ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

ゲットだぜ!始めたものだけが貰えるご褒美。

2015-02-10 20:03:06 | Weblog
それはやめておいた方がいい。とか。
もう少し練ってから始めた方がいい。とか。
そんなんじゃ失敗しちゃうよ。とか。
相変わらず計画がメチャクチャだなぁ。とか。
むりむりむーりー。とか。
バカバカばーかー。とか。
新しいことを始めようとする時や、大きなことに挑戦しようとする時には、決まってそんな声がかかるものだ。

でも、わかるんだな。でも、わかっちゃうんだな。
新しいことを始めたことのある人や、大きなことに挑戦したことのある人には、わかっちゃうんだよ。
「失敗するかもしれないし、成功するかもしれない」

始めなければ失敗も成功も出来ないが、始めれば失敗か成功が出来る。宝くじは買わなきゃ当たらない、と同じロジック。

しゅうちゃんは、ひらめきの人である。アイディアと発想の人である。その分、緻密さと計画性に欠ける。漠然という名の大きな丼を両手に持って荒野を彷徨う・・・そんな人である。
話を聞いていると、時々ほとほと心配になる。
こちらの心配をよそに、しゅうちゃんは至って意気揚々である。

今回は、ミュージカルとカフェを始める話を聞いた。アイディアではない。もう始まった計画である。
ミュージカルに関しては、ホールを押さえてあるという。カフェに関しては、テナントの契約を済ませたという。

しかし、つくづく面白い。目をキラキラさせながら計画を話すしゅうちゃんは素敵だ。でも、端から見ていると、全てが杜撰だ。呆れるほど杜撰だ。
でもまぁ、僕は、しゅうちゃんが決めることや始めることには、滅多なことでは反対はしない。
なぜなら、先にも述べたように、何かを始める者には成功する可能性が付き纏うからだ。どんなに杜撰でも、どんなに適当でも、どんな素人でも、成功の美酒に酔い痴ることが出来る。そんな可能性に満ちている。それが、僕たちが住むこの世界だ。

でもまぁ、心配は心配だ。しゅうちゃんはシンプルANDイージーの人だから。
僕は、ただ単純に背中を押すことなどしない。
僕は、僕が思いつく注意事項やチェック項目や、なんやかんやをしつこいほど確認する。うるさいほど言い尽くす。思いつく限りのことを進言する。

しゅうちゃんは頷いたり、落ち込んだり、怒ったり、凹んだり。
でもね、僕が思うに・・・僕の言うことなんて一つも聞いていないんだね。ははは。
僕の言うことなんて全部無視して、シンプルANDイージーに物事を進めていくんだね。ははは。

僕はね、しゅうちゃんが仮に失敗したとしても、「だから言ったじゃん」とか「なんで言うこと聞かなかったの?」とか言わないんだよ。そんなことは言ったことがない。

僕がいつも、なんやかんや言うのは、そのなんやかんや言うことで、背中を押しているつもり。頑張れよ!って言っているつもり。だから、その内容には、大して意味なんてない。

しゅうちゃんもきっと分かっているんだろうなって、僕は思う。
いつも最後は「頑張るよ、ありがとな」と言って去っていく。

楽しみだなぁ、ミュージカル。
楽しみだなぁ、福島初のアイドルカフェ。

しゅうちゃんとピカチュウ。

2015-02-10 01:39:30 | Weblog
昔の話。

しゅうちゃんと職場で知り合って、しゅうちゃんは一回仕事を辞めた。まだちょこっとしか仲良くなかった頃のこと。

しゅうちゃんが仕事を辞めてから少しして、僕はしゅうちゃんの家を訪ねた。例のオンボロ過ぎる昭和の貧乏長屋である。
なぜ長屋を訪ねたかというと、しゅうちゃんが辞め際に、僕にこう言ったからである。
「お菓子のおまけのポケモンシールが貯まったら、家に持ってきてくれな」

貧乏長屋にはピンポンなどない。なかったような気がする。イメージかもしれない。
ノックをしたら拳が向かう側に突き抜けそうなドアみたいなやつをノックしてみた。ドンドンドン。返事はない。ドンドンドン。返事はない。あれぇ...いないのかなぁ。

諦めかけた時、ガチャリとドアが開いた。しゅうちゃん!ポケモンシール持ってきたよ!とドアの中を覗く。

そこには、それはそれは、おぞましい光景が広がっていた。
昼間なのにカーテンが引かれ、部屋の中は薄暗い。なんだか、ゴミみたいな家具みたいなゴミみたいなものやなんやかんなが部屋中に散乱している。扉を隔てた別世界。

そして、扉を開けたしゅうちゃんの顔はしゅうちゃんではないような気がした。なんか、しゅうちゃん、顔が変わっちゃった。。。。。

顔が変わっちゃった怖い顔のしゅうちゃんは、おぉ、何?あぁ、ちょっと待って・・・と言って中へ戻った。
そして、ちょっとして、中は入れよぉ!と中へ呼ばれる。

ポケモンシールだけ置いて、走って逃げるべきなんじゃないか・・・と、本気で思った。だって、しゅうちゃんは顔が変わっちゃったんだもん。
でも、あの怖い顔で追いかけられたら、怖すぎてつまずいて転んで・・・逃げ切れる自信がない。

仕方なく薄暗い部屋へと足を踏み入れると、薄暗がりの中に、顔が変わっちゃった怖い顔のしゅうちゃんと、寝起きで髪の毛があっちこっちに跳ねまくった、普通の顔のしゅうちゃんがいた。あれ?あれ?しゅうちゃんが二人いる。

ぽ、ぽ、ポケモンシール、も、も、持ってきたよ。

暴走族にカツアゲをされる中坊のようなビビリ具合で、怖くない顔の方のしゅうちゃんにポケモンシールを渡す。
怖くない方の顔のしゅうちゃんは、おぉ、と一言言ってポケモンシールを受け取ると、ぞんざいにそこらへんに放る。
怖い顔の方のしゅうちゃんは、全てに興味がなさそうに、タバコの煙を薄暗闇に向けて吐き出している。

ちょー怖いけど、おれ、頑張った。頑張ったけど、ちょー怖いからすぐに帰った。

あとから聞いたんだけど、怖い顔の方のしゅうちゃんは、実はしゅうちゃんではなく、しゅうちゃんの友達だった。
その友達ってのは、今や世界で10本の指に入ろうかという、日本が誇る大画家てんみょーやひさし。

関係ないけど、僕の知り合いのエムって人は、画家志望の女の子を見つけると、「おれ、てんみょーやさんの知り合いだよ」と、古典的なナンパをしたりしているんだよ。大体の画家志望の女の子は、ちょっとだけ靡くらしいよ。

しゅうちゃん、おれがあげたポケモンシール、まだ持ってるかなぁ。