この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

「映画って何?」と思った『ルックバック』。

2024-07-02 21:00:22 | 新作映画
 押山清高監督、河合優実主演、『ルックバック』、6/30、Tジョイ久留米にて鑑賞(ムビチケにて鑑賞料金1600円)。2024年30本目。

 この『ルックバック』を観て最初に思ったのは「映画って何?」ってことでした。
 例えばテレビアニメを編集して劇場で上映したら、それって「映画」と言えるんでしょうか。
 それを映画と言ってよいなら、いっそテレビアニメをそのまま劇場で上映したら、やはりそれも「映画」なのか?
 「映画」の定義って案外難しいです。

 上映時間も劇場(で上映されることが前提の)映画なら、90分ぐらいは欲しいですね。
 一時間を切ると映画というよりテレビドラマを見ている感覚になります。

 さて、この『ルックバック』の上映時間はというと、おそらく2024年に自分が劇場で観る映画の中で最短と思われる58分です。
 自分はこの『ルックバック』をムビチケを購入したのですが、上映時間が58分と知っていたら、たぶんムビチケは買わなかったでしょうね。
 上映時間が58分の映画でムビチケが1600円というのは高すぎる気がするからです。

 前置きが長くなりましたが、『ルックバック』、面白かったです。
 ちゃんと映画を観ている気分にさせてくれました。
 映画って60分を切っていても構わないんですね。笑。

 ここから先は勝手な感想ですが、原作の藤本タツキは京都アニメ放火事件で大切な誰かを喪ったのかなと思いました。
 その誰かは現実の世界では死んじゃったわけですけど、別の次元では生きていて、生きていてっていうか、別の次元の自分が救っていて、そして現実の世界の自分と影響し合っている、そう思いたいのではないか。
 原作は既読なので、今さら映画を観てそんなことを思うのも変なんですけどね。笑。

 『ルックバック』を劇場で観てよかったと思っているのですが、そう思っているのは作品の出来が素晴らしかったというだけでなく、入場者特典が恐ろしく豪華だったからです。
 『ルックバック』の入場者特典はオリジナルストーリーボード、原作ネーム集でした。

   

 こんな豪華な入場者特典、聞いたことがない…。
 紙質もまるっきり単行本のそれと変わりないし、買ったら400円はする代物ってことになります。
 
 最初上映時間か58分で鑑賞料金が1700円(ムビチケだと1600円)と聞いた時は高っ!と思いましたが、この入場者特典をもらえるならむしろ安いですよね。
 映画を観終わった直後に原作漫画のネームが読めて、さらに家に帰ってから単行本と読み比べることが出来るんですから。
 ネームの段階では主人公たちの名前が違うことを知ったり、構図や小道具の違いに感心したり、二重三重に楽しめました。
 
 つまり言いたいことは『ルックバック』を観に行くのであれば入場者特典があるうちがいいですよ、ってことです(劇場により数に限りがあるとのこと)。
 
 お気に入り度★★★★、お薦め度★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント
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