土曜日内科の若い先生が日直をしている時に、44歳男性が内科クリニックから黄疸で紹介された。胆汁うっ滞型の肝機能障害があり、総ビリルビン7.9mg/dl(直接ビリルビン5.5mg/dl)だった。腹部エコー、CTで胆道系の拡張はなかった。
1か月前から咳が続いて(喘鳴はないらしい)、7月末には高熱があった。かかりつけのクリニックで治療を受けたが、発熱が続いて別のクリニックを受診した。そこの先生は、肺炎や腎盂腎炎を治療する時、いつも外来でファーストシン点滴静注をしてジェニナック内服を出す。無事解熱したが、次に受診した時に患者さんが尿が黄色い(正確には茶褐色)と言ったのがきっかけで、黄疸に気付いたのだった。
薬剤性肝障害疑いで経過をみることになったが、週明けの今日の検査で改善していなかった。消化器科医とも相談して、ウイルス性肝炎と慢性肝疾患の増悪(AIH・PBC)の検査が追加になった。もう少し経過・検査結果を見ないと、原因はわからない。
CTを見て、肺病変も気になった。現役喫煙者で20数年の喫煙歴になる。CTでは両側上~中肺野に気腫性変化が目立った。今回は気道感染(おそらく最初はウイルス性でその後の発熱は細菌性)をきたしてこじれたが、これまでは特に咳・痰・息切れはない。かぜ症状が長引いて困ったこともないそうだ。
COPDだと60~70歳代の印象があるが、この方は40歳代ですでに立派な(?)肺気腫を呈している。このまま喫煙を続ければ、確実に在宅酸素療法になるのだろう。今回の入院を機に(肺症状ではないが)、禁煙するとは言っていた。