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2012年2月1日 ボリショイ・バレエ 「スパルタクス」!!!!!


記念すべき2012年2月一発目のバレエはボリショイ・バレエの「スパルタクス」!

えーと、全幕観るのって、すごく久しぶりだと思います。
10年くらいは経ってる?
あのころはブログやってなかったからなあ。。。ふるい手帳やパンフレットを観ればちゃんとしたのがわかるとは思うのですが。
ブログをやっていなかったころは、バレエやスケートやクラシックの感想などは、もっぱら友人への手紙ぶちまけていたんだよね。あの手紙、下書きとかとっておけば、今頃役に立ったのに。
ステパネンコのエギナはばっちり覚えているんだけど、そしてあのときも、アラシュのエギナを観た記憶が。
とにかくステパネンコがすごすぎて、ほかの記憶が飛んじゃってる・苦笑
アラシュを観た記憶があるのは、「ステパネンコ」が強烈過ぎて、「もうひとりの、若干大人しめの、、、でもこれがまあ普通なんだろうなあ」という感覚ですかね。クレフツォフとか、、、いたよね。
ウヴァーロフのスパルタクスってのも記憶の片隅にあるんですが、あれはガラ?
そして「ウヴァーロフ、、、、ち、違う、、、、、何かが違う、、、、」と壮大な違和感だけが残っております。
もちろんウヴァーロフが踊れてないとかじゃないんですよ、念のため。


で、今回観たドミトリチェンコ/ニクーリナ/バラーノフ/アレクサンドロワ組の「スパルタクス」。

ドミトリチェンコ/ニクーリナ/バラーノフ/アレクサンドロワ


実際、要約するとこんな↑イメージでしたがとても楽しかったです!

この日の舞台やキャスティングが、
超最高!これぞ史上最高の「スパルタクス」だ!決定版だ!!!ってのとはちょっと違うのかもしれませんが、
でもやはり、ほかのバレエ団じゃ絶対に出来ない、ボリショイだからこそできる演目なんだな、というのも実感しましたし、
ハチャトゥリアンの音楽も、グリゴローヴィチ版の「スパルタクス」も、改めて自分が大好きなんだ、と思いました。




1階の、後方の席から観たので、オケピットの打楽器さんたちもステージもほんとに良く見えて大満足!
チケットお譲りいただき、感謝しております。

ビデオで何回も観た(たぶん100回以上は観ていると思う・笑)ボリショイの「スパルタクス」ですが、
まずなんてったって、映像は指揮者のアリギス・ジュライティスのしかめっつら、そしてあの壮大な序曲からスタートするんですけども、
それとおんなじように、ボリショイ劇場管弦楽団の「これがロシアだ文句あっか!」的な有無を言わせない強烈な名演(でも決して暴走ではなく、バレエの邪魔もしないのです)に心が躍りました♪


クラッスス役はユーリ・バラーノフ。
これがまた。。。。いいとこの御曹司というか、まあ、史実ではクラッススはローマの貴族にして名将だったんですから、見てくれはきっとバラーノフが正しいのだと思います。
しかし、やっぱ、グリゴロ版(ないし、昔の映画の)のクラッススっちゅうたらば、悪人面のほうがいいに決まってます。
リエパやヴェトロフの系統としたらば、おそらく今回のメンバーだとヴォルチコフが第一キャストだというのも大納得です。
まあそんなこんなで、「スパルタクス」を上演するためにはとにかくクラッススとスパルタクス役がそろわないことには、いかんともしがたいんだろうなー、などと思いつつ。
(女のこに関しては、どこの世界も頼もしいのがそろっているから、なんとかなっちゃうんですよねぇ・苦笑)
バラーノフは冒頭の海老反りジャンプの連続から
「この男の子は果たして最後まで持つのだろうか???」とちょっと不安になるというか、
いや、下手とかじゃないんですよ、むしろ上手いんですが、そして3幕通して素直にきちっと綺麗に踊っていて、踊りのテクニック的には不満はありません。
でもボリショイのスパルタクスは、、、綺麗さより、まずもって、ハートなんだよね。
アクがなさすぎるというか、お育ちがよさそうでして、「へたれなぼんぼんなクラッスス」な感じで、なんとなく見守りモードに。
まあこれはこれで面白かったです。
王子役とか似合いそうな気がします。

