昨日、棋聖戦五番勝負第3局が行われ、藤井聡太棋聖が山崎隆之八段に勝ち、3勝0敗で防衛しました。これで棋聖戦5連覇となり、史上最年少での永世位資格者になりました。
第3局は山崎八段が先手で、得意の相掛かりという戦型になりました。藤井棋聖は普段通りの王道の将棋で受け止めます。途中で角を交換し、藤井さんの角打ちが唯一、やや隙のある手だったようで、そこで山崎さんが正しく対応していれば、分からなかったかもしれません。
しかし、全体的には藤井さんの快勝と言っていい内容でした。山崎さんもよく食い下がりましたが及びませんでした。
藤井さんは早くも永世位を獲得しました。現役では羽生、谷川、渡辺、森内、佐藤康光、そして藤井聡太で6人ですかね。これからも順当に永世位の数を増やしていくのか、あるいは伊藤匠七段というライバルの存在が藤井さんを苦しめるのか見ものです。
山崎八段が「第3局は楽しかった」と話していたのが印象的です。そしてこう付け加えました。
「自分がもっと強ければ、将棋は無限に楽しいんじゃないかと」
山崎さんはこの貴重な経験を生かして欲しい。すでに40代前半。残された時間は長くありません。これだけ魅力があり、若い頃は「東の渡辺、西の山崎」と評されるほど才能も高い棋士ですから、タイトル戦登場やA級復帰を期待しています。
次の王位戦。藤井聡太の挑戦者は久し振りに東の渡辺明です。