慣れ親しんだ窓際の席に座り、僕は校庭のざわめきを聞いていた
春の陽射しが教室に柔らかく入り込む
汗臭い部室
いくつものシューズの音が鳴り響く体育館
口うるさい教師
自転車の後ろに感じた幸福な重み
3年の日々が、この教室に引き寄せられているようだ
そしてそれらは淡い陽に照らされ、切なく輝いている
僕は椅子を鳴らし、立ちあがった
いい機会ではないか
それらを置き去りにして、教室を出ていこう
苦しくも二度とない愛しい日々を
まぶたに焼きつけて僕はドアを閉めた
待ち構えていた廊下は暗く沈んでいる
僕は卒業したことをはっきり悟った
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