ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

藤井聡太のCMに起用したいスピッツの曲

2022-01-24 11:49:57 | 音楽

昨日、王将戦第2局の決着がつき、挑戦者の藤井聡太竜王が渡辺明王将を下し、2勝としました。第2局に関しては1日目でAIの評価値以上に渡辺さんが逆転しにくい状況だったように思います。何か誤算があったのでしょう。

現時点での王将奪取の可能性は8割位でしょうか。もし奪取すれば10代にして史上4人目の5冠王ですから、途轍もない早さで偉業を達成することになるかもしれません。

 

破竹の勢いの藤井竜王ですが、彼の人気度、好感度から、さらにCMの話が舞い込んでくるかもしれません。そこで彼の好きなスピッツの曲ならどれをBGMとして起用するか独断と偏見で考えます。

 

まず藤井君本人が好きな曲という魔女、旅に出る。これもいいのですが、彼の好きな曲を使うというのは安易な気がします。なので、違う曲で。

メジャーな曲では空も飛べるはず

君と出会った奇跡がこの胸にあふれてる

きっと今は自由に空も飛べるはず

君を将棋に変えるとぴったりですし、彼の好きな言葉である飛翔とも重なります。

 

あとこれは強く押したいのですが、夢追い虫

夢で見たあの場所に立つ日まで

僕らは少しずつ進むあくまでも

ここですね。彼の夢に見たあの場所というのは幼い頃から憧れていた名人戦の舞台だと思います。最も早ければ、来年の春です。

 

最後に醒めない

まだまだ醒めないアタマん中で

ロック大陸の物語が

最初ガーンとなったあのメモリーに

今も温められてる

さらに育てるつもり

これは凄くいいと思います。ガーンとなった将棋との出会い。その思いに今も温められ、さらに将棋への思いを育てていく。これはいいです。

 

画面は藤井君の小さい頃から学生服のデビュー当時、そして現在の姿を写せばいいと思います。これにスピッツのこれらの名曲を組み合わせれば、きっと素晴らしいCMになります。

 

 

 

 

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SAYAKA「ever since」

2021-12-20 10:48:04 | 音楽

年末になると、大きな事件が多く起きる印象があります。20年以上の歳月が流れましたが、世田谷一家殺人事件は、この時期になると思い出します。そして今年も大阪で大変痛ましい事件が起きました。クリニックの先生と患者さんには、ただご冥福を祈るしかありません。

 

そして神田沙也加さん急死のニュース。自殺と見られています。

 

「ever  since」

あの時咲いた花を 胸に抱いたまま歩き出せずにいた

道が見えなくて いつの間にか光りは姿を消して

どれだけ願っても またその夜が訪れるのなら

 

壊れかけた夢 拾い集めたらそう立ち上がって

ずっともう前だけを見て進んでいけばいいよ

そして僕らのあいだを駆け抜ける夜はいま

確かに何かの意味を持って

僕らを強くしていくんだ きっと

 

「ever since」は沙也加さんのデビュー曲であり、自ら作詞も手掛けています。

歌唱力は母親の松田聖子さん譲りの確かなものがありました。

そして歌詞ですが、10代半ばだった彼女の当時の心境を素直に表現していると思います。特にサビの部分はいいですね。「壊れかけた夢 拾い集めたら そう立ち上がって ずっともう前だけを見て進んでいけばいいよ」

この文章、凄く愛しいなあ。

そして最後は哲学的ともいっていい言葉で終えています。

沙也加さんのデビュー曲はオリコン5位と売れました。多分、当時は僕も親の七光り的な部分が大きいと見ていたと思うんです。しかし、その歌唱力、そして歌詞能力からしても、すでに一流のものは持っていましたね。

 

彼女の才能を見いだした宮本亜門さんによれば、沙也加さんはミュージカルに命を懸けていたそうです。その努力の末、彼女は本物のミュージカル女優になり、松田聖子の娘としてではなく、沙也加さん自身の本当のファンがついたのだと思います。

それにしても沙也加ちゃん、早すぎるよ。向こうの世界で重圧もないステージで思う存分、歌って下さい。ご冥福をお祈りします。

 

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稀代の作曲家、筒美京平が残したもの

2020-11-01 10:18:12 | 音楽
先月、作曲家の筒美京平さんが亡くなりました。筒美さんの音楽で育った僕としてはひとつの時代が終わった感慨があります。

