタネーター(交流発電機) ④配電系統の断線・・・・・

この日は、バッテリーを外して、充電器での充電から始めました。
実は、朝一作業の、バッテリーの取り外しから難航していました。
固定具のボルトナットが錆びついて、バッテリーが外せなかったのです。
5-56、オイルをさしてなんとか外して、充電開始。
その後、管理機で畝を成型、ニンニクを植えました。(写真無し)

午後、畑に一輪車で満タンバッテリーや道具を持ち込みました。
この日も真夏日の昼寝もなし、一度も雨が降らず、歩くたびに埃が舞い上がります。




ボルトナットは、ワイヤーブラシで錆びを落としネジ山を回復し、油を塗ってスムーズにしました。




電気系統の配線を調べました。
ソケットやカプラーからの電線外れはありません。
(チッキ・ショー!「小梅太夫」・・・よっぽど、厄介になる!)
セルモーターとスイッチに繋がるソケットやカプラーを外して、テスターで導通テストを繰り返しました。



ソケットやカプラーは経年劣化で固くなり、下手をすると割れてしまうし、外す時に断線させてしまいますので、注意が必要です。



ともかくジリジリの暑さと、刺すような日光の眩しさが苦痛です。
※給油口の『軽油』は、親父が一度ガソリンを入れたことがあるので、注意喚起です。




発電機は直流はダイナモ、交流はオルタネーターと言います。
これは、オルタネーターです。
エンジンがかからないので、発電状態は分かりませんが、断線は無いようです。



それよりも、発電機を回す、ファンベルト(Vベルト)が経年劣化でした。
伸びていて、プーリーの底面に付いている様です。
(Vベルトは、ベルト側面とプーリーのV面で摩擦を得ているので、底面が着けばベルトは浮き上がり、側面の摩擦は極端に減り、空回りを起こします。)
親指で押しての沈み込みが3cmもあり、これでは滑りが発生して、空回りも起こして、発電効率が落ちていると考えました。
(今まで、保管時はマイナス電極を外し、使うたびに充電していたので蓄電不良に気付けなかったと思われます!)

交換のVベルトの型式も分かりませんし、買いに行く時間もありません。
とりあえず、オルタネーターの1箇所のボルトを緩めて手前に引き出し、張りを強くしました。
このネジが固くて固くて必死!写真は撮り忘れました。



畑での応急処置、チェック、点検、やるだけの事はやりました。
いざ、エンジンはかかるか?
セルを回すと、なんとセルが回りました。
期待して回し続けると、『ブルブル、ブヲーン!』と、黒煙を吐いてエンジンがかかりました。
だんだんと回転を2000rpm(回転/分)に上げても大丈夫です。
気が変わらない?調子が戻ったところで、終回の1辺を耕すと、急いで家に帰りました。

修理ついでに、メンテナンスです。
冷却水チェックで、サビ水に気づきましたので、真っ赤な冷却水を排出しました。




クーラントを入れてラジエーターは安心です。



エンジンオイルも久しく交換していなく、真っ黒でしたので、交換することにしました。
真っ黒く熱いオイルが流れ出ました。
エンジンが熱くないと、こうサラサラには落ちません。



エンジンオイルは、定番・規定の10W-30です。
3リットルから、ジワジワと規定量(3.8L)に調整しました。



次にこれは、燃料(軽油)タンクからのゴミを取る、ストレナー燃料フィルターです。
底にいっぱい溜まっているのが見えていましたので、綺麗にしました。



カップの底に、こんなに沈殿しています。



とりあえずパーツクリーナーを吹き付け、洗いだすと、こんなに出ました。
燃料給油の際、けっこうゴミも入っているのです。



エレメントフィルターも限界の様ですが、燃料フィルターの交換部品が無いので、パーツクリーナーのノズルを突っ込んで、中から外側に向けて汚れを噴き出しました。
(逆は、汚れを内部に押し込むことになります。)


時間との戦いみたいな中での修理は終わりましたが、課題も出ました。

①新しいファンベルトへの交換。(型番調査)
②燃料管の新品への交換。(内径・外径の計測、耐油性)
③燃料フィルターの新品への交換。(型番調査)

さーて、これであと10年は使えるかな?


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