*直接的性表現を含みます。
高校卒業して4ヶ月後。
4回目の挿入挑戦です。慶視点で。今回こそ、開発される(する?)予定。
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金曜日の夜、弁当を買ってラブホテルにきた。
浩介が家庭教師をしている子の好きな歌手が歌番組に出るそうで、一緒に観ることにしたのだ。
おれも浩介もめったに歌番組をみないので、新鮮と言えば新鮮。
番組の途中で弁当を食べ終わり、片づけまですませると、
「慶、慶」
浩介がニコニコと、自分はソファの奥まで腰かけて少し足を広げて座り、股の間をトントンとたたいた。
ここに座れ、ということらしい。
素直に座ると後ろからぎゅうっと腰に手を回され抱きしめられた。すごい幸福感……。
「聴いたことはあるけど…って感じ…」
「そうだな。歌ってるのこういう人達なんだなあ…」
芸能人に疎いおれ達……。
お目当ての歌手ははじめの方で歌ったので、あとはなんとなくダラダラと見ていたけれど、
「……っ」
後ろから耳をくわえられ、ビクリとなる。
「お前、何を…っ」
「んー…耳がおいしそうで…」
いいながら首筋に唇が落ちてくる。
「お前……っ、耳じゃねえのかよっ」
「だってうなじもおいしそうで……」
「!」
いつのまに、Gパンにも手をかけられていて……
「こ…浩介っ」
「ここもおいしそうで…」
「ちょ……っ」
たぶん、もう、体が覚えているのだろう。浩介に触れられると、自分でも呆れるくらいすぐに反応してしまう。
「………っ」
うわ……もう先走りまで出てる。浩介の指先がぬるぬるしてる。先を刺激され、ビクビクっとなる。いくらなんでも反応良すぎだろ、おれ。
「慶……かわいい」
「うるせえっ」
耳元で囁かれますます赤くなったのが分かった。
ついばむようなキスが繰り返されながら、下に組み敷かれる。
なんかこいつ手馴れてきた感じが……
「……んっ」
思わず声が出てしまう。下は優しく優しくしごかれながら、シャツをはだけさせられ、唇が首から胸、腰……とおりてくる。
「こう……っ」
唇がおれのものにまで下りてきた。飴でも舐めるかのように、味わうように、浩介がしゃぶりついてくる。
まずい。もうイッちまう……。早すぎだ。
「ちょっと待て、浩介…」
「んー?」
くわえたまま、目だけこちらを向ける浩介。優しい瞳。心臓がぎゅっとつかまれたようになる。
「……イッちまう」
「うん」
「もったいない」
「え」
キョトンとなった浩介の頬にそっと触れる。
「まだイキたくない」
「え?」
「イッたらもったいない」
真面目に言うと、
「けいーー」
浩介が、くーーーっと言いながらソファの下にしゃがみこんだ。
「もーーなんでそんなかわいいのーー」
「別にかわいくねえよ」
「かわいいよー無理矢理したくなるよー」
「あほか」
ゲシゲシと肩のあたりを蹴ると、「んじゃ」と浩介が立ち上がり、こちらに手を差し伸べた。
「続きはベッドで」
**
ふざけながら洋服を脱がせ合い、素っ裸になった時点でふかふかの布団の上にダイブする。さっきのお返しとばかりに、すでに大きくなっていた浩介のものを掴み、しごく。すばやく潤滑の効用のあるジェル状のものをぬってやると、
「でも、慶……」
また、浩介が眉を曇らせた。浩介は自分が受をできないことに罪悪感を感じているのだ。
でも、一度だけバックから入れた時、ものすごく痛そうだったし(だからこそ、おれに対しても「痛い?」と何度も聞いてくるのだろう)、正常位ですることは体が固すぎて、入れる以前にその体勢でいることがきつそうで……だからとりあえずはおれが受やってればいいんじゃねえの?って言ったのに……。いい加減、こいつもしつこい。
「だからそれはおいおいで、な」
「でも……」
「でもじゃねえよ。……って、浩介……」
こちらを見ている浩介の目がウルウルしだしたのを見て、うーん、と唸ってしまう。
しょうがないので、げしっと胸のあたりを蹴り、仰向けにさせる。
「……んじゃ、してみるか?」
「う、うん……」
ほっとしたような浩介の顔。ばかだなあ。そんなこと気にしなくていいのに……
今のやりとりの最中に元気がなくなってしまった浩介のものを再度掴み、ゆっくりとしごく。浩介が戸惑ったように身じろぎをする。
「慶、なんで……?」
「黙ってろ」
手の中で熱を帯びてくる浩介のもの。この数回の交わりですっかり手になじんだ浩介のもの……。
おれが腰をあげると、浩介が緊張した面持ちで膝を立て、おれを受け入れようと少し腰をあげた。
浩介の目に怯えの光が灯っている……。こんな状態のお前に無理に入れることなんてできないだろ……。
「……慶?」
「だから黙ってろって」
