閃き

変化も気付く事も無い平凡な毎日の中にきっと閃きがあるはず。閃きを求めた記憶

寂しそうなメイ

2015-02-13 06:09:00 | 閃き
愛犬ウランが亡くなってからというもの娘のメイが寂しそうにしている

ウランとメイは妻を取り合ってよく喧嘩していた

娘のメイがある程度大きくなると母娘の関係が無くなるのだと考えていたが少し違っていた


食事を与えるとき、メイはウランが先に食べてからしか決して食べなかった

それは誰が教えた訳でもなく自然にそうなっていた

食事は妻がそれぞれの器に出すのだが、メイはジッと待っていた

ウランが大好物の食事が出ると、2皿とも食べてしまう事がよくあった

見かねた妻は空になった器にメイの分を作り直すのが日課だ


それがウランがいなくなって以来、ご飯をあげてもメイが食べない

まるでウランが食べるのを待っている様に

妻にウランはいないから食べてもいいよと勧められてもメイはウロウロするばかり

そんな姿を見て我々は涙を流した


夕食が終わり居間で座っているとメイが甘えてくる

妻はウランが亡くなって以来、メイが鳴かなくなったと言う

メイなりに何か想うことがあるに違いない


ジッと上目遣いに見上げるメイを撫でながら、ウランのいなくなった悲しみを分け合っている

フッと頭をよぎるウランの姿が、寂しさを募らせる

暫くは悲しみに包まれる
コメント
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