なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

薬剤性と細菌性

2018年08月25日 | Weblog

 内科の若い先生に、月曜日に入院した肺炎の82歳男性のことで相談された。現病歴は6月から始まる。

 6月に倦怠感・易疲労感で内科クリニックを受診した。胸部異常影があり、胸部CTで両側肺野に淡いスリガラス様陰影を認めた(当院放射線科に画像検査が依頼)。改めて当院の呼吸器外来(大学病院からの応援医師)に紹介された。

 整形外科クリニックから処方されていた芍薬甘草湯による薬剤性間質性肺炎と診断された。原因薬剤が中止されて、プレドニン30mg/日が処方された。肺陰影は順調に軽快していた。プレドニンは5mg減量された。

 そして今回の肺炎になる。淡いすりガラス様陰影というよりは、浸潤影的な陰影だった。ただし両側対称的な分布なのが気になる。細菌性肺炎の併発として、入院後に抗菌薬投与で治療を開始していた(ABPC/SBT)。すんなりと解熱というほどではないが、軽快しているように見える。喀痰培養でインフルエンザ桿菌が検出された。呼吸器科医と相談して決めてもらうしかない。

 呼吸器外来に来た先生に相談して、プレドニン30mg/日に戻して、抗菌薬はセフトリアキソンに変更して経過をみることになった。来週まで経過をみないとまだわからない。

 

 スルバシリン(ABPC/SBT)はMeiji Seikaファルマの製品だが、出荷調整が行われて一時的に手に入らなくなった。MRさんが説明に来ていて、今年の冬くらいにまでかかるらしい。ABPC/SBTの先発品・複数のジェネリック製品も同様だった。抗菌薬適正使用でペニシリン製剤の推奨・高容量投与になって、出荷数が増加しているためらしい。当院のスルバシリンは今週分でなくなるので、新規には投与できない。

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