六月二十日(金)晴れ。
梅雨の合間の晴れの日が続いている。どうでも良いが朝目を覚まして天気が良いと、なぜかそれだけで幸せな気分となるから不思議だ。
アマゾンで注文をしておいた「消えた潜水艦イ52」が届いた。NHKスペシャルで放送した物を出版化したものだ。先の大戦中に遠く離れたドイツと日本とを結び、戦略物資及び新兵器やその部品・図面等、さらには大使館付武官・技術士官・民間技術者等日独両国の人材の輸送を行った日本海軍艦艇による数次にわたる作戦、いわゆる「遣独潜水艦作戦」に従事した最後の潜水艦のドキュメントである。
残念ながら私は、そのNHKの特集「消えた潜水艦イ52」を見ていない。しかし断片的な物はユーチューブなどで見ることができる。私が、「遣独潜水艦作戦」に興味を持ったのは吉村昭の「深海の使者」 (文春文庫)を読んでからだ。特に第一次から五次にわたる作戦の中で、最後の作戦に従事した「イ52」潜水艦が五千メートルの深海に沈んでいる姿を映像で見た時には、言い知れぬ感動と哀惜、鎮魂が入り混じり胸を打たれた。
それは、いわゆるアメリカのトレージャーハンターと言われる人たちが、一九九五年三月末、大西洋上で海洋調査船に乗って、イ52潜水艦の調査をしていた。なぜ彼らが日本の潜水艦を探していたかと言えば、その潜水艦には金塊2トン(時価四〇億円以上)もの財宝が積まれているという情報があり、彼らはそれを引き揚げる予定であった。五週間にわたる調査の結果、彼らは水深五千メートルの海底から、ついに米軍の艦載機によって撃沈されたイ52の姿をとらえることに成功する。この時の映像は圧巻である。潜水艦に書かれた「イ52」の文字がはっきり映し出され、甲板に備え付けられた機銃には銃弾が装てんされたままだ。
残念ながら?金塊は見つけることが出来なかったが、彼らは遺品を回収し、最後に沈んでいる潜水艦に軍艦旗(旭日旗)を掲揚する。これはユーチューブかニコ動にップされているから興味のある方は是非見て頂きたい。そして更に胸を打つのは、米軍の空母から発信した戦闘機がイ52をソナーで捉え、音響魚雷で撃沈するのだが、「ピーン」というソナー音に加えてイ52のスクリュー音や魚雷が命中した時の爆発音、水圧で艦が圧壊する音源が残っていたことだ。同胞が乗っていたと思うと胸が締め付けられる。届いた本を心して読んでみたいと思っている。
今日は愚妻の誕生日である。午後に慌てて花を買ってテーブルに飾った。ふと啄木の「友がみなわれよりえらく見ゆる日よ 花を買ひ来て 妻としたしむ」が浮かんだ。六時半より、日ノ出町の川淵にあるイタメシ屋の「リガット」というお店でカメ&アコちゃん、松本佳展君と小枝ちゃんらと共に愚妻の誕生日を祝う。その後西横浜の「颯」に転戦。皆に感謝しつつ一時間ほどで解散。