突然、最愛の娘を失い
松田聖子はディナーショーをキャンセルし
紅白出場も定かではない
40年以上も前になった1980年
松田聖子は彗星の如く僕らの前に現れた
当時の大人たちは、品性に欠ける、薄っぺらいと捉えていたかもしれない。
山口百恵の文学から松田聖子の動画へ
それが僕らにはパッと電気が点いたように思えたのだ
遠足だか社会科見学だかは忘れた
向かう道だったか帰り道だったかも忘れた
しかし、そのバスの中で松田聖子の「風は秋色」をクラスみんなで歌ったことだけは覚えている。
誰もが楽しそうで、流れる気色は眩しかった。
サレジオ教会での挙式の日は、誰からともなく理科室へ駆け込み、テレビをつけた。
そして、その狂騒の中で、娘は誕生した。
当時の子供はもれなく中年になり
青年は老人になった
あの頃、日本は若かった
そのエネルギーの結晶が、松田聖子なのかもしれない