十二月三十一日(水)晴れ。
愈々今年も今日一日で終わる。朝食後は床屋さんへ。今まで長い間、関内の床屋さんに通っていたが、今年から、自宅の近くの店に変えた。特別な理由はなく、ただ近いということだけだ。
終了後は、事務所に行き、郵便物のチェック。自宅に戻った後は明日の雑煮のスープの仕込みや、今夜の年越しの一献会の準備に忙殺された。我が家では料理は私の担当である。
今夜の一献会の肴は、きんぴら二種(普通の味付けのものと、のりの佃煮で味付けしたもの)、タコの和風マリネ、きゅうりのマリネ、頂き物の大口商店街「能登屋」のさつま揚げ、肉じゃが、栃木社友会の湯浅進君から送って頂いた「みんみんの餃子」を蒸した。酒は、これまた頂物の「伊佐美」。
お客は、まず社友会の松本佳展君とサエちゃん。少し遅れて、大行社の内川徳彦氏と奥さんや彼の門下生ま松根君とその友人。こういった気の置けない人たちとの酒席は楽しい。
年越しそばは、郡山の佐久間五郎氏がわざわざ今日のためにと、送って頂いた「そば」を皆で食べた。酔っ払っていた為、うっかりして温かい海老の天ぷらそばにしてしまった。一口食べて、しまった。と思っても遅かった。品のよい蕎麦で、ざるで食べた方が正解だった。残念。日にちが変わり、皆で新年の挨拶をして、解散。
大晦日になると、必ず浮かぶのが、唐詩選の中にある高適(こうせき)の「除夜作」という漢詩である。
旅館の寒燈に独り眠らず
客心何事ぞ転(うたた)凄然
故郷今夜千里に思う
霜鬢明朝又一年
大晦日の夜は、この詩と網走での独房で学んでいた時のことが思い出されてならない。正に、霜のように白くなった髪、明日の朝は、又一つ年をとる。