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"Evolution" Noiseworks

 

今回はオーストラリアのバンド、ノイズワークス Noiseworks の4枚目のアルバムEvolution についてです。

このアルバムは故スチュアート・フレイザー(チェット)に捧げられていますが、私もチェットに心でお別れをしたいと思いつつなかなか書けませんでした。

"EVOLUTION" Noisewors 4th album Dedication: "In memory of our brother, Stuart Fraser"

クレジットにあるとおり、このレコーディングにはオリジナルメンバーのジャスティン・スタンレー(キーボード)は参加していません。

 

ノイズワークスはこちらのN is for ”NOSEWORKS”!!!! の記事でも書きましたが、1986年デビューのオーストラリア、シドニー出身のロックバンドです。

オリジナルメンバーは

Jon Stevens/ジョン・スティーヴンス ヴォーカル

Stuart Fraser/スチュアート・フレイザー ギター

Steve Balbi/スティーヴ・バルビ ベース

Kevin Nicol/ケヴィン・ニコル ドラムス

Justin Stanley/ジャスティン・スタンレー キーボード、ハーモニカ の5人組。

ノイズワークスは1992年から無期限活動休止という名のほぼ解散状態だったのですが、1999年にジョン、ケヴィン、チェットと集まってセッションをした以降、バルビも加わって単発でなにがしかのイベントに参加したりしていました。(ジャスティンの不参加は中が悪いとかではなく、単にアメリカを拠点としており、自分の仕事が忙しかったせい。というか、ジャスティンとバルビはローティーンの頃から仲良しこよしなので、そのうちエレクトリック・ヒッピーズとしてもまた何かやってくれるでしょう。)

 

2007年に、ジャスティン・スタンレー以外のオリジナルメンバーで再結成しオーストラリア・ツアーを敢行。その後、"Stone Fest in 2013"では新曲の”Let it Go”もお目見え。

92年に活動休止するさいに、彼らはベスト盤をリリースしますが、その中でBeatlesの’Let it be’をカバーしており、それが彼らのいわゆる「白鳥の歌」とされていたので、長年のファンは”Let it Go”に歓喜。

2016年の" Red Hot Summer tour" では 'Let it Go'以外にも‘Stand Up’, ‘Heart and Soul’  ‘Low’がセットリストに上がり、2016年~2017年には新しいアルバムが発売されるはずでしたが、さまざまな事情で延期となっていました。

最も大きな理由は、チェットの2016年からの癌治療のため、そして2019年の彼の死なのですが、ようやく彼の死から約3年後の2022年11月11日、16年ぶりに新しいアルバム "Evolution"がリリースされました。

 

ベーシストのスティーヴ・バルビが昨年の4月にようやくアルバムのリリースと、それからツアーを行う情報を伝えてくれました。ソースはこちら

50 Years of Imagine with Steve Balbi, the Noise11.com interview

動画の中の9分45秒あたりにアルバムとツアーについて語っています。

このインタビューはジョン・レノンのアルバム「イマジン」の50周年にちなんでのコンサートと、バルビのソロアルバムについてがメインなのですが、そこでちゃんとノイズワークスの発売延期になっているアルバムについて訊いてくれて、ありがたや~~~。「ノイズワークスのアルバムについて質問しないのは心残りでさ、、、聞いちゃうぜ!」みたいな、申し訳なさそうなポーズしつつも、してやったり感がありあり。インタビュアーのおじさん、ありがとう!

「バンドにとって、このアルバム発売とツアーはチェットに正式にお別れをするためにとても大事なことだ」「このレコーディングに対する彼の貢献に敬意を」と語っていますが、

フェアウェルツアーなり、アルバムにしろ、ファンにとってもすごく大事なことよね。。。。

それにアーティストにとって、作品が日の目を見ないのは残酷すぎるよ。

あと、収益はチェットの娘さんたち(3人の可愛い女の子たち。そのうち一人、オリヴィアは2016年のツアーでステージで一緒にプレイ)に寄付するんだとか。

 

 

HEART & SOUL | NOISEWORKS 2022 2022年8月 先行リリースされていたシングル ハート & ソウル

 

2022年11月~2月にオーストラリアで行ったライヴツアーにはようやくジャスティン・スタンレーも参加。

ハート&ソウルのプロモを見てもしかしたらと感じておりましたが、キーボードではなく、ギターで参加です。おぅぅぅ。

ツアーのサポートは、キーボード:トニー・フェザーストーン ギター:アーウィン・トーマス、ジャック・ジョーンズ

 

 

アルバムのEVOLUTIONの感想としては、素直なロック。正しいロック。これをとても好ましく感じました。

これこれ、こういうのを待っていたんだよね、って。

トータル34分は短すぎじゃないか、というレビューもあります。

逆に34分の短さは、最後の曲、チェットの死に捧げている1分に満たない、静かなインストゥルメンタルのTouch(Epitaph)を聴いた後にもう一度アルバムを聴き直したくなるちょうどよい長さだ、という評もあります。

ただまあ単に、チェットの生前に一緒に作っていた音源以外にほかの曲を足さなかったから、こういうランニングタイムになるんじゃないのかな。

アルバムが出た時のスティーヴ・バルビが、ノイズワークスのインスタグラムによせたコメント

The thing that I enjoyed most about producing the latest Noiseworks record was recording guitar with my dear friend Stuart Fraser. I know Stuart was proud of this record and he would be thrilled to know that it's finally been released. Always in my heart, love you and miss you..." Xs.

