私が『モントリオール讃歌』と同じくらい知りたかったこと、それは、ルネが出演するはずだったミュージカル映画『青い鳥』についてでした。
ルネが2度目に来日したとき書かれたほとんどの記事には、ルネがミュージカル映画『青い鳥』でエリザベス・テーラーと共演するということが、必ずといっていいほど明記されていました。そして、私を初め、日本のファンも映画の公開を心待ちにしていました。しかし、日本公開時の紹介記事にルネの名前は無く、映画もあまり話題にならないまま終わってしまいました。
私は、当時購読していた『毎日新聞』に掲載された、『青い鳥』の紹介記事を現在も保管しています。その記事が新聞に掲載され、ルネの名前がどこにも無いことに気づいたとき、私は、「ルネは主役のチルチル役だとずっと思っていたけれど、主題歌を歌っているのだろう。だから名前が載っていないのだ。」と思い込もうとしたのです。何故なら、ルネが変声していることを知っていたので、チルチル役は途中からできなくなってしまったのだと直感的に思ったからでした。でも、あれだけ話題になっていたのだから、主題歌を歌っているに違いないと。そして、役を降ろされてしまったかも知れないということから目をそらしたかったのでした。しかし、映画の情報を得ようとアンテナを高くしていたつもりでしたが、『青い鳥』にルネが出演していなかったためもあり、友人たちから情報や切り抜きをいただけなかったので、雑誌等で紹介、宣伝されていたかどうかも知りませんでした。そして、ルネが出演していないこの映画を、私は観ることはありませんでした。
あれから30年以上の月日が流れ、ルネのブログ記事のために見ていた私のルネ・コレクションの中に『青い鳥』の新聞記事を見付けました。後で紹介しようと考えていましたが、カナダのルネ・ファン、ローラさんが私の記事に対して寄せてくださったコメントの中に、私がずっと探していた答えがあったのです。
♪ローラさんからのメッセージより(しゃむねこさん訳)♪
ルネが日本で活躍していた当時の素晴らしいたくさんの記事を私達にも見せてくれて どうもありがとう!ルネがどのようなことをしていたのか、keiさんのブログ記事で楽しませていただきます。
ー中略ー
私はルネに、エリザベス・テーラーとの映画 ブルーバード(青い鳥)について訊いた事があります。映画のプロデユーサーたちがルネの代わりに トッド・ルッキンランドという少年を使う事に決めたからです。でもこの映画に出なかったことで ルネは、テレビ出演やレコーデイングをする時間がより多くとれたそうです。 ルネはこの映画に出なかったことを良かったと言っていました。それは、この映画があまり成功に終らなかったからです。制作側が想像していたようには人気も出なかったし、 売れずに終った映画になったからです。
ローラ
私が心配していたことは、ルネが『青い鳥』のチルチル役を降板させられたことで、ルネの心やキャリアに傷が付いてはいないかということでした。しかし、ローラさんのメッセージを読む限りでは、例えルネは傷付いていたとしても、そのことで落ち込むことなく前向きにとらえて活動を続けていたことが分かります。また、新聞の紹介記事の中には、『レニングラード(※現サンクトペテルブルク)郊外のスタジオで約一年半をかけて撮影された』とありますから、ローラさんのメッセージにあるルネが言っていたことは確かです。この映画の撮影の間、歌手活動が満足にできず、その上一年半もカナダを離れて撮影した映画がヒットしなかったとしたら、その方がずっとルネのキャリアに影響したと思います。このことが分かって、ずっと心に引っかかっていたことがまた一つ解消できました。この情報をくださったローラさんと、このような貴重なきっかけを作ってくださったしゃむねこさんに感謝!感謝!!です。
なお、メッセージの中に、当ブログで紹介したルネが学校のバスケットボール・クラブに入ったという記事に対し、 その当時ルネはもう学校には行っておらず、家庭教師がついて勉強をしていたはずだということも書かれていました。『ルネの家』同様、日本の記事で書かれていることが、カナダのファンが知っている情報と違っていることが、もう一つ見つかりました。私の憶測でしかありませんが、きっと、マネージャーのクルティエ氏が日本の取材のために設定したことなのでしょう。
♪ミュージカル映画『青い鳥』♪
『毎日新聞』の記事より
『青い鳥』楽しいミュージカル映画
米ソ合作・おなじみおとぎの世界
しあわせの青い鳥を求めて、イヌやネコ、水やパンや砂糖の精をおともに、過去や未来の国を旅するチルチルとミチルーメーテルリンクのおなじみの名作童話劇場だが、これほど空想をかきたてる物語も少なく、多くの人が大人になってからも、それぞれの”青い鳥”の世界を持っているようだ。
