白雲去来

蜷川正大の日々是口実

新幹線は顔がケツか。

2017-04-24 10:26:10 | 日記
四月二十一日(金)曇り。

ウロ覚えで恐縮だが、所ジョージの歌に「新幹線は顔がケツ」と言うようなものがあったと記憶している。以来、新幹線を見る度にナルホドと思う。また顔と顔とが連結されているのを見ると、なにか違和感を感じてしまう。マヌケ面をしているなと。まあ、北朝鮮危機が迫っている時にどうでも良い話なんですが。

最近の私の日常も「新幹線は顔がケツ」のように、今日が何曜日で何日であるのか、さっぱり分からなくなる時がある。週初めなのか、終わりなのか・・・。完全なる老化現象だ。手書きの「食日記」を書いている時や、このブログをアップするときだけ、今日が何日で何曜日かがやっと分かる。もし生まれ変わったならば、額に汗かき働く労働者になりますので、今生は勘弁して下さい。

カツオが、不味くて高い。何やら黒潮に乗って日本にたどり着く前に、中国などの大型船が巻き網で根こそぎ獲ってしまうので、年々漁獲量が少なくなっている。マグロと違って、カツオには漁獲量の規制がないので、取り締まれないと言っていた。あーあ嫌んなっちゃった、驚いた。

今年は、「経団連事件」から四十年。少し機関誌で特集を行うつもりで頑張っています。夜は、酔狂亭で独酌。

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小袖納」(こそでおさめ)

2017-04-23 07:11:49 | 日記
四月二十日(木)晴れ。

園遊会のニュースを見た。やはり目についたのは、五輪のメダリストの女性や、着物で着飾った各界の若い女性たちの姿である。両陛下に話しかけられた、メダリストの緊張している様子が、とても微笑ましい。桜に和装姿の女性。正に日本の象徴的な風景だなぁーと、うっとりしてしまう。その着物が自分の物なのか、貸衣装なのか分からないが、五輪のメダリストにご褒美で着物をプレゼントしてあげてもいいように思う。もちろん着付け教室もセットで。

この季節の季語に、「小袖納」(こそでおさめ)はまた「花衣を蔵ふ」と言うものがある。楠本健吉先生の『歳時記』によれば、「観桜会やお花見、花見の宴などで着て歩いた花見の小袖を、花見のちりを払って、小袖箪笥(たんす)の底深くしまうことをいう。近く春への愛惜をこめて、大切な衣装をしまう女の風情の感じられることばである。また来るべき春への思いもこめられているのである。なにしろ元禄時代の花見小袖は、特に意匠をこらしたゴージャスなもので、さながら歩く画展の感があったようだ。そしてこれを幕のように野外にかけた小袖幕も張りめぐらされた、絢爛(けんらん)たる美を競ったようである。だからこういう衣装をしまうときは、朋輩や近隣の人たちをよんで、お茶でも立て、評判の小袖じまいに立ちあい、花時の過ぎてゆくのを惜しみあったりしたのであった。晴れ着のなかでも花見小袖は、特に意匠が疑らされ、美術品に近いものが多かったわけである」。

いいなぁー。優雅だなぁー。今でも、旧家や名家などでは、こんな伝統を守っているのかもしれない。公立高校で、着物の着付けを義務付けたらよいのにと思ってしまう。

そんなことを考えながら、今日もおとなしく酔狂亭で月下独酌。

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茫然と轟然と獄は春嵐

2017-04-21 13:34:36 | 日記
四月十九日(水)晴れ。

わざわざ出かけてまで食べたくはないが、いわゆる「駅そば」が好きだ。食べるのは暖かい「かき揚そば」。蕎麦好きなのだが、暖かいつゆ蕎麦は、高級な物でなくとも十分食べられる。今日のように大行社の会議に行く時は、保土ヶ谷か、品川か田町のどこかの駅で、昼食に蕎麦を食べるのが、ささやかな楽しみである。

三時から、大行社の幹部会議に出席。相談役として、挨拶をさせて頂いた。四時に終了。大学に行っている子供から連絡が入り、横浜駅にて待ち合わせた。二人で夕食の買い物を済ませて帰宅。

野村先生の『獄中日記』の、昭和四十二年の四月の日記には、「連日、三十年ぶりの寒さ。箱根は雪。獄舎は嵐なり」とある。先日の低気圧での春の嵐を思い出した。先生は、この時、二日で六つの句を作っている。句集『銀河蒼茫』に掲載されている句とされていない句がある。

茫然と轟然と獄は春嵐
怒るべからず春燈衣囚青く染む
たたかいの光る春の夜あらし吠ゆ
未来暗き国の灯獄に春暁す
自問自答の天は帰雁を赫く燃す
草笛はいつも母なる山河呼ぶ

