しゅうちゃんを始めて見たのは(会ったのは、ではない)、午前2時の職場の食堂。
ちょっと太っていて、あごひげをながーく伸ばしていた。聖徳太子みたいに、あごひげをながーく伸ばしていた。
「あの人、オウム真理教の麻原彰晃みたいだね?」「ほんとだね、あの人、オウム真理教の麻原彰晃みたいだね」と、知り合いのエムと話していた。
それからだいぶ時間を空けてから、僕はしゅうちゃんと出会うわけなのだが。ある時しゅうちゃんに聞いてみた。
「ねぇ、なんでさぁ、あの頃、麻原彰晃の人間モノマネをしていたの?」
しゅうちゃんは言う。
「ばかやろー、麻原彰晃の人間モノマネじゃねえし。格好いいと思ってやってたんだよ!」
「まぢで!?そうなの?格好いいと思ってたの?うそでしょ?衝撃!ディープインパクト並みの衝撃!」
どう考えたら、聖徳太子のながーいあごひげを伸ばすことが格好いいと想えるのだろうか?と思いながら僕は聞く。
「じゃあさ、なんで、その格好いい麻原彰晃の人間モノマネをやめちゃったの?」
しゅうちゃんは言う。
「それはな、母親に『あんた、麻原彰晃に似てるわね』って言われてショックだったからだよ、ばかやろー」
なんて面白い人なんだろうか。ありえない、ありえない。
キーワードは「変わり身の速さ」である。
あれ?キーワードは「革命」だったような気が・・・。
そんなわけで、僕は変わった、という話。
僕が思うに、僕は大して変わっていない。大して変わってはいないが、革命的な変化を遂げたという話。
なぜなら、しゅうちゃんに「しんぐは変わったな」と言われた時に、『自分が変わった』ことに気づいてしまったから。
変わったね、と言われることはしばしばあると思う。誰しも、しばしばあると思う。でも、それは表面的なことだったり、表面的なことだと捉えてみたり・・・そういう場合、「変わったね」と言われることに深い意味はない。ちょっと意味はあるが、それほど深い意味はない。
そもそも、根本が変わることなんて、そうそうないことだろう。と思う。根本が変わったことを認めるなんてこと・・・根本が変わったことに気づくことなんて・・・。ね。
僕は、ストイックに生きてきた。僕がたどり着きたい場所へ向かう道には、厳しさだけがあればいいと思っていた。
眠らなくても平気だし、金がなくても平気だし、ひとりぼっちでも平気だし、嫌われたって平気だし・・・。
ただただ、自分は自分のためにひたすらに頑張っていればいいんだと、頑なに信じて実践していた。僕は、きっと、ストイックに生きていた。
すぐつづく。
ちょっと太っていて、あごひげをながーく伸ばしていた。聖徳太子みたいに、あごひげをながーく伸ばしていた。
「あの人、オウム真理教の麻原彰晃みたいだね?」「ほんとだね、あの人、オウム真理教の麻原彰晃みたいだね」と、知り合いのエムと話していた。
それからだいぶ時間を空けてから、僕はしゅうちゃんと出会うわけなのだが。ある時しゅうちゃんに聞いてみた。
「ねぇ、なんでさぁ、あの頃、麻原彰晃の人間モノマネをしていたの?」
しゅうちゃんは言う。
「ばかやろー、麻原彰晃の人間モノマネじゃねえし。格好いいと思ってやってたんだよ!」
「まぢで!?そうなの?格好いいと思ってたの?うそでしょ?衝撃!ディープインパクト並みの衝撃!」
どう考えたら、聖徳太子のながーいあごひげを伸ばすことが格好いいと想えるのだろうか?と思いながら僕は聞く。
「じゃあさ、なんで、その格好いい麻原彰晃の人間モノマネをやめちゃったの?」
しゅうちゃんは言う。
「それはな、母親に『あんた、麻原彰晃に似てるわね』って言われてショックだったからだよ、ばかやろー」
なんて面白い人なんだろうか。ありえない、ありえない。
キーワードは「変わり身の速さ」である。
あれ?キーワードは「革命」だったような気が・・・。
そんなわけで、僕は変わった、という話。
僕が思うに、僕は大して変わっていない。大して変わってはいないが、革命的な変化を遂げたという話。
なぜなら、しゅうちゃんに「しんぐは変わったな」と言われた時に、『自分が変わった』ことに気づいてしまったから。
変わったね、と言われることはしばしばあると思う。誰しも、しばしばあると思う。でも、それは表面的なことだったり、表面的なことだと捉えてみたり・・・そういう場合、「変わったね」と言われることに深い意味はない。ちょっと意味はあるが、それほど深い意味はない。
そもそも、根本が変わることなんて、そうそうないことだろう。と思う。根本が変わったことを認めるなんてこと・・・根本が変わったことに気づくことなんて・・・。ね。
僕は、ストイックに生きてきた。僕がたどり着きたい場所へ向かう道には、厳しさだけがあればいいと思っていた。
眠らなくても平気だし、金がなくても平気だし、ひとりぼっちでも平気だし、嫌われたって平気だし・・・。
ただただ、自分は自分のためにひたすらに頑張っていればいいんだと、頑なに信じて実践していた。僕は、きっと、ストイックに生きていた。
すぐつづく。