【有希視点】
2017年3月5日(日)
斉藤君の息子が無事に私達の母校、白浜高校に合格したそうで、そのお祝いに、10月に激励会をしたメンバー(大人12人+子供5人)で再び集まることになった。
前回は昼間にバーベキューをしたけれども、今回は夕方から溝部宅にてすき焼きパーティー……
「溝部のうちってホント広いよね……」
「まあ古いけどなー」
結婚する、と決めてから約2週間……
このすき焼きパーティーの後で、初めて溝部のご両親と正式に挨拶させてもらうことになっている。
10月のバーベキューの時はご両親は不在で会えなかったのだけれども、その後、陽太の野球の練習をさせてもらいにお宅にお邪魔した時に、お母さんとは2度だけお会いした。どれも一言二言交わした程度で、会話をきちんとするのは………
(高校の時以来かも……)
うっすらした記憶の中に、高校2年の時のクリスマスパーティーでお母さんと何か話したこと、小松ちゃんと一緒にお父さんに車で駅まで送ってもらったこと、が浮かんでくるけれども、どれも曖昧だ。
「溝部のお父さんって大工さんだったよね?」
「そうそう。昔は住み込みの弟子とかわんさかいたから、うちも無駄に広いんだよ」
溝部が大人数での立ち回りに優れているのは、そういう環境で育ったからなのかもしれない。
「だからオレ、家族だけでご飯食べるって経験あんまなくてさ。お前らと3人だけで飯食うの、すごい新鮮」
「あ……そうなんだ」
やたらニコニコしていた昨日の溝部を思い出す。
昨日の夕飯は溝部のマンションで作って食べたのだ。新居で使える台所用品や家電を判別するため、というのも大きな理由だった。
台所用品はたいして種類もなく、あまり料理していないんだろうな、という感じだった。日常的に彼女が来てご飯を作っていた……という形跡もない。
(ホントに寂しい一人暮らしだったんだなあ……)
可哀想に、と同情している自分と、女の影がなくてホッしている自分と、二人の自分がいることに戸惑う。たぶん、前者は『友達』としての感情。そして後者は……
(……好き?)
認めたくないけれど、そう判断せざるをえない。ドキッとさせられることもあるし、先日、衝動的に頬にキスしてしまったし………
(ほっぺにチューって、中学生かって感じで逆に恥ずかしいんだけど……)
イマドキ、小学生でもしてるかもしれない……。そんな、子供の域から出ない程度の好意……。
でも、溝部も溝部で、「いいと言うまでは手を出さない」という約束通り、本当に何もしてこない。昨日も陽太だけ泊まって、今朝早く、野球の練習場に連れてきてくれた。
そうして今日初めて、溝部を野球チームの保護者の方々に紹介したのだけれども、
「お前、溝部!?」
下級生チームの監督をしている中林さんに叫ばれた。溝部もぎょっとして「なか先輩!」と叫びかえして、頭を90度に下げていて……
中林さん、私達と同じ高校の二つ上の野球部の先輩だそうだ。同じ高校とは知らなかった。ここから自転車で通える高校なので、地元に残っている人だったら他にもいそうな気はする。
「えー!鈴木さん白高出身なの?!」
「すごーい!頭いいー」
「いやいやいやいや……」
ママ達に口々に言われ、居心地が悪い……。地元出身者や中学生以上の子を持つママは、学区トップ校であるうちの高校を必要以上にスゴい学校だと思っているので、あまり言いたくないのだ……。地元だとこういうことがあるから面倒くさい。けれども。
「溝部、お前ノックできるよな?」
「いやでも、10年ぶりなんで、ちゃんと飛ぶかは」
「やってるうちに思い出すだろ。今、Bチームの監督、腰痛めててできないから、お前やって」
溝部は戸惑いながらも、「うすっ」と返事していて……。運動部の先輩の言うことは絶対だ。いつもと違う溝部がちょっと可愛くて笑ってしまった。
「誰、あの人ー?」
「オレの新しいお父さん!」
嬉しそうに言っている陽太。私の選択は正しかったのだ、と思えてホッとする。
あの時……泣きそうな陽太を抱きしめた溝部を見て、
(陽太の『お父さん』になってほしい)
