一月二十四日(土)曇り。
寒い一日だった。暑い、寒いと思うとき、ふと思うのは獄中に座る親しい同志達のことである。先日、古書店で買った「日本史歳時記三六六日」によれば、明治四十四年の、いわゆる大逆事件で、幸徳秋水ら十一名の死刑が執行されたのが今日の事とある。右も左も、本物は常に権力からの弾圧と戦わなければならない。確か、「大逆事件」に関しては、瀬戸内寂聴の伝記文学集の中に、いいものがある。
午前中から、真面目に机に向かった。まず、二十七日に大行社の新年総会があり、その日に、大行社の若い人たちとの鼎談を予定しているので、そのレジュメ作りと、参加して頂く人達に連絡をした。翌朝、作家の大下英治さんから取材を依頼されているので、その準備。そして二十八日は恒例の「ヨンドン会」があり、その連絡のファックスを入れた。
さらに、手紙を三通書いて、郵便局に本の発送を行い、事務所に寄り、郵便物の確認など行えば、もう六時過ぎ。夜は私の縄張り、つまみを作ってわが友「黒霧島」に相手をして貰う。
そういえば、先日、ある会合の席で、顔を合わせた、先輩から、「毎日飲んでんのか」と、非難がましく言われた。すかさず「はい。それが日課ですから」と答えてやった。大きなお世話だって言うの。お前の金で飲んでんじゃネェんだよ。
私には、趣味と言うものが全くない。いわゆる競輪、競馬、パチンコ、マージャン、ゴルフなどもやらない。キザなようだが、今は、本を読んでいるか、酒を飲むか・・・。そうかもう一つ戦争映画の蒐集があったか。まあこれ以外に楽しみがない。酒が好きなのに、何かの理由で酒を断っている人には、敬意を表するが、酒を飲まない人から、非難される筋合いはない。早い話、私が酒を飲もうと飲まずとも、第三者には全く関係がない。幾ら酒を飲んでも、醒めれば厳しい現実が待っているのだから、せめて一日の終りには、酒を友として行くべし。「酔中に真在り」だ。
漢詩も、俳句も、短歌も酒の歌が好きだ。李白や陶淵明のようには行かないが、健康とは、いかに酒を美味く飲めるかが、原点にある。さあー、いざわが友よ、まず一献!