王位戦第1局は挑戦者の豊島将之九段が藤井聡太王位を下しました。
豊島さん、思い切りましたね。相手の力を上と認め、相撲でいえば立ち合い鋭く藤井王位の胸をめがけて低く立ち、頭をつけて前へ出ました。
最強の攻め駒である龍が藤井陣に入り込み、豊島さんの持ち駒によっては藤井玉が簡単に詰む局面を迎えました。王位戦は二日制なので、「1日で終わってしまうのでは」という心配すらありました。しかし、そこは藤井王位。的確に守り、AIの評価ではほぼ互角で1日目を終えました。
しかし、流れとしては豊島ペースでした。消費時間が豊島九段が約2時間に対して藤井王位は5時間を使ってしまいました。
二日目もそのままの流れで豊島さんが押しきりました。豊島九段の研究の深さが目立った初戦でした。2局目以降、怪物・藤井聡太の逆襲を期待しています。
里見香奈女流四冠がプロ編入試験を受験する意向を表明しました。受験資格を取った時に「考えたい」と先送りした時点で脈ありと感じていましたが、よく決断してくれました。この5年、藤井聡太というスーパースターが将棋界を背負ってきましたが、里見さんがプロ棋士になれば、これは注目度は高いです。
里見さんはこの1年程で急成長しました。もともと「出雲のイナズマ」と呼ばれ、終盤力には定評がありましたが、現在は序中盤にも隙がなくなりました。
直近の倒している相手を見れば、5局で3勝という合格ラインはまず大丈夫だと思いますが、試験官となる若手棋士にも意地があるはずなので油断は出来ません。
かつての天才少女、そして将棋に全てをかけてきた里見さんの女性初のプロ棋士誕生を願わずにはいられません。