年末になると、大きな事件が多く起きる印象があります。20年以上の歳月が流れましたが、世田谷一家殺人事件は、この時期になると思い出します。そして今年も大阪で大変痛ましい事件が起きました。クリニックの先生と患者さんには、ただご冥福を祈るしかありません。
そして神田沙也加さん急死のニュース。自殺と見られています。
「ever since」
あの時咲いた花を 胸に抱いたまま歩き出せずにいた
道が見えなくて いつの間にか光りは姿を消して
どれだけ願っても またその夜が訪れるのなら
壊れかけた夢 拾い集めたらそう立ち上がって
ずっともう前だけを見て進んでいけばいいよ
そして僕らのあいだを駆け抜ける夜はいま
確かに何かの意味を持って
僕らを強くしていくんだ きっと
「ever since」は沙也加さんのデビュー曲であり、自ら作詞も手掛けています。
歌唱力は母親の松田聖子さん譲りの確かなものがありました。
そして歌詞ですが、10代半ばだった彼女の当時の心境を素直に表現していると思います。特にサビの部分はいいですね。「壊れかけた夢 拾い集めたら そう立ち上がって ずっともう前だけを見て進んでいけばいいよ」
この文章、凄く愛しいなあ。
そして最後は哲学的ともいっていい言葉で終えています。
沙也加さんのデビュー曲はオリコン5位と売れました。多分、当時は僕も親の七光り的な部分が大きいと見ていたと思うんです。しかし、その歌唱力、そして歌詞能力からしても、すでに一流のものは持っていましたね。
彼女の才能を見いだした宮本亜門さんによれば、沙也加さんはミュージカルに命を懸けていたそうです。その努力の末、彼女は本物のミュージカル女優になり、松田聖子の娘としてではなく、沙也加さん自身の本当のファンがついたのだと思います。
それにしても沙也加ちゃん、早すぎるよ。向こうの世界で重圧もないステージで思う存分、歌って下さい。ご冥福をお祈りします。