引用元はこちら→https://www.instagram.com/p/Ck9_UHpS-C4/

こういうのもあるし、去年のツアーの前のインタビューもあって、ファンの間では、もうしばらく新作は出ないだろうし、おそらくこの4枚目がノイズワークスの最後のアルバムになるだろうという悲観というか諦観があります。

ただまあ、ライヴ自体は続けてくれる、、、と信じたいですね。

ツアーはやってくれてるし、今後も彼らが音楽をやめることはないと思うので、ジャスティンが毎回参加するのは難しいかもしれませんが、時々はライヴはやってくれると、、祈ってるよーーー。もしかしたら、新生ノイズワークスとして、新しい何かが起こるかもしれない。ないかもしれない。最後までつきあうよ。

 

私はこのアルバムは年明けに入手しました。一応ノイズワークスの公式からCD盤を買ったので、手元に来たのは2023年に入ってからです。

最初は聴くだけで「もうチェットの奏でる音は二度と聴けないんだ」「これがほんとのほんとに最後なんだ」と胸がいっぱいになったものでしたが、最近は時が薬といいますけども、心の余裕もできたのか「もうちょっと聴きたいな。34分あっちゅう間だな。」みたいな欲深なワタクシ。

だめだねぇ。謙虚さはどっかへ行ってしまった。

 

1 Heart & Soul
Guitar [Additional] – Jack Jones
Mastered By – Paul Gomersall
Mixed By – Shane Rae

シングルとして8月15日に先行リリースされたHeart & Soul は PV撮影の様子をオフィシャルとかスティーヴィ・バルビがばんばんあげてくれていたのですが、

そこでようやくジャスティンがいる~~~!と嬉しくなったのでした。

(ジャスティンがオーストラリアツアーに参加するってんで、アメリカのご家族はちと淋しそうでしたが、ごめんね。。。)

とういか、ジャスティン、すっかり髭もじゃ親父になってしまって、胡散臭いですが、昔のちょっとかっこよすぎる姿の時はワタクシは直視できなかったんで、これぐらいのもっさりがちょうどいい。そうですよ、一応フェアウェルツアー的な意味合いもあるのだから、ジャスティンも参加してくれなくちゃね。

ジョン・スティーヴンスのヴォーカルは、若いころよりも、今のほうが上手いというのがもっぱらの評判。

私は3枚目のアルバムの頃の歌い方が一番好きなのですが、声は年齢を重ねた今が一番いいのかなあ。このハート&ソウルに至っては、ここ数年で一番いいんじゃないの?と感じました。

パンチがあってほどよくキャッチ―で爽快でいい曲です。

 

HEART & SOUL | NOISEWORKS 2022


 2 Amerika

5年くらい前には出来上がっていたんですが、世界を調和に戻そうとする希望のメッセージソング。

「私たち皆が仲良く、一緒に立つことができる、より良い場所をつくるのは、あなたと私にかかってる」みたいな歌。

It’s up to you and me to make a better place, where we all got along and we could stand together.

(※歌詞は聴き間違いだったらすみません)


 3 Stand Up

Stand up jon stevens Noiseworks Bendigo racecourse March 26th 2016

こちらは2016年のライヴ映像から。ここからが長かった。。。。待ったよ、ほんとに。

3rd.アルバムの世界が好きな人にはドンピシャでしょうぞ。

正しいロック道でござるよ。

 

 4 Long Way
 とっても優しいピアノの音のオープニングとジョンの”I still got a long way to go”のシャウトが切ないパワーバラード。

個人的にはこれはアコースティックでも聴いてみたかった曲

 5 Sunshine

"All wars begin and end with pain and suffering but time moves on"(※歌詞は聴き間違いだったらすみません)

これまた明るくキャッチーなポジティブなメッセージソング。「すべての戦争は痛みと苦しみで始まり、痛みと苦しみで終わるが、時間は進む。」

バルビのコーラスがまたいいんですよねぇ。

 6 Low

どの曲も素敵だなあと思うのですが、このLowと次のOne in a Millionの流れが最高です。

Lowはちょっと、いやかなり感動してしまった。

あとは音の構成とか、アレンジとがいい。よけいにジョンの歌に感動してしまう全体的な流れになってて、涙が出てきてしまう。

その感動からするとOne in a Millionはちとあっぱれすぎるほどエモーショナルというか、盛り上がっちゃうんだけども。

ちと怒涛すぎる気もしなくもない。

 7 One In A Million
 8 Let It Go

Noiseworks let it go

 

こちらは13年前のライヴ映像。アップした方のいうとおり、映像はともかく、音は奇跡的に綺麗にとれてます。ありがたや。

曲の終盤の癒されるコーラス部分は完パケのアルバムのほうで味わえます。

9 Ocean Girl

ほんとの意味でのアルバムラストの曲は夢見るバラード。

10 Touch (Epitaph)

こちらはおそらく、スティーヴ・バルビのシュールバージョンのBlack Rainbow アルバムに収録されたタッチと同じ音源だと思うのですが、epitaph(墓碑銘)としてアルバムラストに置かれています。1分足らずのインスト曲にバルビのAll need is loveが添えられています。

 

アルバム全体は、非常に明るく光と希望に満ちたメッセージにあふれていると思います。

すごく前向きでみんなにおすすめできる1枚です。

私はCDで欲しかったのと、公式からのアナウンスがあったので、そっちから輸入しましたが、ブックレットとかは全然凝っていないし、歌詞もついてないですからね、CDで残したいという人以外はダウンロードでいいと思います。

 

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