六月三日(火)晴れ。
毎日、嬉しいほどの良い天気が続いているが、そろそろ入梅。梅の実の熟す頃に降る雨だから梅雨。鬱陶しいが、この雨がなければ作物も育たず、夏に水不足となる。恵みの雨と思って前向きに過ごすしかない。
私の机のわきに常備しているのが「楠本健吉歳時記」と駒田信二著「漢詩名句はなしの話」(文春文庫)、そして渡部英喜著「漢詩歳時記」(新潮選書)、角川小辞典の「中国故事成語辞典」に広辞苑の電子手帳である。それぞれ思い出のある本で、随分と役に立たせて頂いている。
「楠本健吉」の本は、野村先生に、「漢詩名句ー」の本は、森田忠明さんに、「中国故事成語辞典」は西尾俊一さんに、「広辞苑」は、四宮正貴さんにその昔、囹圄の身である時に皆さんから差し入れして頂いたものだ。だからもう二十四年も使っている。さすがに「広辞苑」だけは重いのと字がちいさいので、電子辞書に換えたが、あの時のこと、初心を忘れてはいけないと常に側に置いている。
「楠本健吉歳時記」によれば、「サツキバレ」の「サツキ」は早苗月(さなえづき)の略語と言われている。五月雨月(さみだれづき)の異名もあって、陰暦(太陽暦に同じ)五月のことを言うので、今の暦に直すと大体六月のことになる。だから五月晴れは、五月の晴れた日のことを言うのではなく、「さつきやみ」という言葉があるように、さみだれの降り続くころ、たまたま晴れ間の出た日のことを言うのである。「つゆばれ」「梅雨晴れ間」と同じ意味で使われてきた。
九州が梅雨入りしたとのこと。横浜も木曜日辺りから雨の日が多くなるそうだ。「五月晴れ」の日が待ち遠しくなる日がこれから続く。
少し体調悪く、酒を控えようかとも思ったが、えーいままよ。と月下独酌。