そう、強く思った。陽太のために、溝部が必要だ、と。
私自身の溝部に対する好意は、ほんのりとし過ぎていて、夫婦になるのにこれでいいのだろうか、と思わざるをえない。でも、『家族』になりたいと思う。『うちのお父さん』になってほしいと思う。
***
「いいんじゃないの?」
小松ちゃんが、くくくと笑いながら言う。小松ちゃんは酔うと笑い上戸になる。
「愛情なんかあとからついてくるよ。んなこと言ったら、うちなんか、結婚相談所だからね。会って数回で結婚決めて、結婚してから愛を育んだ口だからね」
「あー……」
「元々、煙草吸わない、お酒好き、旅行好き、正社員で勤めてる、って条件で選んだからねー」
「そういえばそうだったね……。でもすっごい仲良しだよね……」
「ははは~~まーねー」
すき焼きセットの片付けをしてくれている、小松ちゃんの6歳年上の旦那さんが目に入る。小松ちゃんと旦那さんは結婚5年目の今でもとても仲が良い。
すき焼きパーティーは大いに盛り上がり(溝部は『合コン幹事のプロ』を自称するだけあって、場を盛り上げるのが上手だ)、今は、4つあった鍋のうち、1つを残して他は片付け中。しかもこれからケーキも出てくるらしい。前回同様、男性陣が全部してくれるというので、私は高校時代からの親友の小松ちゃんと、山崎君の奥さんの菜美子ちゃんと3人で、隅っこの方で細々と飲み続けていた。
「菜美子ちゃんは、山崎君タイプだったの?」
「え……」
小松ちゃんが聞くと、新婚・菜美子ちゃんは小さく笑いながら、「シーっ」というように口元に人差し指を置いた。
「全然。私、本当は溝部さんみたいな人がタイプだったんですよ」
「え?!」
「えええ?!」
小松ちゃんと二人、仰け反ってしまう。山崎君と菜美子ちゃんが知り合ったのは、溝部も一緒の合コンの場だったと聞いてはいたけど……
「うそー!」
小松ちゃんが叫んだ。
「あんなののどこが?! ……って、あ、ごめん、有希の婚約者だった」
「いいよ……」
同意見ですので……
「溝部さん素敵じゃないですか。明るくて、楽しくて」
「えー……」
「えー……」
ニコニコと言う菜美子ちゃんに、私も小松ちゃんも「えー」が隠せない……
「私、今までお付き合いした人みんな溝部さんみたいな感じの人だったので、山崎さんは……」
「全然違うよね……」
「はい」
苦笑した菜美子ちゃん。綺麗な子だなあとあらためて思う。山崎君、よくこんな上玉をゲットしたもんだ……
「じゃ、山崎君のどこがよくて結婚決意したの?」
「うーん……、包容力……ですかねえ? 全部を許してくれる、包んでくれる、みたいな……」
「あー……」
なるほどー、と納得してしまう。山崎君、優しいもんなあ……
「それ、結婚生活に必要だよねー」
「それ言ったら溝部だって、有希の全部を受け入れてくれてるじゃん。包容力、あるじゃん」
「まあ、そうなんだけど……」
確かに、陽太ごと受け入れてくれてるけど……
「でもさー、二人のところはラブラブじゃん? 私と溝部にそんな日がくるとは到底思えないんだよねえ……」
「とかいって、二人きりの時はイチャイチャしてんじゃないの? なんか溝部そんな感じする」
「いや……全然」
「え、そうなん?」
「うん。っていうか、二人きりって状況にもならないしね」
「あーそっかあ……」
「うん。そう」
ふっと、陽太の方に目がいく。
陽太は、一人でゲームをしていた前回とは違って、大広間の続きになっている6畳の部屋で、他の子供たちと一緒に、簡易ボーリングをして盛り上がっている。何もかも、あの時とは違う。……溝部のおかげで。
「じゃあ、さっきの桜井君のお言葉に甘えてみたらいいんじゃないのー?」
「桜井さんのお言葉?」
はて?と首をかしげた菜美子ちゃんに小松ちゃんがヘラヘラと説明する。
「二人きりで出かけたいとかあったら、陽太君のこと預かるから遠慮なく言ってね。って。ねえ?」
「あー………」
別に二人きりで出かけたいなんて思ってないんですけど……
「二人きりでデートでもしたら、ちょっとはそういう雰囲気になるんじゃないのー? ねえ?菜美子ちゃん」