腰を下ろさせ、またがる。ゆっくりゆっくりと、大きくなった浩介のものの上に座っていく。浩介のものを自分の中に受け入れる。全部、入………った。
「………っ」
声にならない声がでる。体の中心に浩介のものがあたる。正常位より騎上位の方が奥まで突かれる感じがするのは気のせいだろうか。
「慶……っ」
「だから黙れって」
目を見開いた浩介の腰を手で押さえ、浩介が自分の中に溶け込んだのを見計らってから、ゆっくりと腰を動かしはじめる。ぐっと奥まで突かれるたびに、息が止まりそうになる。脳天に電気が走る。
「慶……」
「……っ」
おずおずと伸ばされた浩介の手に包まれ、一気に固さを増すおれのもの。と、同時に……
「………あ、う……っ」
勝手に声が出てしまう。前回と同じだ。このまま突き進むのがこわいような、でもその先にある『何か』を知りたいような、そんな不安定な感覚……。
「慶、痛いんじゃ……」
「ちが……っ、このまま……っ」
体が勝手にのけぞる。こらえきれなくて、腕の位置を前から後ろに変える。浩介の太腿に掴まるようにして、胸をそりながら腰を動かし続ける。
突き上げられる。心臓の奥の方と頭の中全部が沸騰してあふれ出そうになっている。
「あ、あ、あ………」
こ、声が……止まらない。やばい。おかしくなりそうだ……。
浩介の息遣いも最上級まで荒くなっている。
「慶、もう……っ」
「んんん、もう少し、ま………っ」
言い終わるよりも前に、体の中の何かがはじけた。ここが、頂点。
「あああ……っ」
声と共に解放される。おれのもの。放出される。すべてが。頭が真っ白、だ。
「け、慶っ」
「あっと」
その快楽の余韻に溺れる前に慌てて引き抜く。引き抜かれたあともビクビクビクっとなっているおれの入れるところ……いったいどうなってるんだ。って、考察はあとで。
我慢のしすぎで涙目になっている浩介の首元にキスしながら、強めにしごいてやると、
「………んんっ」
すぐに浩介のものからでた熱いものがおれの腹のあたりにかかってきた。搾り取るみたいに、しごき続けていると、浩介が息も絶え絶えな感じで言った。
「慶……もう、無理」
「ん」
浩介のものを触ったまま、足を絡ませて横にコロンと寝そべる。
浩介が天井を見ながらポツン、と言う。
「慶……結局……」
「いーじゃねーかよ」
目の前にある浩介の乳首をペロッと舐めると、浩介がくすぐったそうに身もだえた。
「もう、慶……」
「だからどっちがどっちやってもいいだろ?」
「でも……」
まだ心配そうな浩介。まったくこいつは……
「何? お前、今の気持ち良くなかったのか?」
「えええっそんなことあるわけないでしょっ。もうめちゃくちゃ気持ち良すぎて、気失うかと思った」
「ならいいじゃねえかよ」
再び浩介の乳首に吸いつくようにすると、浩介がクスクス笑いだした。
「もー慶ー」
「ん」
ぎゅうっと抱きしめられ、抱きしめ、幸せを味わう。二人でいるだけでなんでこんなに幸福なんだろう。
「……って、あーーー」
「げ……」
お互いの腹にかかったお互いの乳白色のものが、今の抱擁でグチャグチャと腹に引き伸ばされてしまった……。もうどっちがどっちのかも分からない。
「すぐ拭けばよかった……」
「風呂行くぞ、風呂」
うへーと言いながら風呂に向かうおれ達。なんだか笑える状況だ。
「んー慶ー大好きー」
後ろからついてくる浩介が、おれの頭のてっぺんにキスしてくる。幸せで蕩けそうになる……。
「今度も弁当持ちでこねえ? なんか飯食いながら一緒にテレビとかみるの楽しい」
「うんうん。賛成!」
今度は。次は。明日は。いくらでも未来の約束ができることが嬉しい。
おれの未来には、いつでも浩介がいる。
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以上、終了です。
で、5回目の「R18・試行錯誤」につながるわけですが……。
試行錯誤を書いた時点では、まさか2・3・4回目を書くとは想像もしていませんでした。
ちなみに、
1回目:受攻試行慶視点/浩介視点
2回目:試行2回目
3回目:試行3回目
でした。まあ、試行錯誤以降はそんな変わり映えないんじゃないすかね。
あ、でも、開発後の話を書こうかな。挿入〇回目シリーズ最終回!ってことで。
それからあと書くとしたら……浩介が慶の顔にぶっかけちゃった事件くらいかな……。
でもそれ、浩介さんが病んでるので、くらーい話になっちゃいますね……。やめますかね。はい。
(*2016年4月、ぶっかけちゃった話書きました → 『~その瞳に*R18』)
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