この童話劇に基づいたミュージカル映画「青い鳥」が、初の米ソ合作映画として完成した。監督はジョージ・キューカー、ひかりと色彩のファンタジーにみちた、原作にかなり忠実な作品。子どもたちを夢と冒険の世界に誘い、希望と勇気を教え、親子で楽しめる。
兄妹の夢の旅
初の合作とあって、米ソ両国の力の入れようは大変だったようで、三十億円の制作費に豪華なキャスト、レニングラード郊外のスタジオで約一年半かけて撮影された。レニングラード・バレエ団による「夜の宮殿」や「歓喜の楽園」のバレエ・シーンなど、大人も魅せられる。ストーリーはーークリスマスの前夜、貧しいきこりの子どもチルチル(トッド・ルッキンランド、十歳、ロサンゼルス生まれ)と、ミチル(パッツィ・ケンシット、七歳、ロンドンっ子)は空腹のままベッドにはいる。突然、窓の外にクラッカーの音、花火の光ーー隣の金持ちの家で子どもたちの盛大なパーティーがたけなわなのだ。でもチルチルたちは夢の世界。
そこへ見知らぬ老婆(エリザベス・テーラー、彼女は母親、光の精など一人四役)がやってきて、病気の娘のために青い鳥を探してほしいと頼み、魔法の帽子をチルチルに与える。チルチルが帽子についたダイヤを回すと光の精が現れ、ツエを振るとたなの上の砂糖やパンやミルクに暖炉の火までが踊りだし、犬もネコもしゃべりだす。
こうして彼らをつれて青い鳥を求めるチルチル、ミチルの旅が始まり、「思い出の国」から「夜の宮殿」「歓喜の楽園」「森」「未来の国」と、楽しいこと、怖い悲しい経験を重ねながら冒険の旅を続ける。
来月から公開
二人は結局、青い鳥を見つけることはできなかった。朝になって母親から起こされた二人の目に映ったのは、青い色になった鳥かごの中のキジバトーー”幸福はすぐ近くにあるため気がつかない”という寓意(ぐうい)がいささかお説教調だが、一応楽しめるファンタジー映画だ。合作でなければ、もっと別の形になったかもーーと残念さも残る。
キャストはほかにジェーン・フォンダ、エバ・ガードナー、「星の王子さま」のスチーブン・ウォーカーがちょっぴり大きくなって出演している。
日本での公開は、七月三日から東京・日比谷スカラ座、大阪・梅田および南街スカラ座、七月下旬から福岡・東宝シネマ、八月中旬から札幌・帝国座、名古屋・毎日ホール大劇場。
♪「青い鳥」THE BLUE BIRD♪
1976年 99分 アメリカ・ソ連
監督:ジョージ・キューカー
原作:モーリス・メーテルリンク
脚本:ヒュー・ホワイトモア、アルフレッド・ヘイズ、アレクセイ
・カプレフレ
撮影:イオナス・グリツィスウ、フレディ・A・ヤング
音楽:アーウィン・コスタル、アンドレイ・ペトロフ
出演:エリザベス・テイラー、ジェーン・フォンダ、エヴァ
・ガードナー、トッド・ルッキンランド、パッツィ・
ケンジット、ナジェジダ・パブロウ、ロバート・モーレイ、
ハリー・アンドリュース、マルガリータ・テレホワ、
シシリー・タイソン、モナ・ウォッシュボーン、他
アメリカとソ連の初めての合作による作品で、有名なメーテルリンクの童話の映画化である。当時は冷戦のまっただ中であったことを考えると、これは画期的なことであった。また、パッツィ・ケンジットにも注目されたし。
ミュージカル仕立ての作品である。幼い兄妹は幸せを呼ぶ青い鳥を捜しに、魔法の帽子で姿を変えた光、火、水、パンなどを伴って冒険の旅に出る。
※『青い鳥』の画像はこちらからどうぞ。
http://www.imdb.com/title/tt0074225/
http://us.imdb.com/gallery/mptv/1276/Mptv/1276/8682-0011.jpg.html?path=pgallery&path_key=Kensit,+Patsy
http://www.moviegoods.com/movie_product.asp?master_movie_id=5763
ルネが2度目に来日したとき書かれたほとんどの記事には、ルネがミュージカル映画『青い鳥』でエリザベス・テーラーと共演するということが、必ずといっていいほど明記されていました。そして、私を初め、日本のファンも映画の公開を心待ちにしていました。しかし、日本公開時の紹介記事にルネの名前は無く、映画もあまり話題にならないまま終わってしまいました。