「そうですね……」
菜美子ちゃんは「うーん」と言って口元に手を当てると、
「人の脳って不思議なもので、楽しくなくても笑ってると、そのうち楽しいって思えるようになってくるんです」
「へえ……」
菜美子ちゃん、そういえば心療内科の先生なんだよな……
「なので、恋人らしく過ごしていたら恋人らしくなる……ということはあると思います」
「だよねだよねだよね!ほらー……」
「でも」
盛り上がりかけた小松ちゃんの言葉にかぶせて、菜美子ちゃんが言葉を重ねた。観察するような目がじっとこちらを見ている……
「それがお二人の望む形なのかは、また別の話です。カップルにはそれぞれの幸せの形がありますから」
「…………」
「…………」
それぞれの、幸せの形………
私と溝部の幸せの形………?
「ケーキ到着しましたー!」
「!」
思いに沈みこみそうになったところを、溝部の声に引き戻された。
「到着? って!!」
思わず、げっと言ってしまいそうになり、慌てて飲み込んだ。ケーキの大きな箱を持って現れたのは………溝部のご両親、だった。
***
最悪……最悪だ……。
夫になる人に片付けをやらせて、女同士で飲んでる嫁……
印象最悪じゃないかーーーー!!!
と、叫びたいのを何とか我慢する。
ご両親が帰宅するのは、まだまだだって聞いてたのに! そういうことはちゃんと言ってよー!
立ち上がったまま、思いっきり固まっていたのだけれども…………
溝部のお母さんは、そんなこと気が付いた様子もなく、ケーキを溝部に押し付けると、
「有希ちゃーん!」
「え」
こちらに駆け寄ってきて、ガシッと私の手を両手で掴むと、ブンブン振り回してきた。わわわわわ……と思っていたら、
「ありがとうね~。祐と結婚してくれるんだってね~!」
「え、あ、はい……」
戸惑うこちらにはお構いなしに、ギューギューっと手を握ってきた溝部のお母さん。クリッとした目が印象的。
「良かったわ~ほら、高校生の時に、おばさん、うちにお嫁さんにきて!って言ったけど、有希ちゃん、いやいや~とか言って笑ってごまかしたでしょ~?」
「え」
ぜ、全然覚えてない……
「祐が有希ちゃんのこと好きだって知ってたから、おばさん、応援してたんだけどね~。あの時も祐に余計なこと言うなって怒られてね~。だから今回も、ずっとずっとずっと我慢してたのよ!」
「そ、そう……だったんですね……」
一言二言の挨拶しかしてくれなかったから、よく思われてないのかと思ってた……。
「ああ良かった良かった~。これからよろしくね~」
「よろしくお願いしま……」
「あ! 陽太君! おばあちゃんですよ~!」
パッと手を離され、今度はこちらに来かけていた陽太に飛びついたお母さん……
(似てる……)
溝部に似てる。明るくて……ウザイ感じが。そして何の躊躇もなく陽太のことを受け入れてくれている感じが。
後から聞いたら、昔から、血の繋がりのないお弟子さん達を我が子のように可愛がっていたので、子連れ再婚にも抵抗なかった、という。それが本心なのかは分からない。でも、お母さんからは、陽太を歓迎してくれている気持ちしか伝わってこない。
陽太も少し困ったように、でも少し笑いながら話している。
「陽太君、背高くていいわね~。すぐ追いつかれそう! あーデートするのが楽しみだわ~」
「ちょっと母ちゃん」
ケーキをお皿に配り途中の溝部が慌てて母親を止めにきた。
「陽太に絡むなっ。デートってなんだよっ」
「陽太君、おばあちゃんが美味しい物食べに連れて行ってあげるからね~?」
「だからっ」
「私、孫とデートするの夢だったのよ~。ねえ、いつ籍入れるの? 有希ちゃんの気が変わらないうちにさっさと結婚しないと、逃げられちゃうわよ?」
「余計なお世話だっ」
「ほら、さっさとケーキ配りなさいよ。……あ、斉藤君!」
今度は斉藤君に駆け寄ったお母さん。
「久しぶりね~。ま~大人になって! 息子さんおめでとう!良かったね~。これ、少ないけどお祝いね!」
「え、すみません。ありがとうございます。ほら、ワタル、お礼」
「ありがとうございます!」
「いえいえ~~、あ!渋谷君!やだあいかわらずイケメン!」
次々とアチコチに声をかけまくるお母さん……
「嵐のようだ……」
小松ちゃんがボソッと呟いた。
ほんと……嵐のようだ……
溝部も相当ウルサイと思っていたけれど、お母さんには負ける。
お父さんは……と思ったら、黙々とケーキの箱を折りたたんで片づけていて……。「職人さん」の雰囲気を醸し出している。
溝部は、このお母さんとお父さんの血を受け継いでいるんだなあ……
「ケーキ争奪じゃんけん大会ーー!」
そこに突然、溝部の母親の嵐を吹き飛ばすような叫び声が響き渡った。
「勝った人から好きなの選んでー! とりあえず、最初は全員オレとジャンケン! 勝ち組、あいこ組、負け組の三つに分けるぞ! せーの、最初はグー! ジャンケーン……」
わあ、とか、きゃあ、とか悲鳴と歓声が上がる。この歳でたかがジャンケンでこれだけ盛り上がれるのが楽しい。陽太が楽しそうなのが嬉しい。
「わーー!やっぱ一番それいくよなー?!」
「えー狙ってたのにー!」
大人もみんな高校生に戻ったみたいにはしゃいでいる。でも、あの頃と違うのは、みんなそれぞれに沢山の経験をして、そして大切な人が一緒にいること………
全員にケーキが行き渡ったところで、溝部がお皿を手に私と陽太のそばに寄ってきた。
「鈴木のチーズケーキ、うまそう……」
ジーッとケーキを見られ、笑ってしまう。
「ちょっといる?」
「いいのか?!」
ぱあっと目を輝かせた溝部。陽太のこともツンツンとつつくと、
「陽太のチョコも欲しい」
「溝部のプリンもうまそうだなー」
「じゃ、みんなで分けよっか?」
「やった!」
三人で三等分。三種類のケーキを分けて食べる。
「これ、おいしい!」
「おいしいね」
「おお。あ、こっちもおいしい!」
三人で同じものを食べて、笑い合う。間違いなく、今、私はとても幸せだと思う。
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お読みくださりありがとうございました!
まだ「鈴木」「溝部」と呼び合う2人。陽太もまだ「溝部」。
溝部と有希の初デート!の話は書ききれなかったので次回に……。
ということで、あと2回で終わりの予定でございます。
続きまして今日のオマケ☆
オマケは今日が最終回。
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☆今日のオマケ・慶視点
溝部の実家でのすき焼きパーティーの後、少し酔っぱらった状態で電車に乗り……途中から運よく座れたのは良かったけれど、そのせいで二人でうたた寝してしまって。気が付いたときには、乗換の駅を通り過ぎていたので、結局、そのまま乗り続け、その先のいつもとは違う駅で降りることにした。その駅からも徒歩20分強で帰れるはずなのだ。
「あんまり来たことない町って、ちょっと緊張するね……」
「だな。遠回りかもしれないけど環七まで出るか?」
「ううん。探検探検。住宅街抜けてこ?」
しばらく歩いて住宅街に入ったところで、すっと自然な感じに手を取られた。そのまま手を繋いで歩く。日曜日の夜10時半。住宅街の人通りはたいして多くない。
(まあ、いっか……)
そう思えるのは、まだ酔いがさめていないせいと、高校生に戻ったかのようにみんなでバカ騒ぎしていたテンションが体の中で持続しているせいかもしれない。
「色々なおうちがあるねえ……」
「わ、ここ金持ちっぽい。おーBMー」
なんだか本当に高校生に戻ったみたいだ。こんな風にたわいもない話をしながら歩く夜道……あの頃、こんな日がずっと続けばいいと思ってた。今、おれは、その永遠の中にいる……。
「あ! 慶! 公園公園! ちょっと寄りたい!」
「え?」
突然、浩介が走りだした。わりと遊具のたくさんある大きめの公園だ。
なんなんだ、と思いながらついていくと、浩介はさっそくブランコに座って、ニコニコとこちらを見返してきた。
何なんだ?
