6月10日(土)曇り。
午前中に、志村馨君が「ミスド」のドーナツを持ってきてくれる。最近は、余り食欲がないので、たまにの「ドーナツ」は有難い。二つ食べてから常備薬を飲む。夜は、「ミスジ」、こんにゃく炒め、レタスと塩昆布のサラダ。お供は「黒霧島」。酔狂亭にて独酌。
弊社が発行した野村先生の『獄中日記・千葉編』には、獄中句集『銀河蒼茫』にはない句が出てくる。『銀河蒼茫』は二回改訂版を出しているので、当然ながら先生が、自らの句を厳選して校正し、掲載している。しかし、先生が句集に掲載しなかった俳句にも良いものが多い。
昭和47年9月13日の日記には、「雷鳴」と題して七句を詠んでいる。その中の二句は『句集』に掲載されているが、その他の句はあえて先生が落としている。『句集』に掲載されていない句は。
①人生依然こんとんとして雷鳴す。②書く稿をやめ雷鳴の窓しめに。③雷光と雷鳴のかん闇千仭。④この雷鳴ただごとならぬ国危し。⑤とほのいてゆく雷鳴と寝つつ知る。の五句。掲載されているのは、
①雷鳴はげし 一切合財過去にして。②すでに雷鳴 さりて星さえ虫さへも。
先生の本を読んでいて、こういった発見を知ることが楽しい。※在りし日の野村先生。赤坂にあった事務所にて。三上卓先生の写真が飾ってある。