創作小説屋

創作小説置き場。BL・R18あるのでご注意を。

BL小説・風のゆくえには~翼を広げて 目次・登場人物・あらすじ

2017年11月24日 08時00分00秒 | BL小説・風のゆくえには~  翼を広げて

(2017年9月10日に書いた記事ですが、カテゴリーで「翼を広げて」のはじめに表示させるために2017年11月24日に投稿日を操作しました)



目次

一年目(浩介視点・吉村さん視点)
二年目-1(早坂さん視点・浩介視点)
二年目-2(慶視点)
二年目-3(浩介視点)
三年目-1.1(長谷川委員長視点)
三年目-1.2(長谷川委員長視点)
三年目-2(浩介視点・早坂さん視点・ルナ視点)
三年目-3(浩介視点)
三年目-4(南視点)
三年目-5(浩介視点)
三年目-6(慶視点)
三年目-7(浩介視点)
三年目-8.1(慶視点)
三年目-8.2(慶視点)
後日談1(浩介視点)
後日談2(慶視点)
後日談3(浩介視点)
後日談4.1(慶視点)
後日談4.2(慶視点)
後日談5(慶視点)
後日談6(浩介視点)
エピローグ(慶視点)



人物紹介


桜井浩介(さくらいこうすけ)
29→31歳。身長177cm。元高校教師。国際ボランティア団体所属。
表は明るいが、裏は病んでいる。慶に対する病的な独占欲、両親との確執、理想の教師像との相違に悩み、慶を置いて一人ケニアへ……


渋谷慶(しぶやけい)
29→31歳。身長164cm。小児科医。
道行く人が振り返るほどの美形。芸能人ばりのオーラの持ち主。だけど本人に自覚ナシ。
「自分の可能性を試したい」と言った浩介を応援しよう、自分も頑張ろう、と気を張っているけれども……


一之瀬あかね(いちのせあかね)
29→31歳。中学校教師。浩介の友人。
人目を引く超美人。恋愛対象は女性。女関係はかなり派手。
大学の時から、浩介の両親の前では、浩介の恋人のふりをしている。
(初出の『自由への道』では、名字「木村」でしたが、大学卒業と同時に親が離婚し「一之瀬」になりました)


アマラ
21→23歳。大学生。
浩介のケニアでの下宿先の娘。
母親のシーナは、浩介の所属する国際ボランティア団体のケニア支部の責任者になったばかり。


峰広明
41歳→43歳。小児科医師。慶の頼れる先輩。


吉村亮子
29歳。慶の同期の小児科医師。
浩介曰く「慶のことを狙っているのがミエミエな女性」


早坂あずさ
24→26歳。小児科の看護師。
浩介曰く「一生懸命な良い看護師さん」


山田ライト(やまだらいと)
19歳→21歳。ケニア人の父と日本人の母を持つハーフ。浩介の日本語教室での教え子だった。
現在は、父と父の奥さんと一緒にアメリカで暮らしている。
(初出は『嘘の嘘の、嘘』)


あらすじ

高校二年生の冬、無事に両想いになり付き合いはじめた慶と浩介。
(「遭逢」・「片恋」・「月光」・「巡合」・「将来」)

大学時代、浩介の母親の暴走を止めるため、浩介の両親の前では、表向きは別れたことにしたが、裏では交際は続けていた。
(「自由への道」)

 仕事のため、なかなかゆっくり会えないという不満はあるものの、幸せな日々を送っていたはずの二人。母親の束縛と真木の出現により、浩介の慶に対する思いが更に歪んだものになっていき……
(「嘘の嘘の、嘘」「その瞳に*R18」)

愛するからこそ、一緒にはいられない。そう思い詰めて、浩介は一人、日本を離れる。
(「閉じた翼」)

こうして、離れ離れになった二人の、3年間の物語。



-------------------------------

お読みくださりありがとうございました!
私が現役高校生の時に書いた「翼を広げて」をベースにした暗~い真面目なお話ですが、お付き合いいただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします!

クリックしてくださった方、見にきてくださった方、本当に、本当にありがとうございます!
有り難い~有り難い~と拝んでおりました。今後ともよろしければどうぞお願いいたします。

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へにほんブログ村
BLランキング
↑↑
ランキングに参加しています。よろしければクリックお願いいたします。
してくださった方、ありがとうございました!

「風のゆくえには」シリーズ目次 → こちら

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

BL小説・風のゆくえには~翼を広げて・エピローグ

2017年11月24日 07時21分00秒 | BL小説・風のゆくえには~  翼を広げて

【慶視点】


2012年2月


 妹の南から電話がかかってきた。

「あとからお姉ちゃんからも詳しい連絡がいくと思うけど、先に伝えていいっていうから言うね!」
「?」

 珍しくテンション高めの南。なんだなんだ?と思ったら、

「桜ちゃんが結婚するんだって!」
「えええええ?!」

 おれも叫んでしまった。桜ちゃんというのは、姉の娘だ。確か来月で20歳になるはず……

「お兄ちゃん結婚式きてね? 来月の24日」
「来月ってそりゃまた急だな」
「そうそう。お腹が大きくなりすぎちゃう前にってさ」
「お腹が大きく……って!」

 妊娠してるってことか!

