なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心室細動

2018年08月20日 | Weblog

 昨日の日曜日は日直だったが、夕方に受診した小児2名が点滴をしていて、当直帯まで経過をみていた。ひとりは喘息発作で、もうひとりは朝に上気道炎症状があったが、日中サッカーの練習に出て熱中症になっていた。それぞれ点滴を終了して帰宅できる見込みがついた。その時当直の外科医に、心肺停止の患者さんの搬入依頼の連絡が入った。

 患者さんは45歳男性で、居酒屋で飲んでいて突然倒れたそうだ。居合わせた人が心臓マッサージ(胸骨圧迫)をして、救急要請した。救急隊到着時に心室細動が確認されて、AEDが3回作動して洞調律に戻った。血圧は130程度を保ち、不安定ながら自発呼吸も出た。

 搬入時、意識はなく昏睡状態だった。血圧は130台で保たれて、心拍数は正常洞調律で100/分前後だった。酸素飽和度も酸素投与で100%。痰が絡んでムセっていた。外科医がすぐに気管挿管を行った。

 心電図では、V5-6で1mmのST低下とT波の平定化があるが、急性心筋梗塞とする所見はなかった。ブルガダ症候群ともQT延長症候群とも言えず、心室細動になった原因は不明だった。電解質は血清K3.0と低下していた。頭部CTは動いてしまってきれいな画像ではないが、くも膜下出血・脳出血はない。

 そのうちに自発呼吸が弱くなり、用手的に人工呼吸を行った。意識は変わらず昏睡のままだった。年齢からは高次医療機関でできるだけの治療を行う必要がある。

 当直医が大学病院救急部に連絡すると、受け入れはできるが、もっと近くの地域の基幹病院に当ってみてはという返事だった。基幹病院に連絡すると、内科当直は循環器科医だった。ちょっと待って下さいといったん電話を切って(受け入れベット・人員を確認したらしい)、その後に受け入れできると連絡が入った。当直の外科医が救急車に乗り込み、戻ってくるまで救急外来を診ることにした。

 1時間半くらいで当直医が戻ってきた(午後10時半)。とりあえず、無事に到着できた(患者さんの妻には搬送中の急変の可能性を伝えていた)。まず人工呼吸器管理になるが、低体温療法を行うのだろうか。もともと病院に泊まって待機する予定だったので、医局で内科学会のセルフトレーニング問題を少しみてから寝ることにした。

 その後、準夜帯~深夜帯で受診はなく、午前6時に75歳男性が受診して肺炎と判明した。7時半に廊下で当直医に会って、肺炎の患者さんが来ていると報告を受けたので、内科入院とした。尿中抗原陽性で、肺炎球菌肺炎だった(頑張ったが痰は出ない)。病棟の日勤で入院にすることにして、外来でセフトリアキソン投与を開始した。

 当直の外科医は昨日の午後に糖尿性壊疽の下肢切断術をして、そのまま当直に入ったので、相当に疲れていたと思う。当方は日直+時間外勤務5時間となった。 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする