将棋界に藤井聡太という救世主が現れてからというもの、様々な将棋本が発行されています。「師弟」もその流れでしょう。表紙は藤井七段と師匠の杉本昌隆七段。Amazonレビューで「表紙の帯がひどい。そこまでして売りたいのだろうか」と書いてあったので、知ってはいましたが、「君は羽生善治を超えるんだよ」と書いてあり、この本を手に取った誰もが、杉本さんが藤井君に言ったと誤解します。実際には違う師弟の間で交わされた言葉なんですけどね。商魂逞しい限りです。
表紙はさておき、本文はとても興味深い内容でした。6組の師弟の物語が記されています。将棋を知らない方も人間ドラマとして読むことができると思います。
第一章は師匠の谷川九段と弟子の都成竜馬五段の「手紙」というタイトルの物語。谷川さんは17世永世名人でバリバリの現役棋士。そういう人が弟子を取ることは珍しいのですが、小学生名人にもなっている都成少年の実力は勿論、誕生日が1月17日という事に神戸出身の谷川さんは運命を感じて弟子として受け入れました。
最初は伸び悩んだ都成君も17歳で三段リーグ入り。しかしそこからが長かった。都成君が学生の頃は丁寧な言葉ながら、厳しく激励する手紙を彼の住む宮崎へ送るのですが、三段リーグで苦労し、年齢制限も近づく頃になると、「君は強いんだから、自信さえ持てば大丈夫」といった自信を持たせようとした優しい言葉が並ぶようになります。
そして年齢規定による最後の三段リーグ戦。都成君は勝ち続けます。昇段がかかった日、谷川さんは将棋連盟の会長としての仕事があり東京にいました。大阪の将棋会館で対局を終えた彼は、師匠に昇段の報告をしました。「おめでとう。よかったね」。その短い言葉にどれだけの想いが込められているのだろう。初めて師弟が顔を合わせてから、16年の歳月が流れていました。
そして第六章の藤井七段、杉本師匠の物語で終わるのですが、ぶつかり合う師弟、強い絆で結ばれる師弟、重い心臓病の弟子を支える師匠など中身は濃かったです。最終章には羽生善治竜王への特別インタビューが掲載されています。羽生さんは公の場ではなかなか手の内を見せない人ですが、この本ではフランクに語っていて、興味深かったです。その中で「昔はよかったです」「いい時代でした」と懐かしむ言葉は長い歳月が流れた感慨がありました。
著者がカメラマンという事もあってか、巻頭にカラー写真が掲載されています。イケメン俳優が二人いますね。一人は都成君でもう一人は佐々木勇気六段。藤井聡太の連勝を止めた対局の写真ですが、鬼の形相です。彼はスター性がありますね。
表紙はさておき、本文はとても興味深い内容でした。6組の師弟の物語が記されています。将棋を知らない方も人間ドラマとして読むことができると思います。
第一章は師匠の谷川九段と弟子の都成竜馬五段の「手紙」というタイトルの物語。谷川さんは17世永世名人でバリバリの現役棋士。そういう人が弟子を取ることは珍しいのですが、小学生名人にもなっている都成少年の実力は勿論、誕生日が1月17日という事に神戸出身の谷川さんは運命を感じて弟子として受け入れました。
最初は伸び悩んだ都成君も17歳で三段リーグ入り。しかしそこからが長かった。都成君が学生の頃は丁寧な言葉ながら、厳しく激励する手紙を彼の住む宮崎へ送るのですが、三段リーグで苦労し、年齢制限も近づく頃になると、「君は強いんだから、自信さえ持てば大丈夫」といった自信を持たせようとした優しい言葉が並ぶようになります。
そして年齢規定による最後の三段リーグ戦。都成君は勝ち続けます。昇段がかかった日、谷川さんは将棋連盟の会長としての仕事があり東京にいました。大阪の将棋会館で対局を終えた彼は、師匠に昇段の報告をしました。「おめでとう。よかったね」。その短い言葉にどれだけの想いが込められているのだろう。初めて師弟が顔を合わせてから、16年の歳月が流れていました。
そして第六章の藤井七段、杉本師匠の物語で終わるのですが、ぶつかり合う師弟、強い絆で結ばれる師弟、重い心臓病の弟子を支える師匠など中身は濃かったです。最終章には羽生善治竜王への特別インタビューが掲載されています。羽生さんは公の場ではなかなか手の内を見せない人ですが、この本ではフランクに語っていて、興味深かったです。その中で「昔はよかったです」「いい時代でした」と懐かしむ言葉は長い歳月が流れた感慨がありました。
著者がカメラマンという事もあってか、巻頭にカラー写真が掲載されています。イケメン俳優が二人いますね。一人は都成君でもう一人は佐々木勇気六段。藤井聡太の連勝を止めた対局の写真ですが、鬼の形相です。彼はスター性がありますね。