「お姉ちゃん、もうおばあちゃんになるんだよ。お母さんはひいおばあちゃん。笑えるよね~」
「マジか……」

 椿姉、45でおばあちゃんか……若いおばあちゃんだな……

「お兄ちゃん、飛行機代なら出してあげるから、浩介さんと一緒においでよ」
「あー……」

 有り難い申し出に、うーんと唸ってしまう。

「そうはいっても、おれも病院あるし、浩介も学校あるからなあ」
「えー……」

 でも、せっかくのかわいい姪っ子の晴れ姿。この目で見たいなあ……

「あ、そうだ、お兄ちゃん、早坂さんって覚えてる?」
「え」

 突然の懐かしい名前に一瞬思考が停止する。

「早坂さんって、前の病院の看護師だった早坂さん?」
「そうそう。私、お兄ちゃんの病院で取材させてもらった時に、連絡先交換して、時々連絡し合ってたんだけどさ」
「え」

 全然知らなかった。
 早坂さんは、浩介を見送る時も、ついて行くと決めた時も、おれの背中を押してくれた。前の病院をなんとか穏便に辞めることができたのは、早坂さんをはじめ、周りの人達の協力のおかげだった。感謝しつつも、看護師さん達とは疎遠になっていたのに、まさか南が繋がっていたとは……

「この前、急に連絡が来てね。結婚したんだって。それでお兄ちゃんによろしく伝えてって」
「へええ……」

 早坂さんの笑顔を思い出す。あの元気いっぱいの早坂さんだったらさぞかし明るい奥さんをしていることだろう。

「渋谷先生もお幸せにってさ。私も言ってないけど、早坂さんって、お兄ちゃんの相手が浩介さんだってこと、知らないよね?」
「まあ……うん」

 彼女には、「恋人」の話はしていたけれど、まさかそれが男だとは……思わないよな。普通。

「まー、その話はまた」

 南があっさりと話を切り上げた。

「24日調整ついたら連絡ちょうだい」
「おー、ありがとな。お母さん達にもよろしく」

と、そのまま切ろうとしたのだけれども、

「あ! お兄ちゃん!」
「わっ」

 いきなり南がでかい声をあげたので、電話を落としそうになってしまった。

「な、なんだよっいきなり」

 何とか持ち直して聞くと、南は一言、いった。

「お兄ちゃん、今、幸せ?」
「は?」

 何いってんだこいつ?

「何………」
「お母さんがね、「慶は幸せにしてるのかしら?」って気にしてたこと思い出したの」
「……………」

 お母さん………
 子供の幸せが親の幸せだって言ってたな………

「だから、お兄ちゃん、今、幸せなの?」

 そう再度聞かれた時、ちょうどドアが開き浩介が入ってきた。

「あ………」

 おれが電話しているのを認めると、にっこりと微笑み、静かにキッチンの方へ歩いていく浩介。

(……………浩介)

 その後姿………心の底から「幸せ」が沸き上がってくる………

「幸せ、だよ。めちゃくちゃ幸せ、だよ」

 気持ちをこめてそう告げると、ふふふ…と南があやしげな笑いをもらした。こいつホント変わんねえ……

「じゃ、浩介さんによろしくね」
「おお」

 今度こそ本当に電話が切れた。
 リビングに戻ってきた浩介がニコニコと聞いてくる。

「電話、誰からだったの?」
「南から。お前によろしくってさ」
「やっぱり南ちゃんだったか」

 隣に座った浩介が、すいっと腰に手を回してくる。

「ね、慶、何が幸せなの?」
「あ、お前きいてたな」

 眉を寄せてみせると、えへへ、と浩介が笑った。

「聞いてたんじゃないよ。聞こえたの。ね、何が幸せなの?」
「あー………」

 愛しい頬を指でなぞりながら、じっと見つめる。

 ああ、幸せだな………と思う。

 お前がこうしてそばにいる。それだけで、溢れるほど幸せだ。

「今。今が幸せだなあって」
「慶……」

 予想通り、浩介は目をうるうるさせながらおれを見つめてくれる。そんな浩介をこの上もなく愛おしいと思う。

「浩介、お前は?」
「ん?」
「今、幸せ?」
「もちろん。だって慶がいるもん」
「………そうか」

 毎日のように繰り返される同じ会話。でもこれほど充実した日々は他にはないと言い切れる。浩介、お前といられるだけで……

「慶、大好きっ」
「なーに甘えてんだよっ」

 何年も何年も同じことを繰り返す。浩介と一緒に。

「浩介……」

 心をこめて、その愛する名前を呼ぶ。浩介がいつものように笑いかけてくれる。いつものように。

 そして、毎日が過ぎていく。浩介がおれの隣にいて、おれが浩介の隣にいて。

 浩介………浩介。いつまでも、お前と共に生きていこう。



<完>

--------------


お読みくださりありがとうございました!

1992年4月2日 A.M.1:39

当時高校生だった私が↑この日時に書き終えた物語。

原型を残しながら、肉付けしつつ、リメイクしてまいりましたが、無事にこれで〈完〉となります。
25年以上たって、私以外でこの物語を読んでくださる方がいらっしゃるなんて感無量でございます。読んでくださった皆様に心より感謝申し上げます。

クリックしてくださった方、読みにきてくださった方、本当に本当にありがとうこざいます!
今後とも何卒よろしくお願いいたします。


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へにほんブログ村
BLランキング
↑↑
ランキングに参加しています。よろしければクリックお願いいたします。
してくださった方、ありがとうございました!

「風のゆくえには」シリーズ目次 → こちら
「翼を広げて」目次 → こちら

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする