6月3日(土)曇り後晴れ。
朝食は、子供が買って来てくれた「猫パン」(パンの中に猫に見える模様がある)二枚。昼は抜いた。夜は、つけ蕎麦、野菜の天ぷら、スナップエンドウ、ナス炒めにトマトサラダ。お供は、頂き物の「侍士の門」という焼酎。鹿児島産なり。
事務所の書棚の中に野村先生から頂いた本が何冊かある。それは皆、先生が獄中時代に読んだ本ばかりである。日本の古典全集、『大川周明集』、『亀井勝一郎集』や単行本などだ。先日、機関誌に掲載するために持ってきた本の最終頁に、「私本閲読許可証」という物が貼ってあった。許可は、「経団連事件」にて府中刑務所に6年の刑にて座していたときの物。「閲読許可は」昭和53年6月8日から53年7月7日迄。先生の称呼番号は1432番で「東二工場」で作業していたことが分かる。刑務所では、自分の名前よりも、その称呼番号で呼ばれることが多く、入所から出所まで、その番号は変わることがない。
『大川周明全集』には、三度の「延長願い」をしていたことが分かる「許可証」があった。これは「河野邸焼き打ち事件」にて千葉刑務所で12年を過ごしていた頃のもので、「領置許可」(自室に置いて置くことの許可)は昭和41年5月から昭和43年2月13日迄。先生の称呼番号は332番で第八工場にて作業をされていた。その『大川周明全集』を手にした昭和41年頃に、先生はこんな句を詠んでいる。残刑はまだ十年もある「明日も雪か」・・・。若き日の先生の苦悩が伝わってくるようで、この時期にあるはずもないのだが、句を読むと今にも雪が降ってくるような気がして、おもわず空を見上げた。
そして、千葉時代に「図書室にての作」として、『鰯雲 文庫本にも獄舎の印』。先生の本に貼られた「私本閲読許可証」を見るたびに、先生のその句が浮かぶ。後世の野村先生の研究の役に立てばと思い、こういった小さなものでも大切にしている。今日は二日分を更新。