2年前に上行結腸癌で手術(右半結腸切除術)を受けた88歳女性は術前から肺に腫瘍があった。肺は孤発性なので、正確には転移か原発性肺癌かはわからないが、大腸癌の転移とされていた。
外科外来で経過をみていたが、4月に肺癌に伴う閉塞性肺炎で内科に入院した。なかなか治り難く、抗菌薬の点滴静注が長期になった。希望もあり、いったん軽快退院したが、翌5月に肺炎で再入院した。抗菌薬を点滴静注から内服に変更して、内科外来に通院してもらった。抗菌薬を中止して経過をみていたが発熱はなかった。
再々度の肺炎での入院になると予想していたが、腸閉塞になって外科に入院した。当直は大学病院から来ているバイトの若い先生で癌性腹膜炎と思ったようだ。外科医もそのつもりでいたらしく、終末期の対応が話合われていた(悪化時はDNR)。
入院後、症状は軽快してきて、術後の癒着性腸閉塞だった可能性がある。退院できれば、今度は閉塞性肺炎あるいは癌性胸膜炎の問題で内科に戻るのかもしれない。