閃き

変化も気付く事も無い平凡な毎日の中にきっと閃きがあるはず。閃きを求めた記憶

死に損ない二人

2019-01-12 15:53:02 | 閃き
仕事の後は親しい友人と再会した

ガンで長く闘病生活をしている

年末に急遽入院した時に電話をしたが
彼も急性胃腸炎で救急車で入院していたという

余命3年と宣告されて今年で3年目だ

奥様もご一緒して馴染みの料理屋さんで夕食を摂ることにした

抗癌剤による副作用で味覚障害になり
今は肉しか食べられない様だが、魚好きな私の為の選択だった


死に損ない二人が来たよと女将さんに愛想良く入店した

注文は彼にお任せである

彼は、俺より先に逝かないように酒は控えろと煩く言ったが、言葉に優しさが滲んで飛んできた

楽しい時間は瞬く間である

命が有ったら又、会おうと言うので、次ぎに会うまで逝かないように、身体を気遣えと励まし合って別れた

お互い、どことなく寂しい気持ちを持ったままだったのは、握手をした時に感じ会えたに違いない