ローマ兵士たちも素晴らしい群舞でした。
何度も繰り返される、ローマ軍兵士のテーマ的な振付、脚あげラインダンスみたいなあれ、前から2番目だか3番目くらいの男の子がとても素晴らしい行進で、ワクワクさせてくれました。

タイトル・ロールのスパルタクス役はパーヴェル・ドミトリチェンコ。
彼は、1幕も2幕も3幕も、幕の後半になると、彼自身のボルテージも上がっているのか、「うわ~、素晴らしい~、いいダンサーだな~」と好印象でした。
おそらく、跳んだり、回ったりってのは、イワン・ワシリエフとそんなに大差ないと思うのです。
ただ、ワシリエフの回のように「笑っちゃうくらい盛り上がった」ような拍手万来にならないのは、
ダンサーとしてのキャリアの差というか、メインロールを背負ってきた経験の差、、スターオーラなどの差だと思います。プリンシパルとソリストの差、というか。
金髪で愛らしいお顔立ちというのもあるかもしれませんが、スパルタクスを踊りこんでいったら、どうなるのかな~、と感じます。
グリゴローヴィチの振付というのは、「踊りで全てを表現する」ものだと思うので、(演技やマイムももちろん大事ですが)それこそテクニックは出来て当たり前で、舞踊=魂の表現そのものにすることがとても大変だと思います。
ドミトリチェンコは、作品に対してとても素直に正面から真剣に取り組んでいて、踊りにいやみがなくて、好印象でした。
それから、パ・ド・ドゥのサポートもすばらしかったです。上手いなあ!


フリーギア役はアンナ・ニクーリナ。アレクサンドロワと一緒だと分が悪いですが、まずまずでした。
フリーギア役はそうとうなプリマじゃないと、どうしてもエギナ役に食われちゃいますから、仕方ないのかも。
体格的には、大きすぎず小さすぎずですので、ドミトリチェンコとのパートナリングもいい感じでした。


なにはともあれ、この日の真の主役はマリア・アレクサンドロワでしょう。
ブイロワ、ステパネンコ以来の、ほ~んとに魅力的なエギナでしたね~~~~~。

いやもう、強すぎて強すぎて、マーシャがクラッススでもいいんじゃないか、ってくらいでしたもん。
1幕の酒池肉林場面、アレクサンドロワが出てくるまでは、
「な、なんて色気のかけらもない、健康的な酒宴場面」と不安になり、
ダンサーのみなさん、とても上手なんですが、ええと、ぶっちゃけ、綺麗な運動会になっちゃてたんですけども、
マーシャが出てきてようやく乱痴気騒ぎっぽくなりましたもんねぇ。

全幕通して、踊りでも演技でも他を圧倒しまくり。妖艶さも、気高さも、ほどほどに上手く融合した誇り高いエギナでした。

凄い、の一言です。女って強えなあ。


スパルタクス軍のなかで、ちょっぴり好みのダンサーがいました。
また彼を観てみたいです。

わたしが、主要人物たち以外の踊りで一番好きなのは、アッピア街道の場面、
羊飼いたちとスパルタクスの仲間が合流して奴隷蜂起というか、決起するところですね、あそこ、大好きなんですよ。

1幕のあとの休憩では、お友達と
「こんなに健康的で爽やかな綺麗なスパルタクスで、果たして羊飼いの場面は大丈夫なんかいな」と喋っていたのですが、あにはからんや、大迫力で素晴らしかった!羊飼いブラボー!
(誰が誰だか判別できないけど)

男性コール・ドのみなさん、これを3日続けるのはさぞかし大変だったと思いますが、
大迫力のこれぞボリショイ、という踊りに感謝しています。
「ライモンダ」のマズルカとハンガリー、サラセンやスペインにめちゃ期待しています!