個人的に印象的な筒美作品を年代順に並べてみます。1970年代初頭では南沙織の「17才」、堺正章の「さらば恋人」。自分が生まれた頃の曲なので、当然、記憶はないのですが、不思議とその時代の街や人、吹いていた風が浮かんでくるようです。
少し後になって太田裕美の「木綿のハンカチーフ」。松本隆さんの文学的な歌詞を見事に名曲に仕上げました。松本、筒美のゴールデンコンビが誕生した曲でもあります。太田さんの曲では「赤いハイヒール」なども好きです。

80年代は僕にとってもリアルタイムになります。河合奈保子の「エスカレーション」は友人とレコード店に買いにいった記憶があります。多分、この曲が僕が初めて買った曲だと思います。小泉今日子の曲は色々ありますが、「魔女」と「夏のタイムマシン」を挙げておきます。そして斉藤由貴の「卒業」「初戀」ですね。

平成に入ってからも、何曲かヒット曲はありますが、筒美さんの全盛期は昭和と共に終わったのだと思います。筒美京平の曲を聴けば、あの頃、誰とどこにいたかを鮮明に、またおぼろげに思い起こします。そうした意味では僕にとって筒美京平は青春そのものでした。筒美先生、ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。
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玉置浩二の哀しき才能

2019-10-28 08:01:46 | 音楽
先日NHK「SONGS」に玉置浩二が出演しました。安全地帯の「恋の予感」という曲が好きで、カセットテープでダビングして友人と聴いていたのを思い出します。まだCDが一般的には広がってはいなかった時代です。あれから35年がたったんだなあと。 安全地帯の人気が絶頂期の頃に好きだった曲は主に「悲しみにさよなら」や「蒼い瞳のエリス」のようなバラードでした。「Friend」も好きだった。また、楽曲提供も行い、斉藤由貴の「白い炎」「悲しみよこんにちは」、中森明菜には「サザン・ウインド」など名曲を世に送り出しました。玉置さんと明菜さんという哀しい天才・歌姫のかけ合わせも凄いですね(笑)

個人的には玉置さんのボーカリストとしての全盛期は30代から40代にかけてだと思います。なかでも「CAFE JAPAN」というオリジナルアルバムの出来が素晴らしかった。一時期、繰り返し聴いていた記憶があります。SONGSで歌った名曲「メロディ」も収録されていました。安全地帯が再結成された最初の曲「オレンジ」も歌っていましたが、これも好きですね。

一方で玉置さんは様々な病気を抱えていて、特に心の病は離婚を何度も繰り返すなど彼の人生に大きく影を落としました。東京を離れ、確か軽井沢かどこかで静養していた時期があったと思いますが、2005年に「あいのうた」というドラマがあり、「共演が菅野美穂さんだったら」ということでオファーを受け、「ドラマは長丁場だから住むところも借りないと」というのがきっかけで東京に戻ってきたと記憶しています。ドラマの主題歌は「プレゼント」。これもドラマにマッチしていていい曲でした。ドラマは菅野さんが演じる性格ブスの若い女性に、人生をそっと伝えていくような役柄でした。役者としても個性派でしたね。

玉置さんは声量もありますけど、本質的な魅力は彼の人生の悲哀が重なるような表現力だと思います。天才というのは人が羨ましがるほど楽なものではないと感じます。どうにもならない試練と引き換えにボーカリストとしての才能を天から贈られた玉置浩二は、オンリーワンのアーティストであることは間違いありません。
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スピッツが国民的バンドになってしまいそうだ

2019-10-18 21:22:32 | 音楽
今夜、ミュージックステーションにスピッツが出演し、「優しいあの子」を披露しました。それにしても最近、スピッツの扱いが大きいような。勿論、もともと人気バンドですし、朝ドラ主題歌の影響は大きいとは思いますが、国民的バンドに祭り上げられている気がしないでもないです。草野さんが苦手な展開ですよね。「俺は小さな生き物でいいよ。ちっぽけな虫でいいよ」と彼は思っているような気もします。

