なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

下痢が続く

2018年08月29日 | Weblog

 87歳男性が下痢が続いて8月初めに入院した。内科の若い先生が診ていたが、レボフロキサシン内服を処方していた。症状が軽快したとして10日後に退院にした。

 翌日症状が続いて、ふらふらして自宅で倒れていたと翌日受診してきた。当方が主治医になって再入院になった。便培養をしていなかったので提出したが、陰性だった。CDIの検査も抗原・トキシンともに陰性だった。

 点滴をして、低カリウム血症の補正をして経過を見た。発熱が出現したり、解熱したりで推移した。炎症反応も上がったり下がったりだった。便培養とCDI検査を再検したが陰性だった。

 消化器科で無処置で大腸内視鏡をしてもらった。肛門側の大腸に発赤が続いているが。潰瘍性大腸炎とはいえないという結果だった。再入院時の腹部CTで肛門側の大腸壁肥厚があり、その通りの所見になる。生検では陰窩膿瘍を認めるとあったが、組織像としては偽膜性腸炎寄りという報告だった。

 最初は感染性腸炎で抗菌薬投与で偽膜性腸炎発症した、あるいは最初から潰瘍性大腸炎だった、ということを想定した。

 偽膜性腸炎として、CDI検査を2回行って陰性ということはあるのか。自然に熱や炎症反応が良くなったり悪くなるのもわからない。潰瘍性大腸炎と偽膜性腸炎として治療薬を併用もあるが、まず潰瘍性大腸炎を想定してペンタサを開始してみた。3日後から解熱して、表情も良くなり食事摂取量も増えてきた。ただし下痢の改善はまだ若干というところだ。フラジール併用は見合わせて、来週まで経過をみることにした。どうなるかまだわからない。

 

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