グリゴローヴィチの振付・演出には批判もありますが(たとえばポワント重視だとか、マイムや演劇を排除しすぎだとか)、こういう「踊りで全てを表現する」ことが可能だったのって、ボリショイという最高の楽器(ダンサー)が居たからだと思うんですよね。
中でも「スパルタクス」という作品は、圧倒的な群舞の迫力と、歴代の主要4組を彩ってきた名舞踊手の力に負うところが大きいと思います。
今のソリストたちも、ハングリーはハングリーだと思いますが、
やはり昔のそれと比べると、社会的背景も違いますし難しいものもあると思います。
以前のようにひとりのアレクサンドロワの後ろには、100人のアレクサンドロワが控えていた、みたいな状況ではないでしょう。ソ連全土から優秀な人材を集めてきて、できなきゃ代わりはいくらでもいる、ポイ、っていう時代ではないのですから。
でも、今のような世の中でも、おうちの人の願いや、自分の願いで、プロのダンサーを志して、こうしてボリショイで踊っているダンサーのみんなには、誇りをもって、自分たちのバレエに取り組んでほしいし、
我々観客はその恩恵を大いに被りたいものなのですよね。だって、あんなふうに踊れるって、やはり選ばれた人たちにしかできない、素晴らしいことなんですもの!

今の現役のダンサーで「スパルタクス」で納得な人って、どうしても限られてしまうと思うのですね。
これはそういう作品だから、仕方ないとは言え、、、、イワン・ワシリエフは移籍しちゃったし、
デニス・マトヴィエンコやカルロス・アコスタはまだ当分踊れるでしょうが、ボリショイの人ではないですし。
グリゴローヴィチの「スパルタクス」はボリショイでなくちゃ駄目なんです。
ボリショイの中から、スパルタクスとクラッススがちゃんと育ってくれないと、と切に願います。
いやだから、ウヴァーロフみたいな、名ダンサーでも「キャラじゃない」ってのありますからね、ほんと、難しいんですけどもね・・・
これからも素晴らしいダンサーが名演を繰り広げて、受け継いでいって欲しい作品だな、と思います。











The Bolshoi Ballet & The Bolshoi Theatre Orchestra
初演:1968年4月9日
2012年2月1日(水) 18:30~21:35
スパルタクス
全 3 幕 12場、9つのモノローグ
台本:ユーリー・グリゴローヴィチ
ラファエロ・ジョヴァニョーリの小節と古代史に基づく。ニコライ・ヴォルコフのシナリオを使用。


音楽: アラム・ハチャトゥリアン
振付: ユーリー・グリゴローヴィチ
美術: シモン・ヴィルサラーゼ
音楽監督・共同制作: ゲンナージー・ロジェストヴェンスキー
指揮: パーヴェル・ソローキン
管弦楽: ボリショイ劇場管弦楽団

スパルタクス(剣奴、反乱の指導者) : パヴェル・ドミトリチェンコ
クラッスス (ローマ軍の司令官) : ユーリー・バラーノフ
フリーギア(スパルタクスの妻) : アンナ・ニクーリナ
エギナ(娼婦、クラッススの愛人) : マリーヤ・アレクサンドロワ
剣奴: アントン・サーヴィチェフ
道化役者たち: チナーラ・アリザーデ、アンナ・オークネワ、
マリーヤ・ヴィノグラードワ、マリーヤ・ジャルコワ、
ヤニーナ・パリエンコ、アンナ・レベツカヤ、
バティール・アナドゥルディーエフ、アレクセイ・マトラホフ
エゴール・シャルコフ、アレクサンドル・プシェニツィン
3人の羊飼いたち: ディミトリ・ザグレービン、デニス・メドヴェージェフ、
アレクサンドル・スモリャニノフ
4人の羊飼いたち: アレクサンドル・ヴォドペトフ、エフゲニー・ゴロヴィン、
ウラディスラフ・ラントラートフ、デニス・ロヂキン
羊飼いの女性たち: スヴェトラーナ・パヴロワ、ダリーヤ・コフロワ、
ジュ・ユン・ベ、クセーニャ・プチョルキナ、
ユリア・ルンキナ
娼婦たち: アンナ・レベツカヤ、アンジェリーナ・ヴォロンツォーワ、
マリーヤ・ジャルコワ、アンナ・オークネワ、
ユリア・グレベンシコーワ、クリスティーナ・カラショーワ、
ヤニーナ・パリエンコ