私は、当時購読していた『毎日新聞』に掲載された、『青い鳥』の紹介記事を現在も保管しています。その記事が新聞に掲載され、ルネの名前がどこにも無いことに気づいたとき、私は、「ルネは主役のチルチル役だとずっと思っていたけれど、主題歌を歌っているのだろう。だから名前が載っていないのだ。」と思い込もうとしたのです。何故なら、ルネが変声していることを知っていたので、チルチル役は途中からできなくなってしまったのだと直感的に思ったからでした。でも、あれだけ話題になっていたのだから、主題歌を歌っているに違いないと。そして、役を降ろされてしまったかも知れないということから目をそらしたかったのでした。しかし、映画の情報を得ようとアンテナを高くしていたつもりでしたが、『青い鳥』にルネが出演していなかったためもあり、友人たちから情報や切り抜きをいただけなかったので、雑誌等で紹介、宣伝されていたかどうかも知りませんでした。そして、ルネが出演していないこの映画を、私は観ることはありませんでした。
あれから30年以上の月日が流れ、ルネのブログ記事のために見ていた私のルネ・コレクションの中に『青い鳥』の新聞記事を見付けました。後で紹介しようと考えていましたが、カナダのルネ・ファン、ローラさんが私の記事に対して寄せてくださったコメントの中に、私がずっと探していた答えがあったのです。
♪ローラさんからのメッセージより(しゃむねこさん訳)♪
ルネが日本で活躍していた当時の素晴らしいたくさんの記事を私達にも見せてくれて どうもありがとう!ルネがどのようなことをしていたのか、keiさんのブログ記事で楽しませていただきます。
ー中略ー
私はルネに、エリザベス・テーラーとの映画 ブルーバード(青い鳥)について訊いた事があります。映画のプロデユーサーたちがルネの代わりに トッド・ルッキンランドという少年を使う事に決めたからです。でもこの映画に出なかったことで ルネは、テレビ出演やレコーデイングをする時間がより多くとれたそうです。 ルネはこの映画に出なかったことを良かったと言っていました。それは、この映画があまり成功に終らなかったからです。制作側が想像していたようには人気も出なかったし、 売れずに終った映画になったからです。
ローラ
私が心配していたことは、ルネが『青い鳥』のチルチル役を降板させられたことで、ルネの心やキャリアに傷が付いてはいないかということでした。しかし、ローラさんのメッセージを読む限りでは、例えルネは傷付いていたとしても、そのことで落ち込むことなく前向きにとらえて活動を続けていたことが分かります。また、新聞の紹介記事の中には、『レニングラード(※現サンクトペテルブルク)郊外のスタジオで約一年半をかけて撮影された』とありますから、ローラさんのメッセージにあるルネが言っていたことは確かです。この映画の撮影の間、歌手活動が満足にできず、その上一年半もカナダを離れて撮影した映画がヒットしなかったとしたら、その方がずっとルネのキャリアに影響したと思います。このことが分かって、ずっと心に引っかかっていたことがまた一つ解消できました。この情報をくださったローラさんと、このような貴重なきっかけを作ってくださったしゃむねこさんに感謝!感謝!!です。
なお、メッセージの中に、当ブログで紹介したルネが学校のバスケットボール・クラブに入ったという記事に対し、 その当時ルネはもう学校には行っておらず、家庭教師がついて勉強をしていたはずだということも書かれていました。『ルネの家』同様、日本の記事で書かれていることが、カナダのファンが知っている情報と違っていることが、もう一つ見つかりました。私の憶測でしかありませんが、きっと、マネージャーのクルティエ氏が日本の取材のために設定したことなのでしょう。
♪ミュージカル映画『青い鳥』♪
『毎日新聞』の記事より
『青い鳥』楽しいミュージカル映画
米ソ合作・おなじみおとぎの世界
しあわせの青い鳥を求めて、イヌやネコ、水やパンや砂糖の精をおともに、過去や未来の国を旅するチルチルとミチルーメーテルリンクのおなじみの名作童話劇場だが、これほど空想をかきたてる物語も少なく、多くの人が大人になってからも、それぞれの”青い鳥”の世界を持っているようだ。
この童話劇に基づいたミュージカル映画「青い鳥」が、初の米ソ合作映画として完成した。監督はジョージ・キューカー、ひかりと色彩のファンタジーにみちた、原作にかなり忠実な作品。子どもたちを夢と冒険の世界に誘い、希望と勇気を教え、親子で楽しめる。
兄妹の夢の旅
