2月19日(金)晴れ。
本を読んで憂鬱になるというのは中々ないことだ。決してつまらなかったわけではなく、面白かっただけに、読了後の気持ちがやるせなかった。『兜町の風雲児ー中江滋樹・最後の告白』(比嘉満広著・新潮新書)である。
「弱冠22歳で株投資を始めて瞬く間に100億円を手にし、30歳の時には780億円という巨額の金を動かし、各界に人脈を広げた。(投資ジャーナル事件)にて社会復帰した38歳から44歳までの間も、アングラマネーとはいえ50億の金を動かした。そして6年間の海外避難、帰国後の放火未遂事件、復活を期した東京行き、そして失意の生活保護ー中江自身も数奇な人生と認める、誰にも真似はできない、波乱万丈の人生だと言えるだろう・・・」(本文より)
遊び方も半端ではなく、毎日部下に3000万円ぐらいの現金を入れた紙袋を持たせて、銀座の高級クラブをハシゴし、金を使いきれば帰るという日々を繰り返していた。更に20代で赤坂の芸者を500万円で水揚げし、リキマンションの最上階のペントハウスを2億円で買い与えたり、まあ破天荒な青春?を過ごしていた。
その彼が、最後は生活保護を受けながら安アパートの一室で、タバコの火の不始末で焼死する。2020年2月20日、享年66歳。私より3歳年下である。若い頃に巨額の金を有し、豪遊、浮名を流すが、晩年は、生活保護を受け、一人寂しく死んでゆく。反対に、若い頃は苦労の連続であっても、晩年は家族に囲まれて穏やかな日々を過ごす。さあ、アナタならどちらの人生を選びますか。