番組調べだと1位「チェリー」2位「優しいあの子」となっていたみたいですが、自分は違うかな。何が1位なのかも分かりませんが。ロビンソン、チェリー、空も飛べるはずのビッグ3の中で、歌詞としては、空も飛べるはずの「君と出会った奇跡がこの胸にあふれてる、きっと今は自由に空も飛べるはず」という歌詞がメロディーとともに多くの人に焼き付いていると思います。勿論、ここもいいですけど、それ以外の部分が秀逸なんですよね。「幼い微熱を下げられないまま、神様の影を恐れて」で始まるAメロ・Bメロの並べられた言葉が格好いい。それと「ゴミできらめく世界が僕たちを拒んでも、ずっとそばで笑っていてほしい」この表現も好きですね。

「優しいあの子」に関してはこれからじゃないですか。朝ドラのイメージが抜けた後、忘れ去られてしまうのか、スピッツの名曲として長く愛されるのか、結論はまだ先の話だと思います。新曲の「ありがとさん」かなりいい出来ですね。スピッツ名曲ドラフトに指名されるかもしれません。スピッツファンの将棋のめっぽう強い少年、藤井聡太君は今日、快勝したようです。彼の1位はやはり今でも「魔女旅に出る」なんですかね。時とともに、また気分によってナンバーワンが変わるのがスピッツの曲たちの特色だと思います。
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スピッツ「ロビンソン」 YouTube再生1億超え

2019-09-11 22:07:46 | 音楽
9月初めスピッツ「ロビンソン」のYouTubeの再生回数が1億回を超えました。90年代のミュージックビデオでは初めての記録だそうです。たしかに再生回数が1億を超えている曲をたまに見かけますが、大抵はここ10年ぐらいの曲で20世紀の邦楽では見たことがありません。僕も80、90年代の曲を懐かしさからよく聴きますが、単なる郷愁だけでは届かない数字ですね。今も生きている曲だからこそ、これだけの再生回数を生み出したのでしょう。

ロビンソンを初めて聴いた時は、少なからず衝撃を受けました。独自の世界観なのに耳障りの良さ、草野さんの澄み渡った高音、そしてスピッツというバンドの実力も含めてやっぱり曲が凄いという印象でした。しかし2回、3回と聴くうちに、歌詞が耳に入ってくるようになり、よりこの曲が好きになりました。

「新しい季節は なぜか切ない日々で
河原の道を自転車で 走る君を追いかけた」で始まるこの歌詞は最終的に
「誰も触れない 二人だけの国 君の手を離さぬように
大きな力で空に浮かべたら ルララ 宇宙の風に乗る」
ここまで行ってしまうわけです。

出だしは青春の香りがしますが、二人だけの国、大きな力で空に浮かべる、最終的には宇宙の風に乗るという、随分、遠くまで行ったなという歌詞のスケールの大きな立体感。そして色合いもセピア色で始まり、仕上げは眩しくも重厚感のある色合いで大きな幅を持たせました。この頃の草野マサムネさんは20代。若く瑞々しい感性そのままに、このスケールの大きな曲が出来上がったのだと思います。

「ロビンソン」はスピッツを短期間でメジャーにし、そして長く人々に愛されるバンドに作り上げた無形の記念碑のような曲なのだという気がします。

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スピッツ「冷たい頬」

2019-05-10 22:11:02 | 音楽
スピッツの好きな曲は日々ころころと入れ替わると書いた覚えがありますが、自分の中で常に上位にランクしているのが1998年発売の「冷たい頬」です。上位というのが5位以内なのか10位以内なのかその辺ははっきりしないのですが。それだけスピッツには名曲が多いので。20位以内でも相当上位といえるかもしれません。

「あなたのことを深く愛せるかしら」
 子供みたいな光で僕を染める
 風に吹かれた君の冷たい頬に
 ふれてみた小さな午後

頭から掴んできます。「愛せるかしら」に深くを付け加えることで、これだけ格調が高くなるんですね。「風に吹かれた君の冷たい頬に」となにげなくタイトルが紛れ込んでいます。寒い季節に風に吹かれれば頬は冷たくなる。しかし、ここをタイトルにしていることで、なにかしら重要な意味があるのかと想像してしまいます。午後はたいてい小さいものです(笑)

