55歳男性が金曜日に夜間に腹痛で救急外来を受診した。当直は外部の病院の先生だった。当院からお願いして交替で来てもらっているので、バイトというよりは応援医師ということになる。
内科の当番だったので連絡が来た。患者さんの話では、胃健診のバリウムを飲んでから、便秘になってバリウム自体も十分に出ていないそうだ。腹部単純X線で確かにバリウムは残っているが、量はそれほどでなく、便もたいしてたまっていない。血液検査では炎症反応陰性で特に問題なしだった。下剤と鎮痛薬(アセトアミノフェン)で帰宅にするつもりだったが、入院を希望されたので、入院にしたいということだった。
翌土曜日に病棟に診に行った。病棟の看護師さんの話では腹痛が続いているという。患者さんはやはり、バリウムが出なくて苦しいという話をしていた。腹部は平坦・軟で、右下腹部から正中に圧痛といえば圧痛かいう程度の軽度の所見だけだった。それよりもまず右側腹部から臍部にかけて皮疹が散在していた。帯状疱疹に見える。
看護師さんは入院後に気づいたらしい。なんだ、帯状疱疹の初期だったのかと思ったが、疼痛が神経痛様ではない。ある程度持続した痛みだった。左側も痛いような気もするという。腹部CTで確認すると、右尿管結石があった。主な痛みはこっちだった。尿は肉眼的血尿ではない。
土日だし、まず鎮痛薬と帯状疱疹の薬(ファムビル)で経過をみることにした。排石しなければ泌尿器科紹介にすればいいと軽く考えていた。ところが、腹痛が続いてアセリオ点滴静注やソセゴン静注を何度も使っていた。
当院は非常勤医の泌尿器科外来だけなので(今日はない)、基幹病院の泌尿器科医に相談した。何しろ入院のベットがないので、単なる尿管結石は入院にはしていないという。閉塞性尿路感染を入院の適応としているそうだ。外来受診なら診て上げますと言ってもらったので、さっそく明日外来受診の予約をとった。尿管ステントで処置するとおっしゃっていたが、それはどんなもの?。
腹部CTを見ると、右腎臓の周囲にケバ立ちがあり、周囲に炎症が波及しているのだろうか。入院後は37.1~2℃になることもあるが、ほとんで平熱で推移していたが。