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ローザンヌ国際コンクール2012  PRIX DE LAUSANNE 2012


40Th INTERNATIONAL BALLET COMPETITION 
PRIX DE LAUSANNE 2012
ローザンヌ国際コンクール2012が開幕しています。ローザンヌ国際コンクールの公式サイト


今日は現地時間午後3時から決戦の模様がライブストリーミングで配信されます。こちら
(日本との時差はマイナス8時間)
英語・フランス語・日本語・スペイン語での放送が予定されていますが、日本語版のコメンテーターは上野水香さん。
水香ちゃんが受賞したのは1993年ですが、あれからもうずいぶん経ちましたね~。
わたしは未だにあのときの彼女のオーロラの煌きを忘れることができません。

すでにコンクールは始まっていて、いろいろなメディアでとりあげられています。
ローザンヌ国際コンクールの公式サイト
ダンスキュープ

コンクールの模様は毎年NHKでの放映を楽しみにしていますが、わたしのテレビはもはやDVD、LD、CS放送を映すことしかできないので、母親のテレビで録画するしかない・・・。


40周年記念ガラもそうそうたるメンバーですが、斎藤亜紀ちゃん(1991年受賞)とかも若手と思っていたのに、もうすっかりベテランさんなんですよね。そして年長者として、リーン・ベンジャミン(1981年受賞)が、トーマス・ホワイトヘッドと出場します。
由姫ちゃんと平野くんてのも魅力的。
わたしの知人の娘さんは、ローザンヌの由姫ちゃんを見て、プロのダンサーを目標に定めたのですが、
その彼女ももうセミプロとして踊っているわけですから、月日が経つのは早いもんです。

個人的に、リーンが出るってのは、、、ものすごく観に行きたい!!!!
さっきまでは、明日のボリショイの名古屋公演に駆けつけたい気持ちでいっぱいだったんだけども(笑)、
リーンの魅力には適わないわ~。
どっちも観に行かれませんけども(苦笑)


今日明日は連休なので、実は名古屋のスパルタクスを観に行こうかとも思っていたんですよ。
もともとイワン・ワシリエフを観るなら「スパルタクス」だろう、
いや逆か、「スパルタクス」を観るならイワン・ワシリエフでしょう、かな?
それで、どうせなら、大きい舞台がいいなー、名古屋の芸術劇場だよなー(客席やホワイエに関しては不満ですけどもね)と、当初は思っていたのですが、ぼやぼやしているうちに、買いそびれていました。。。
(ここらへんが、ワシリエフの超大ファンだったら、速攻で前売り買っていたと思うんですけどねー。ははは。)

しかしぃ。
先日の2月1日に、東京の「スパルタクス」を観た帰り、、、、夜行バスで翌朝4:30に静岡に着いて、家へ帰る途中、、、、自転車で転んじゃってね。

痛いのなんの。まあ、冬で厚着してたから、切り傷とかはないものの、いろんなところを打ち身。

そして、2日の夜は仕事終えて帰宅して、お風呂に入ったらまた寝ちゃってねえ。
この冬一番の冷え込みだってのに、自殺行為もいいところです。

こりゃーまずい。仕事面でもグループ研究の発表会が近づいていて、その研究活動って、自己の時間を使って行うから、休みもけっこう埋まっちゃっててるのですね。

ちうわけで、明日のボリショイは自粛。(そのかわり「ライモンダ」は観に行きます。)
ボリショイのスパルタクス&ワッシーを観るチャンスはもうこれが最後だと思いますが、
なにぶん、身体がもたない。

それに明日は家族でココちゃんのお墓参りに行こうかね、(わたしの休みがめずらしくみんなと合っているし)ということになりました。

昨年末に、とあるお寺の共同ペット墓地に納骨したんですよ。
これが、藤枝の親戚のおうちみたいに、広大な自然にかこまれたお家だったら、
大きな木の根元とか、好きだったお花畑とかに埋めてあげたいなー、なんて思っていたんですが、
今の家は、持ち家なんですけども、大自然の中にあるわけでもないし、我々家族がいつまでここに居続けるかわかりませんし。
お寺さんだったら、いろんな人がおまいりに来るから、さみしくないよね、って思います。








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