金曜日の大学病院から内科新患に来てもらっている先生の都合が悪く、代わりに外来を診ていた。内科医院から63歳女性が紹介されてきた。
1か月弱前から右胸部の疼痛があり、前胸部~側胸部~上背部と部位が変わるという。こちらが痛い時はあちらは痛くないというように、一か所だけ痛いそうだ。程度は激痛ではない。ロキソニンが処方されたが、症状は同じだった。診察の時は正中に近い前胸部が痛いというが、それほど苦痛には見えない。乳癌健診を受けたが、特に異常は指摘されなかった。
発熱はなく、咳・痰・息切もない。呼吸性の疼痛でもない。一日中続いているような気がするが、気にならないこともある。夜間の睡眠は問題ない。圧痛はなかった。帯状疱疹も経過中に出ていない。既往もなかった。無疱疹性疱疹なのだろうか。ただ痛みの性質は神経痛様ではない。胸部X線・心電図は異常ないだろうと思ったが、やはり異常がない(症状がある時の検査)。炎症反応は陰性。
普段は高血圧症・高脂血症で通院している。最近は耐糖能異常からぎりぎり糖尿病の値になってきた。脂肪肝があり、体重は変わらないというが、肝機能障害も程度は少し悪くなっている。腹部エコーは脂肪肝以外異常なし。
原因はわからないので、経過をみてもらうことにした。カロナールを処方して、定期~頓用で調整していいことにした。生活習慣病については、処方の追加は希望しなかった。こちらも体重の調整で経過をみてもらうことにした。糖質制限を勧めた。
こういうのは、診る人が診ればわかるのだろうか。症状が続く時は、また受診してもらうことにしたが、帯状疱疹後神経痛に準じた治療になるか。