 夢の粒もすぐに弾くような
 逆上がりの世界を見ていた

現実の厳しさを表現しているのだと思いますが、あえて美しい言葉でそれを伝えることができるのは、草野マサムネさんの非凡さゆえでしょう。

 さよなら僕のかわいいシロツメクサと
 手帳の隅で眠り続けるストーリー
 風に吹かれた君の冷たい頬に
 ふれてみた小さな午後

かわいいシロツメクサは恋人を意味するのでしょう。その恋人との日々も遠くなってしまったという解釈でいいんですかね。そして最後にもう一度、小さな午後、君の冷たい頬に触れて歌詞は終わっています。美しい言葉の連なり。確かに草野さんは詩人としても天才的だと思います。しかし、それに見合った曲を生み出す彼のメロディーメーカーとしての才能、そして草野マサムネの透き通るような歌声と草野さんを含めたメンバー4人の職人芸の技術が重なり合って、素晴らしい音楽が生まれ、草野さんの言葉も多くの人に知られることになります。もしも草野さんが詩人になって素晴らしい作品をいくつ並べても売れる可能性は低いですし、やはり音楽との出会い、そしてスピッツを共に作り上げてきたメンバーとの出会いがすべてだったと思います。



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スピッツ「優しいあの子」あいみょん「ハルノヒ」

2019-04-04 19:12:53 | 音楽
記念すべき朝ドラ100作目「なつぞら」の主題歌はスピッツの「優しいあの子」。最近、午前八時は体を起こす格闘をしている時間帯ですが、何とか初回に聴くことができました。スピッツらしい曲ですね。

ボーカルの草野マサムネさんは大の朝ドラファンだそうで舞台となる北海道の十勝にも何度も足を運んだと言います。そこで感じたことは「十勝の冬の厳しさを意識せずにはいられなかった」そうです。そのため、タイトルの「なつぞら」とはマッチしない厳しい冬をイメージさせる歌詞が含まれています。

氷をちらす風すら 味方にもできるんだなあ
切り取られることのない 丸い大空の色を
優しいあの子にも教えたい

相変わらず格好いい歌詞。草野さんのキーワードの一つは夢だと思います。今回の広瀬すず演じるヒロインは草創期のアニメーションに情熱を傾ける夢追い虫の女性ですから、当然そうした言葉も盛り込まれています。

重い扉を押し開けたら 暗い道が続いてて
めげずに歩いたその先に 知らなかった世界

口にする度に泣けるほど あこがれて砕かれて
消えかけた火を胸に抱き 辿り着いたコタン

草野さんの描く夢は決して真っ直ぐな眩しい世界ではなく、「消えかけた火」に象徴されるように辛うじて抱えているものなんですよね。こういうところ、好きだなあ。

僕が今、よく聴いているスピッツの曲は「醒めない」とか「小さな生き物」あと季節柄「春の歌」。名曲ぞろいだから、その時によって好んで聴く曲は変わりますね。結局、一周回って「ロビンソン」というのもありがちです。


続いてあいみょんの「ハルノヒ」。これは、いいです。やはり今、勢いに乗っている人の作る曲なんですね。春の眩しさがよく表現されています。曲の良さに耳が引き付けられて、歌詞は北千住駅ぐらいしか入ってきませんでした。クレヨンしんちゃんの映画主題歌ということで少しひっかけたのかな。昔、僕がたまに北千住辺りをふらついている頃とはずいぶんイメージが変わりましたね。昔はもっと下町が剥き出しだった。
しかしよくよく歌詞を聞いてみると、曲に負けずカラフルです。銀色、水色、藍色と直接的にもかなり盛り込まれています。

君の強さと僕の弱さをわけ合えば
どんな凄いことが起きるかな?
ほらもうこんなにも幸せ

やはりあいみょんは僕目線が書きやすいようですね。

日々の辛さと僕の体が
だらしなく帰る場所を探し続けている
ほらもうこんなにも夕焼け
いつかの灯り思い出すとき
大切さに気付くのでしょう

さすが詩人あいみょん。もうすっかりクレヨンしんちゃんは頭になさそう(笑)

住み慣れた駅のプラットホーム
水色に挨拶
「お帰りなさい」と
小さく影を踏む幸せ

瑞々しい感性ですね。あいみょんというと「生きていたんだよな」のような現代社会を鋭く切り取るような詩も得意だけれど、「ハルノヒ」は全体的には幸福に包まれたような歌詞ですね。個人的には「マリーゴールド」よりも「ハルノヒ」のほうが好みかな。どちらにしても素晴らしい曲の出来栄えだと思います。今更ながら間違いなく彼女は本物でしょう。