先生はこの時、三十二歳。獄中四年目の春であった。

夜は、久しぶりに、先生の『獄中日記』を読みつつ、酔狂亭で月下独酌。

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我が家の絶対国防圏を突破された。

2017-04-20 11:19:12 | 日記
四月十八日(火)晴れ。

世間の人たちからは、羨ましいと思われるのか、またザマーミロと思われているのか分からないが、とにかく暇な日が多くなった。以前は、こんなアホな私にでも、連載の仕事が三本、そしてスポットで入ってくる原稿の依頼もそれなりにあった。まあ贅沢をしなければ、筆一本で食えたのである。それが、時代のせいなのか、己の不徳なのかは分からないが、連載していた雑誌が皆廃刊となり、スポットで入ってくる仕事も減った。それでも有難いことに生きていられるのは、少数ではあるが、弊社の社友や支援をして頂いている方々のおかげである。

以前、ご支援をして頂いていた某社の会長が、「蜷川さん。あなたたち浪人は、余り長生きをしない方がいいよ。例えば、貴方を支援しているのは、恐らく、私のように年上の人たちだろう。当然、君より先に引退したり、死んだりする。そうなると、誰が君たちを支援するのか」。それから約十年が過ぎて、全くその方が仰ったようになっている。嗚呼!

我が家の経済を、先の大戦に例えたならば、サイパンやグアムのマリアナ諸島を前線とする絶対国防圏を貧乏軍に突破され、ついに敵は沖縄に上陸。もし沖縄が陥落したならば、最後の本土決戦にかけるしかない。と言う状態。今正に、危急存亡の秋である。本土決戦を少しでも遅らせるため、航空機による特攻作戦「天号作戦」、戦艦大和を沖縄に突入させる「菊水一号作戦」を発令した。今家族で歌うのは、これしかない。「海を圧して寄せ来る敵を 何で逃がしてなるものか 今だ討ち取れ力を一に かくて吹くのだ神風が」(「かくて神風は吹く」昭和二十年)神風が吹くのか・・・。

本日七時より、戸塚の「北海道」という居酒屋で、山櫻社の吉本将誠氏、大行社の小針政人氏らと貧乏軍撃滅の作戦会議を行った。このお店の嬉しかったことは、「一刻者」の「赤」一升瓶が四千円で飲めることだ。料理は値段なりで文句は言えないが、浪人には優しい店だ。浅酌低唱を忘れ談論風発、侃々轟々、喧々諤々。結局何も結論が出ずに(当たり前か)再会を約して別れた。

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最近はアドバルーンを見ない。

2017-04-19 11:57:22 | 日記
四月十七日(月)曇り。

春に三日の晴れの日なし。とのことわざのような曇りの日。夜半から大荒れの天気。正に、夜来風雨の声、花落つること知る多少である。案の定、雨漏りだ。何と言っても、もう三十年近い、文字通りの陋屋。屋根も壁も床も手直ししなければならないが、ガビーンと言うほど金がかかる。あと二年は、騙し騙し暮らさなければ。

作詞 星野貞志、作曲古賀政男で昭和十一年に流行した「ああそれなのに」という歌がある。 「空にゃ今日もアドバルーン さぞかし会社で今頃は おいそがしいと思うのに あゝそれなのにそれなのに ねえおこるのは おこるのはあたりまえでしょう」。今でも意味の良く分からない歌なのだが、おそらく子供の頃にテレビか何かで聞いたものだろうが、最初の「空にゃ今日もアドバルーン」という歌詞だけは良く覚えている。

私の通っていた、横浜市立太田小学校は、三春台という山の上にあり、校舎からは富士山がはっきり見えた。また帰り際には、右手には根岸の海が夕日に輝いているのが見え、左側には、まだ数の少なかった伊勢佐木町や関内のビルが遠望できた。そのビルからは、幾つものアドバルーンが上がっていたことをよく覚えている。私の小学校時代の原風景である。最近は、アドバルーンなどほとんど見なくなった。

アドバルーンと言えば、思い出すことがもう一つ。その昔、ビーバップ・ハイスクールで有名になった清水宏次郎氏のバックバンド・リーダーだったのが、N・Sさん。そのバンドが解散した後に、同じ会社の宣伝部に配属になり、そこでの仕事が、アドバルーンを上げる仕事だった。アドバルーンは、当然上げたならば、下ろさなければならない。早い話が、デパートの営業が終了する直前まで、アドバルーンの下で管理していなければならない。一旦上げてしまえば、下ろすまで何もやることが無い。ただボーッとしているだけだ。その時に、彼は、「こんなことをしていて、一体何になる」と自己嫌悪に陥り、一念発起して、宅建の免許を取得して不動産業に転職した。当時は、「叩く不動産屋」(値切るのではなく、彼がドラマーだったことから)と一世を風靡したが、残念ながら、都心にビルを所有すると言う、出世には至らなかった。風の噂では、何やら東北の方で、初心に帰って、再び、澄んだ空を見上げているとのこと。まっ元気ならそれでいい。

夜は、大人しく酔狂亭で独酌。


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