この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

裏通りの冒険。

2011-08-02 22:12:16 | グルメ・おやつ
 映画を観た帰り、キャナルから天神まで、裏通りを歩いた。
 初めての路、見たことのない街並み、すぐに方向感覚を失い、自分がどこにいるのか、どこに向かっているのか、わからなくなる。

 だがそれも悪くない。
 迷子になるというのはいわばお手軽な冒険だ。
 ドラゴンやゴーストは出てこずとも、ちょっとしたスリルを味わうことが出来る。
 今宵、この冒険の果てには何があるというのか。

 時刻は夜の八時、少しばかりお腹が空いてきた。
 上手い具合に行く手に食事を出す店が見えた。
 しかしながら少しばかり躊躇する。
 何しろここは裏通り、店があるのが不思議なくらいの人気のなさなのだ。

 だが、これは冒険なのだ。エイヤ、と自分を鼓舞して店に入る。
 店の中はそれほど広くない。
 そして思っていたよりも客が多い。
 客の中にゴーストやリザードマンはいないようだった。

 メニューを渡されるが、何を注文してよいか、わからない。
 いや、メニューは日本語で書かれていたのだが、書かれてある料理名が聞いたこともないものばかりだったのだ。
 店のお薦めのパスタである「パッケリオンドゥラーティーチだらのトマトソース」と「パッパルデッレ牛テールのヴァッチナーラ風」のうちどちらを注文するか迷い、それほど深い理由もなく後者を注文する。
 発音できない料理を注文したのはたぶんこれが初めてだ。


   


 そしてこれが「パッパルデッレ牛テールのヴァッチナーラ風」である。
 ふむ、美味い…。
 最近、大名や天神でパスタを食す機会が多かったのだが、申し訳ないが、それらの店とは段違いの美味であった。

 完食後、満ち足りた気持ちで店を後にする。
 裏通りにこれほどの店があったのか…。
 人生にはまだまだ発見も多い。

 一つ残念なのは、散々道に迷った挙句たどり着いた店なので、どこにあるのか、さっぱりわからないということだ。
 いつかまたあの店に行くことがあるのか、それは冒険の神のみぞ知っている。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする