おぐちゃんがRCサクセションの大ファンでね。雨上がりの夜空に・・・かっこいいよねぇ。
てことで、僕らは、あぁでもないこうでもないと、バンドスコアっていうバンド用の譜面を見ながらやっていたわけ。
ヤナギがさ、アコギの癖にさ、チャボのギターパートをやりたいって言い張ってさ、おれはまぁ、我が強い方でもなかったから、「いいよ」って言っちゃったわけ。
チャボのパートはかっこいいんだよ。でも、ヤナギのアコギなの。
で、チャボじゃない方のパートは、ポペポぺポペポぺ ポペポぺポペポペっていう、なんだかお散歩しているようなフレーズなの。エレキなのに。グレコのリッケンバッカーなのに。ポペポぺポペポぺって。
そりゃあないっすよぉ!ヤナギさん!と言いたかったんどけど、「ま、いっか」ってね。
ヤナギは、逆に偉いと思う。だって、ディストーションもオーバードライブもかけていない「アコギ」で、チャボのキメのパートを弾こうとしちゃうんだからさ。
まぁ、なんでもありの中学三年生ってことで。
そんでもって、そこに入った女子三人組。通称オグーズ。
まぁ、色々ある。
オレとヤナギは、「こいつら、なんでいるんだ?」と思っていたし、オグーズはオグーズで、「なんであたしたちはここにいるのかしら?」って思っていただろうし。
で、予選会が近づいていた。文化祭のステージの予選会。
予選会は一曲。
そりゃあ、雨上がりの夜空に、でしょ。だって、それしか練習してないし。もう時間ないし。選択の余地はないっしょ?
ボーカルのバーチーはこう言った。
「あたし、この歌歌えない。歌いたくない」
選択の余地はないっしょ?だって、これしか出来ないんだから、うちのバンド。ないっしょ?ないっしょ?予選会は目前でしょ?
選択の余地はあった。あったのだ。
《バーチーが歌わない》という選択が。。、
前代未聞、空前絶後の選択である。中学三年生のやることはわからない。読めない。意外性がありすぎる。バカすぎる。バカバカバカ。もう嫌だよ、中学生。
「あたし、歌わないし、予選会とか出ないし」
かくして、我がバンドはボーカル無しの「雨上がりの夜空に」一発で、鬼の予選会へ臨んだのである。
そんなのある?
おれは・・・無しだと思う。
すげーな、バーチー。
つづく。
てことで、僕らは、あぁでもないこうでもないと、バンドスコアっていうバンド用の譜面を見ながらやっていたわけ。
ヤナギがさ、アコギの癖にさ、チャボのギターパートをやりたいって言い張ってさ、おれはまぁ、我が強い方でもなかったから、「いいよ」って言っちゃったわけ。
チャボのパートはかっこいいんだよ。でも、ヤナギのアコギなの。
で、チャボじゃない方のパートは、ポペポぺポペポぺ ポペポぺポペポペっていう、なんだかお散歩しているようなフレーズなの。エレキなのに。グレコのリッケンバッカーなのに。ポペポぺポペポぺって。
そりゃあないっすよぉ!ヤナギさん!と言いたかったんどけど、「ま、いっか」ってね。
ヤナギは、逆に偉いと思う。だって、ディストーションもオーバードライブもかけていない「アコギ」で、チャボのキメのパートを弾こうとしちゃうんだからさ。
まぁ、なんでもありの中学三年生ってことで。
そんでもって、そこに入った女子三人組。通称オグーズ。
まぁ、色々ある。
オレとヤナギは、「こいつら、なんでいるんだ?」と思っていたし、オグーズはオグーズで、「なんであたしたちはここにいるのかしら?」って思っていただろうし。
で、予選会が近づいていた。文化祭のステージの予選会。
予選会は一曲。
そりゃあ、雨上がりの夜空に、でしょ。だって、それしか練習してないし。もう時間ないし。選択の余地はないっしょ?
ボーカルのバーチーはこう言った。
「あたし、この歌歌えない。歌いたくない」
選択の余地はないっしょ?だって、これしか出来ないんだから、うちのバンド。ないっしょ?ないっしょ?予選会は目前でしょ?
選択の余地はあった。あったのだ。
《バーチーが歌わない》という選択が。。、
前代未聞、空前絶後の選択である。中学三年生のやることはわからない。読めない。意外性がありすぎる。バカすぎる。バカバカバカ。もう嫌だよ、中学生。
「あたし、歌わないし、予選会とか出ないし」
かくして、我がバンドはボーカル無しの「雨上がりの夜空に」一発で、鬼の予選会へ臨んだのである。
そんなのある?
おれは・・・無しだと思う。
すげーな、バーチー。
つづく。