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「君はロックを聴かない」分析

2019-02-14 19:37:11 | 音楽
年末の音楽番組で「マリーゴールド」を聴いてからあいみょんにはまりつつあるのですが、新たに気になった曲がありました。1つは「生きていたんだよな」。まくし立てる様なセリフから入るこの曲は、現代社会への痛烈なメッセージです。この曲から尾崎豊の世界観と似ているのではと記したのですが、彼女が最も影響を受けたのはスピッツと話していました。個人的に引っかかったもう1つは「君はロックを聴かない」。この曲好きですね。スピッツ的な色彩もはっきり感じ取れます。

埃まみれドーナツ盤には
あの日の夢が踊る
真面目に針を落とす

この表現は明らかに昭和ですね。CDではなくレコード。あいみょんの父親が浜田省吾のファンらしいのですが、彼女は幼いころからそうした音楽を聴いて育ち、自然とこうしたフレーズが身についたのだと思います。

僕の心臓のBPMは
190になったぞ
君は気づくのかい?

男心がよくわかるね!というよりもあいみょんには、昔の若い男性が憑依している気がします。「私」より「僕」の方がしっくりくると語ってもいました。彼女の心に住み着いているというか。それぐらいリアリティーのある歌詞を書きます。彼女の場合、歌詞が先、曲が先ということはなく、ギターを弾きながら同時に作ってしまうそうです。

君はロックなんか聴かないと思いながら
少しでも僕に近づいてほしくて
ロックなんて聴かないと思うけれども
僕はこんな歌であんな歌で
恋を乗り越えてきた

このサビの部分、特に好きです。歌詞もメロディーも彼女の声の表現も。この若い男性は彼女がロックなんか聴かないだろうということは大体わかっているんですよね。でもレコードをかけずにはいられない。なぜなら口下手な彼なりの自己紹介だから。理解してくれないだろうけど、理解してほしいという矛盾した思い。野球に全く興味のない彼女をスタジアムに連れて行ってしまうのと意味合いは同じですね。メロディーも切なくて素晴らしい。

あいみょんにはこれまで通り、自由な表現を続けてほしいです。売れてしまうと、広く浅く好まれるような曲を作ってしまう人が多いですが、彼女にはそのスケールのままさらに大きく羽ばたいてほしい。個性が強く、なおかつ幅広い年代に受け入れられる稀有な存在になれるアーティストだと確信しています。
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あいみょんはいま、輝いている

2019-02-03 19:04:46 | 音楽
今日のTBSラジオ「爆笑問題の日曜サンデー」のゲストはあいみょんでした。太田光さんのリクエストだったそうですが、肝心な太田さんはインフルエンザで残念ながら欠席。しかし太田さんはあいみょんを相当、好きらしく会えない悔しさを手紙に込めました「拝啓、あいみょん様」で始まっった文章は太田さん独特のユーモアを交えながら「紫式部以来の逸材」(笑)など絶賛する内容でした。その中で「今の風潮にどうしてそこまで逆行するのかという音楽」というのは僕も同感ですね。

音楽に限らず無難に表現する風潮があるなかであいみょん、いや、あいみょん様は思いのたけをそのまま見事に言葉に変換しています。書きなぐる感じというんですかね。その表現に見合った曲調、歌声。この切羽詰まった表現は尾崎豊的な世界とも少し似ているような気がしていたのですが、彼女自身はスピッツが大好きで、初めて会ったときは号泣してしまったそうです。スピッツの草野さんもあいみょんも天才だとは思うけれど、個人的には結び付きませんでした。しかし、爆笑問題の田中さんは「マリーゴールドを聴いているとスピッツに影響を受けているのがよくわかる」と言っていました。確かに「マリーゴールド」をスピッツが歌っているのを想像するとぴったり合いそうですね。

僕は邦楽の世界にはもうあいみょんのような才能は現れないと思っていました。もし才能そのものはあったとしても、今の世の中にはあいみょんのような強い個性は受け入れられないだろうと。しかし、平成の終わりにきてこの大ブレイク。彼女の表現は時代に逆行していると同時にやはり普遍的なものでもあるのでしょう。

「パン屋さんになりたかった」「移動手段はスケートボード」。あいみょんがラジオに残していった言葉です。才能というのは儚いものでどこで壊れてしまうのか、枯渇してしまうのかわかりません。それでもいま彼女の天賦の才能が輝いているのは間違いありません。さて、そろそろスケボーで疾走しながら歌うあいみょん様でも見ようかな。


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