閃き

変化も気付く事も無い平凡な毎日の中にきっと閃きがあるはず。閃きを求めた記憶

優しい街

2014-10-31 08:10:00 | 閃き
出張先の駅に着いたのは夜遅くなっていた

ホテルで夕食を摂る為に駅近くのコンビニで買い物をした

客先からのリクエストお土産の大袋と鞄を下げて移動するのは辛い


ホテルに着いた時、客先から伝言があり、バーに来いと言う

ホテルに着いて部屋に入る間もなくバーへ

約1時間でお暇した


部屋に入り荷物を解いて気付いた

お土産が無い


思い返すと、あの駅のコンビニだ

慌ててホテルを飛び出しタクシーを拾って駅のコンビニへ


願う気持ちで店内に入り店員さんに尋ねた

「在りますよ」

天使の声だった


コンビニのお湯ポットの脇に何気無く置いて忘れたのだった

刹が無い世の中だが、感謝の気持ちで一杯だった


お土産は無くしたからといっても補充出来ないから金額の問題ではない

明日、受け取った客先の喜ぶ顔を想うとホッとする


タクシーの運転手さんの噺では、無くした財布が出てきたという

どうやら、この街は心優しい住民の街な様だ


何だか心優しい気分になってきた

優しい気持ちは伝染するのだろう

夕食を摂ろうとコンビニ袋の中を見ると箸が無い

しかし、怒れる気持ちにはならなかった