「何やって……」
言いかけたところ……
「渋谷も乗るー?」
「!」
その言葉にドキッと心臓が跳ね上がった。し、渋谷って……っ
「………なんだそりゃ」
「渋谷?」
うわ、やめろ。感覚が片思い時代に引き戻される。なんだこれ。いや、でも、好きだと自覚した頃からは「慶」って呼ばれてた……けど、その前は「渋谷」って呼ばれてたわけで……
「しーぶや?」
「……………」
「し……、んにゃっ」
ふざけている鼻をむにゅっと掴んでやると、浩介はふがふが言いながらおれの手を掴んできた。
「やめてー」
「お前がふざけたこと言うからだ。なんの冗談だ」
「えー、ちょっと懐かしくていいかなあーって思ってー。まだ渋谷って呼んでた頃にブランコで遊んだの覚えてない?」
「…………」
そんなことあったっけ……。あいかわらず恐ろしい記憶力だな浩介……。
「どうせ覚えてないんでしょ? 渋谷」
「…………」
渋谷と呼ばれていたころは、まだただの友達で。でもずっとずっと一緒にいたくて。
「浩介……」
「ん」
そっと口づける……。その願い、おれは叶えてやったぞ?
「思い出した?」
「思い出した」
今度は額に口づける。
「おれがどれだけお前のこと好きだったか、思い出した」
「慶……」
「それで」
嬉しそうに微笑んで、こちらに手を伸ばしてきた浩介に、わざと冷たーく言ってやる。
「お前がおれのこと友達としか思ってなくて、美幸さんに片思いして、その相談をおれにしてきて、それで散々苦しんだことも思い出した」
「わわわわわっ」
浩介がアワアワと立ち上がり、おれの頬を両手でぐりぐりと包み込んだ。
「それは忘れてー忘れてー」
「忘れらんねーなー」
「もー慶、しつこいよー」
「悪かったなっ」
むーっと鼻に皺を寄せてやる。
「それだけお前のことが好きってことだよっ」
「……………」
浩介は一瞬詰まり……
「それ言われたら、忘れてって言えない……」
コンッとオデコをくっつけてきた。
「おー忘れねえぞ。お前も覚えとけよ。もし、またあんなことがあったら……」
「あるわけないでしょ」
「………。まあそうだな」
くすりと笑って、また手を繋ぐ。
「帰ろ?」
「おお」
ぎゅっと繋ぐ。離れないように。
「慶、大好き」
頭のてっぺんにキスされる。それも高校の頃と変わらない。
でもあの頃と違うのは、一緒の家に帰れること。共に夜を過ごして、共に朝を迎えられること。
浩介と共に生きている。ずっと願っていた未来がここにある。
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お読みくださりありがとうございました!
浩介の「渋谷」呼び。懐かしい^^
次回16が有希視点最終回。17が溝部視点最終回、の予定なので、おまけは今日が最終回ということで。
オチも何もないおまけにお付き合いくださりありがとうございました!!
本編残り2回(たぶん←)、どうぞよろしくお願いいたします!
毎週火曜日と金曜日の朝7時21分頃に更新する予定です。
次回は5月5日金曜日、どうぞよろしくお願いいたします!
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