初の合作とあって、米ソ両国の力の入れようは大変だったようで、三十億円の制作費に豪華なキャスト、レニングラード郊外のスタジオで約一年半かけて撮影された。レニングラード・バレエ団による「夜の宮殿」や「歓喜の楽園」のバレエ・シーンなど、大人も魅せられる。ストーリーはーークリスマスの前夜、貧しいきこりの子どもチルチル(トッド・ルッキンランド、十歳、ロサンゼルス生まれ)と、ミチル(パッツィ・ケンシット、七歳、ロンドンっ子)は空腹のままベッドにはいる。突然、窓の外にクラッカーの音、花火の光ーー隣の金持ちの家で子どもたちの盛大なパーティーがたけなわなのだ。でもチルチルたちは夢の世界。
そこへ見知らぬ老婆(エリザベス・テーラー、彼女は母親、光の精など一人四役)がやってきて、病気の娘のために青い鳥を探してほしいと頼み、魔法の帽子をチルチルに与える。チルチルが帽子についたダイヤを回すと光の精が現れ、ツエを振るとたなの上の砂糖やパンやミルクに暖炉の火までが踊りだし、犬もネコもしゃべりだす。
こうして彼らをつれて青い鳥を求めるチルチル、ミチルの旅が始まり、「思い出の国」から「夜の宮殿」「歓喜の楽園」「森」「未来の国」と、楽しいこと、怖い悲しい経験を重ねながら冒険の旅を続ける。
来月から公開
二人は結局、青い鳥を見つけることはできなかった。朝になって母親から起こされた二人の目に映ったのは、青い色になった鳥かごの中のキジバトーー”幸福はすぐ近くにあるため気がつかない”という寓意(ぐうい)がいささかお説教調だが、一応楽しめるファンタジー映画だ。合作でなければ、もっと別の形になったかもーーと残念さも残る。
キャストはほかにジェーン・フォンダ、エバ・ガードナー、「星の王子さま」のスチーブン・ウォーカーがちょっぴり大きくなって出演している。
日本での公開は、七月三日から東京・日比谷スカラ座、大阪・梅田および南街スカラ座、七月下旬から福岡・東宝シネマ、八月中旬から札幌・帝国座、名古屋・毎日ホール大劇場。
♪「青い鳥」THE BLUE BIRD♪
1976年 99分 アメリカ・ソ連
監督:ジョージ・キューカー
原作:モーリス・メーテルリンク
脚本:ヒュー・ホワイトモア、アルフレッド・ヘイズ、アレクセイ
・カプレフレ
撮影:イオナス・グリツィスウ、フレディ・A・ヤング
音楽:アーウィン・コスタル、アンドレイ・ペトロフ
出演:エリザベス・テイラー、ジェーン・フォンダ、エヴァ
・ガードナー、トッド・ルッキンランド、パッツィ・
ケンジット、ナジェジダ・パブロウ、ロバート・モーレイ、
ハリー・アンドリュース、マルガリータ・テレホワ、
シシリー・タイソン、モナ・ウォッシュボーン、他
アメリカとソ連の初めての合作による作品で、有名なメーテルリンクの童話の映画化である。当時は冷戦のまっただ中であったことを考えると、これは画期的なことであった。また、パッツィ・ケンジットにも注目されたし。
ミュージカル仕立ての作品である。幼い兄妹は幸せを呼ぶ青い鳥を捜しに、魔法の帽子で姿を変えた光、火、水、パンなどを伴って冒険の旅に出る。
※『青い鳥』の画像はこちらからどうぞ。
http://www.imdb.com/title/tt0074225/
http://us.imdb.com/gallery/mptv/1276/Mptv/1276/8682-0011.jpg.html?path=pgallery&path_key=Kensit,+Patsy
http://www.moviegoods.com/movie_product.asp?master_movie_id=5763
1976年6月には『青い鳥』で、7月には『モントリオール・オリンピック』開会式で、8月にはファン・クラブ閉鎖で、ルネと再び会えることを楽しみにしていたファンは悲しい思いをしましたね。あの時同じ思いを味わった方たちと、同じ想いを共有できるって素晴らしいことだと思います。
momoさんも熱烈なルネ・ファン仲間ですね♪当時の思い出を是非是非お聞かせいただきたいです。また、現在のルネ情報は、当ブログのゲスト様で情報提供者様でもある、しゃむねこさんのところが詳しいですよ。カナダのファンの方とも交流できますので、よろしかったら入会してね。
今後とも末永くよろしくお願いいたします!
http://green.ap.teacup.com/rene_simard/37.html
記事の中で紹介したルネからのメッセージではCBSソニーのカネヅカさんが唄入れにカナダに来たと書いてあるので、レコーディングは済んでいたのでしょう。しゃむねこさん同様是非聴いてみたかったです。
また、当ブログへのお褒めの言葉をいただき恐縮しています。新聞記事のスクラップについて言えば、私が『捨てられない女』で、とことん突き詰めるタイプ(ルネに関しては!)なだけなんですね(笑)。今後の記事構成にプレッシャーを感じてしまいますが、頑張りますので今後ともよろしくお願いいたします。