なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

芽球82%

2018年08月13日 | Weblog

 内科再来を診ていると、外科医が相談に来た。右腎梗塞で外科に入院している57歳男性のことだった。今日の血液検査で芽球82.0%と検査室から報告が来ていた。

 8月8日夜に右背部痛で救急外来を受診した。尿管結石を疑われて、単純CTが施行されたが、結石はなく他の所見もなしとされた。鎮痛薬が処方されたが、症状が続いて11日の時間外に救急外来を再受診した。その日は当直が外部の病院の先生で、病院に到着するまで副直として残っていたその外科の先生が診察した。今度は造影CTが施行されて、右腎梗塞と診断されて入院した。

 心房細動はなく、正常洞調律だった。経胸壁だが心エコーで心腔内に疣贅はない。右腎動脈の大動脈からの起始部に狭窄があり、その血栓症の狭窄による血流低下あるいはプラーク破綻から腎臓内の血管が閉塞した可能性が考えられていた。

 最初に受診した日、入院になった日、入院翌日に末梢血検査が提出されていた。白血球分画が検査されていなかった。今日の検査で初めて白血球分画も検査したので、芽球がわかったのだった。外科はあまり白血球分画を出さないようだ。

 大学病院やがんセンターは緊急入院は難しい。医療センター血液内科に紹介してもらうことにした。さっそく受け入れていただけて、転院となった。急性骨髄性白血病なのだろう。

 腎梗塞と白血病は関係ない気がする。これで受診・入院していなければ、好中球減少による感染症(敗血症)、血小板減少による出血、あるいはDICで受診する可能性があった。無症状の状態で診断されたのは不幸中の幸いかもしれない。

 

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