白雲去来

蜷川正大の日々是口実

文豪が愛でた鰻。

2023-06-10 16:18:43 | 日記

6月5日(月)晴れ。

朝食は、野菜の煮天丼、新玉ねぎの味噌汁。昼は抜いた。夜は、カツオ、鶏手羽のから揚げ、レタスのナムル、新玉ねぎのスライス。お供は、「黒霧島」。酔狂亭にて独酌。

新玉ねぎが好きだ。オニオンスライスが手軽で良いが、一番好きなのは、オイスターソース炒め。この時は、余り炒め過ぎずに、余熱でちょうど良くなる程度にする。カツオを食べる時は、新玉ねぎのスライスを薬味にする。味噌汁にも合うし、時間があるときは、パン粉をつけて、豚肉を挟んで「串カツ」にする。その新玉ねぎを社友から沢山いただき、何か食糧の貯金が増えたようで喜んでいる。

私の趣味の一つに、食に関する物のスクラップがある。行ったことのあるお店、行って見たいお店、取り寄せて気に入ったものやこれから取り寄せたいと思う物の写真や記事を保存している。もちろん食に関するエッセイなどもだ。今月で100年の歴史の幕を閉じる『週刊朝日』の2016年7月29日発売号のグラビアの特集が、「文豪が愛でた鰻」というもの。「鰻好きの文豪」で一番有名なのは斎藤茂吉で、彼の29年間の日記の中には、鰻を食べたという記述が902回も出てくるそうだ。その茂吉の他には谷崎潤一郎、夏目漱石、太宰治、泉鏡花といった「鰻好き」が通ったお店が紹介されている。

「週刊文春」の平松洋子さんのコラム「この味」で知ったのだが、斉藤茂吉記念館の運営に尽力した、林谷廣氏の著書『文献 茂吉と鰻』という本に「ゆふぐれし机の前にひとり居りて鰻を食ふは楽しかりけり」と詠んだ昭和三年には、実に六十八回も鰻を食べている。何と五日に一回の割合で食べているのだ。自宅他、銀座の「竹葉亭」、青山「佐阿徳」、浅草「前川」など都内のあちこちの店に行く。この三店の内、青山の「佐阿徳」は閉店してしまったが、「竹葉亭」と「前川」は営業している。戦時中も鰻の缶詰を幾つもストックしていたと言う。「もろびとのふかきこころにわが食みし鰻のかずをおもふことあり」と詠んだ。

ちなみに『週刊朝日』の特集では、茂吉が愛した鰻屋は、渋谷区道玄坂にある「花菱」というお店が紹介されている。


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